くそ雑多なひとりごと
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『推理の星くん』を久しぶりに読み返した。この作品はコロコロコミック連載の謎解きマンガです。探偵の主人公・天童星が様々な謎を解き明かしながら、過去の因縁や強大な敵に立ち向かっていく感じの話。
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このマンガはストーリーとしては前半(1~4巻途中)と後半(4巻途中~7巻)に分かれていて、私は後半の話ばっかり読み返してたな~という記憶があるのだけど、改めて読んでも後半が圧倒的に面白かった。

後半の何がいいってキャラがいいんだよな。キャラとその配置と関係性が全部いい。これはもう羅列しただけで一目瞭然な気がする

【全編共通】
主人公…探偵の少年
助手ポジ…振り回され少女

【前半】
敵…おじさん、双子のおじさん、ギャンブラー少年、おじいちゃん、おじいちゃん、急に出てきた殺人鬼青年
味方…刑事のおじさん

【後半】
ライバル…天才シェパード犬の探偵
敵…謎の少女、少女に付き従うロボットの男
サブキャラ…ギャンブラー少年、ロボット男を慕う子分のおじさんたち、童顔35歳の天才科学者 ほか

前半部、おじさんが多すぎて笑う。いや、おじさんが悪いわけじゃないんだけど、絶妙に地味なおじさんばっかりなんだよね。コロコロキッズとしてはまあ……もうちょっと若さが欲しいというか……
敵のおじさんたち皆気のいいヤツらなんだけどね。

後半に入るとその布陣が一変、まず前半にいなかった『探偵としてのライバル』が登場するのが良い。しかもそれが犬なのが良い。
敵キャラもおじさん軍団が一変、謎の天才少女である。ちなみに犬はこの少女の飼い犬。そんな感じの若いキャラたちの中に長身男性外見のロボットとそれを慕う子分たちっていうサブおじさん成分でバランスよくしてるところもかなり丁度いい。キャラの配置がめちゃくちゃいい。単なるトヤマの好みじゃねーか!!って感じだけど、実際コロコロキッズとしてはおじさんばっかりだと退屈してしまうのだ。本能なのだ。

前半はストーリー全体の流れとしてやや「…?」となるところがあるんだけど
後半はストーリーの流れも美しくて、いがみ合ってたライバルと協力して困難に打ち勝ち、孤独な少女を救う話!!なにより締め方が良い。私は終わり方にかなり比重を置くので推理の星くんの右肩上がりっぷりはたまらんものがある

前半も肉親との因縁を乗り越えるっていうストーリーの流れ自体は王道で良いんだけどね、ラスボスがマジで唐突でね……


後半はキャラのバラエティ、その関係性、ストーリーの流れどれをとっても良いんだけど、何より私が好きなのは『(死ではないが)不可逆な別れがあり、しかしそれは前向きなものである』という部分。全てかもしれん。好きなものの
久しぶりに読むとストーリーの細かな部分には違和感があったり、謎解きが強引な時があったりっていうのはあるけど、最後の不可逆な別れのシーンでは余裕でメキョメキョに泣いてしまった。ここまできたら多分一生泣けると思う。これがあるだけで大名作だよ星くんは

もしかしたら2024年に推理の星くんを初見で読む人がいる可能性はゼロじゃないので畳むけど

最後にはライバルの天才探偵犬がその強化された知能を失い、ただの犬に戻っていくんだよね。ただの犬に戻る直前に書いた手紙が主人公の元に届く。達筆だった字がどんどんへにゃへにゃになっていって最後にはグニャグニャしたひらがなになって、そしてもう二度とその知能は戻ってこない感じになって終わり。でもそれは本来の犬として飼い主の少女の元へ戻るという前向きで幸せな別れでもあって、そういう様々なことがありベショベショに泣いてしまうし、今も思い出して泣いてる。よすぎる。
▲とじる


はぁ、いいマンガだった。読み返してよかった。