徳甲一族 英霊の歌

マンガ描いたりしつつ俺屍Rをじっくりプレイする記録

一族あと語り / 24 緋ノ丸

1年越しの徳甲一族キャラ語り 第24回になります。
これ何?という方ははじめにを御覧ください。

緋ノ丸-沿革

 

更紗と崇良親王の子供

近くて遠い、母と友

他の神々と随分と雰囲気の違う父は、よく『家族』や『人間関係』の大切について語っていた。誰かと結ぶ絆は他のものには代えられない、というのが彼の弁である。

彼は父神に愛着を持っていたし、その通りだと思えた。だが、その話を聞けば聞くほど、同時に不安な気持ちにもなってしまうのだ。

『自分は、母や他の家族たちと仲良くなれるだろうか?』

 

 

ひと月の短い期間を終え、父とお別れをして、赤く長い髪の少年は地上に降り立った。

そこで、少年は出会うことになる。輝くような笑顔で迎えてくれた、星のような男児に。

名前は一番星。父の入れ知恵もあって『ホッシー』というあだ名で呼ぶことにした。そんな彼は……

緋ノ丸にとって、生まれて初めての『友達』だった。

 

 

母・更紗も緋ノ丸を優しく迎えてくれたが、父に聞かされていた通りずっと元気がないようだった。その姿しか知らない緋ノ丸には、『以前の母』がどのような人物だったのか分からないのだけど。

更紗は適切に指導をし、戦っていくために身につけるべきことや学ぶべきことを教えてくれた。
しかし、必要以上に緋ノ丸と関わろうとはせず、彼と接することをどこか躊躇っているように見える。緋ノ丸は、とても不安な気持ちだった。

 

徳甲緋ノ丸には戦の才能がない。

イツ花の見立てた素質の格付けは皆より劣っていたし、実際に槍を握ってみると『その見立て』が正しいことを実感させられた。
朱点童子との決着を見据えられている代にも関わらず、だ。

母がそのことを直接非難することは決して無かったけれど、その消極的な態度を見るたびに感じてしまう。
『自分は、母に期待されていないのではないか』と。

緋ノ丸は、母の『何か』になりたかった。

母の期待を背に受けることができる強い槍使い。母を笑顔にできる救済者。…母を短命の呪いから解き放つ英雄。なんでも良い。母にとっての『何か』になりたかった。

しかし、彼はその『役』にはなれなかった。

母を笑顔にしたのは、ずっと一緒に戦ってきた揚羽だったし、才能も経験もない緋ノ丸に『更紗存命中の朱点童子打倒』など夢のまた夢。

 

…にもかかわらず、緋ノ丸は無謀にも朱点の庭の奥に踏み込もうとしてしまう。そんな彼を制したのは、友である一番星であった。

一番星は強い。今家にいる誰よりも強い。
そして、彼も緋ノ丸と同じように『余命幾ばくもない親』を屋敷に残していた。

なのに、彼は止めるのだ。まだその時ではない、と言って。

彼は自らの親を救いたいとは思わないのか?すでに割り切れているとでも言うのだろうか。
緋ノ丸はその時、この友をとても遠くに感じた。

 

当主交代

1028年 4月。緋ノ丸の母と、そして一番星の父が死んだ。
緋ノ丸は結局、母に何もしてやることができなかった。

 

2人を葬い、長に就任するまでの慌しい数日を終えて一息ついた時、縁側に佇む一番星の背中を見つけた。
暗がりの中、彼は一人で泣いている。

その時、緋ノ丸は初めて気付いた。彼が明るく振る舞っていたのも、冷静でない緋ノ丸を止めたのも、『平気だったから』なんかじゃなかったことを。そういう姿を見せまいとしていただけ、だということを。

にも関わらず、愚かな自分は彼を忌々しく感じていたのだ。

 

もう一つ、緋ノ丸には後ろめたい考えがあった。

当主の指輪が持っているという『譲渡による一時的な延命効果』……どれくらいの期間延びるか定かではないが、それを使えばあるいは揚羽だけでも助けることができたのではないか?

解呪が不可能でも、一番星はもう少し長く父親と一緒に過ごせたのかもしれない。

…この事実はおそらく緋ノ丸しか知らないし、あくまで仮定に過ぎないものだ。

だけど、友の大切な人を救えたかもしれない、その可能性が今己の右手小指にはまっていることを思い……そして友の明るい振る舞いと涙を見ると、なんだかたまらない気持ちになってしまった。
自分が彼の立場なら、あんな風に笑えただろうか。

 

時間は決して戻らない。ならば、自分のために笑ってくれた彼のためにも、絶対に朱点童子を討とう。

友と握手を交わしながら、緋ノ丸は強く思った。

 

 

強くなる理由

絶対に朱点童子を倒そう、そう決心した。

…が、決心したからと言って急に力が湧いてくる訳じゃないし、現状を打破できる訳でも無かった。

自分が一歩進むうちに周りの皆は十歩進んでいる。奥義を編み出したり、上級術を習得したり、そういうことも出来ていない。

そんな現実を目の当たりにするたび、気持ちは後ろ向きになるばかりだし、小さなことでも強い不安を感じてしまう。

緋ノ丸の現状は、そんなものだった。

 

 

「いつでも死んでみせる」

 

それは日頃の礼にと茶器を贈与した際、一番星が軽い口調で発した言葉だった。

『死』という言葉は、冗談まじりに出てくるようなものなのだろうか?
もしかすると、彼は本心から「死んでもいい」などと思っていたりするのだろうか?だとしたら何故?父親を亡くしてしまったから?

後ろ向きな緋ノ丸の思考はどんどん悪い方へと流れていくばかりだ。

 

 

 

 

そんな緋ノ丸を励ましたのは、他でもない一番星本人だった。友の不安を察したのだろう。

一番星はいい奴だ。大切な父親が死んでも悲しみを押し殺し、同じ気持ちの友を励ますために笑ってみせるようなヤツだ。

つまり、彼の言う『死んでもいい』と言うのは『大事な友のためならば死んでもいい』ということなんだと、緋ノ丸は思った。

 

一族が目指す朱点童子との決戦……それは、何が起きるか分からない未知の戦いだ。
一人伸び悩み見劣りする力量の緋ノ丸は、真っ先に狙われたり脱落するかもしれない。

そんな友を守るためなら、生かすためなら『死んでもいい』。

…もしかすると、そう考えているのかもしれない。緋ノ丸の知っている徳甲一番星は、そんなことを思いながら笑えるヤツなんだ。

 

そして、彼には力がある。力があるものは、力の無い者を守ることができる。

主導権を握れるのは『強い者』だ。状況を打開できるのは『強い者』だ。誰かを守れるのは『強い者』だ。

 

これまで、緋ノ丸は思っていた。『自分には才能がない。一番星やまつり、ルリオには絶対に追いつけない。』と。
ならば、少しでも努力して、越えられないまでも彼らに近付いて、足を引っ張らないように決戦に臨まねばと。

だがそれは間違いだと気付いた。『皆より弱いまま』では、誰も守れない。命を賭すかもしれない友を止めることなどできない。最強の仇敵を相手にして、犠牲を出さない戦いができる訳がない!

 

誰かが、じゃない。『自分が』誰よりも強く在らねばならないんだ。

 

手の届く範囲の強さなんて何の意味もない。必要なのは『最強』で『無敵』な力だ。

その日、緋ノ丸は本当の意味で『強くなる理由』を得た。

 

 

 

決戦前

それから、緋ノ丸はできること全てに手を出すようになった。

リスクを避けることをやめた。『全てを手に入れるか、全てを失うか』そういう選択をしなければ、己の器以上の力は手に入らないと思ったからだ。

力の源になる増強の薬…鬼から奪い取った原液を流し込み、寝る間も惜しんで鍛錬に明け暮れた。一族としての討伐日以外も、単身鬼を相手に戦うこともあった。京の高名な戦士や術師に頭を下げて教えを乞おうともした。なんでもいい、一つでも多くのことを吸収して強くなりたかった。そのためなら血反吐を吐いても恥をかいても構わなかった。

短命の呪いを解き、そこに自分と一番星が、そして皆が無事に生きている…そんな理想を思い描いた。それを夢想で終わらせないために力を得るのだと考えた。

 

例えば身を削ってでも最大級の威力を発揮できる最強の攻めの奥義を、例えば敵の攻撃を一切通さないような無敵の守りの奥義を。

馬鹿げているとは思わなかったし、出来るか出来ないかの尺度で考えることもなかった。『やる』のだと決めていた。

 

 

 

そして、緋ノ丸は強くなった。

 

 

 

死に物狂いで駆け抜けた季節が過ぎ、決戦を目前に控えた一族は最終調整の期間に入っていた。

緋ノ丸はもう、かつてのような『後ろ向きで中途半端な努力しかできない男』ではない。胸を張って朱点童子討伐隊の先頭を歩いていけるだけの力を手に入れた。 …はずだ。

しかし、心のどこかに不安がある。それは力不足だとか、戦いに関するものではなくて――

 

なんだか、一番星の様子がおかしい気がするのだ。

表に見える何かが変わったわけじゃないから、原因は分からない。彼はこれまでと同じように、明るい笑顔を向けてくれる。
だけど、彼は誰かを励ますために、心配をかけないために笑える人だ。だから不安になるのだろうか。

緋ノ丸が漠然とした不安を口にした時、やはり彼は笑って励ましの言葉を告げた。「緋ノ丸は強くなった、何も間違ってはいない」と。

彼はいつもこうだ。こうやって俺を突き放すことなく背中を押して、共に歩み壁に立ち向かってくれる。何も変わっちゃいない。
そう思えたし、そう思いたかった。

 

とにかく勝つしかない。迷っていられるような状況じゃないのだ。その為に力を手に入れたのだから。

緋ノ丸は改めて決意し、そして決戦の地へ向かった。

 

 

決戦

絶対に勝つ。絶対に全員で生きて帰る。心はそんな想いで昂り、激っているのに、頭の中は凪いでいるかのように冷静だった。

実際の行動時間の数倍は思考時間があるかのような、不思議な感覚で時が流れている。

どう立ち回れば良いか、次にどんな手を打ち、どんな拍子に敵の攻撃が来るか。どんな言葉を使えば奴の神経に触れるか、そんなことがスルスルと思い浮かぶ。

そしてその判断の全てで思い通りの結果が出た。こんなことは生まれて初めてだったし、きっと今後二度とないだろうと思えるほど、感覚の全てが研ぎ澄まされていた。

緋ノ丸の張った『守りの陣』は阿朱羅の攻撃の悉くを跳ね返す。おぞましい気を圧縮した狂気の光も、鈍く光る鋭い爪も、緋ノ丸たち四人に傷一つ負わせることはできなかった。

緋ノ丸は陣を張るため、最前線に立っていた。いつもは隣にいる友を背中にして。
あるいは、友が背中にいる、背中を押されているという感覚が緋ノ丸を無敵たらしめたのだろうか。

 

緋ノ丸たちは、一族の仇敵を、呪いの元凶を打ち倒した。

 

 

一本の糸

朱点童子を討つと、予想できたことと予想だにしなかったことが同時に発生した。

まず、塔が崩壊を始めた。朱点童子の作り出した空間が、奴の力を失ってその形を保てなくなったのだ。
脱出のためには全員で固まっていなければならない。緋ノ丸は少し離れた一番星に手を伸ばした。――が、

 

一番星は緋ノ丸の手を拒み、崩落する塔と共の奈落へと消えていった。

誰よりも生きていてほしかった友は、あっという間に見えなくなってしまった。

 

 

緋ノ丸は一瞬頭が真っ白になったが、その場に残ったルリオの呼びかけと、一番星を追いかけて飛び出したまつりの言葉を受け、また思考を回し始めた。

朱点童子と戦った時の、あの何もかもが手に取るように分かる感覚。幸いそれはまだ彼の中に残っているようだ。

緋ノ丸は考えて考えて考えた。去り際のまつりの言葉を、破損して尚残る当主の指輪の残滓を、一族が過去に紡いできた絆を、ルリオの持つ可能性を、そして友との繋がりがまだ切れていないと信じて

 

彼は、一本の細い糸を掴み取った。

 

ルリオの持つ波動砲の力で地獄の空間を破ると、一族に助力する神々がなだれ込む。空を飛ぶことができるご先祖に『彼女の与えた力の気配』を手繰ってもらえば、一番星とまつりを救助することは容易かった。

そうして、緋ノ丸は真の意味で決戦を終えたのだった。

 

 

勘違いと熱

緋ノ丸たちは欠けることなく、帰るべき屋敷の門を再び潜ることができた。

身を投げた一番星、彼を追いかけ身を挺して守ったまつりの消耗はかなり激しかったが、数日経つと彼らの意識も回復した。そして―……

 

緋ノ丸は友の思いの全てを知った。

不安、自身の在り方、『変わっていくこと』への怖れ…

緋ノ丸には想像もできなかったことばかりで驚いたが、しかし不思議と合点がいった。

ずっと感じていた違和感、正体の掴めなかった空白が埋まったような気がする。隠したかった気持ちを隠しきれず捨て鉢になった友の姿は、それでもやはり彼自身だと、そんな風に感じられた。

だから、『そんな姿はお前らしくない』なんて言うことはできなかった。今目の前にいる彼を否定して、かつての明るい友に戻ってほしいなど、とても緋ノ丸には言えなかった。

しかしながら、他にどう声をかければ良いかも全く分からなかったのだが。

 

そんな時、細く、低く、途切れ途切れの言葉が、狼狽していた緋ノ丸の耳を通り抜けた。

 

「お前さんはおいらがいたから強くなったんじゃねえ」

「緋ノ丸はおいらがいなくても生きていける」

 

友は、そう言ったのだ。

 

は?

緋ノ丸の頭が急激に熱くなった。何を言っているんだこの男は。それだけは、それだけは違うだろう

お前がいなくても強くなれただと?お前がいなくても生きていけるだと?ふざけるな ふざけるなよ

生まれて初めて、この友に対して本気の『怒り』を感じた。

その言葉は、俺とお前のこれまでを全て否定するものだ。俺と、俺にとってのお前の存在を否定するものだ。友を否定する者は、例え本人であっても許せない。

朱点童子との決戦ですら冷静だった緋ノ丸は完全に沸騰していた。頭で考えるより先に口から言葉が出る。

 

気付くと縋るように彼を強く抱きしめて、懇願していた。「今すぐいなくなるなんて言わないでくれ」と

お前が本当はどんなヤツだって関係ない。だって、お前が俺の『初めての友達』であることだけは、何があっても変わらないのだから。

 

 

それからのこと

友は一先ずは生きて、今までのように共に暮らし続けることになった。

彼は緋ノ丸にとって生まれて初めての友達で、無二の親友で、誰よりも大切な存在だ。
故に緋ノ丸は心から懇願して彼を引き止めた。去ろうとするその手を離せなかった。

しかし、それは彼を苦しみで縛ることになるということも分かっていた。彼が生きるということは、後悔や罪悪感という重たいものを背負い続けるということだ。それでもここにいてほしいと、自分が願ったのだ。

だから、緋ノ丸は呪いを解いて得た残りの人生を全て捧げようと思った。彼が生きて、少しでもその心の重荷を減らせるなら、それ以外に望むものなんて何もない。

…そんな、誰が見ても過重な想いを固めたというのに、不思議とさっぱりとした潔い気持ちだった。
足取りはかろやかで、今まで言おうと思ったことすらない軽口なんかもスルスル出てくる。

そういえば、自分が俯いて歩いていた時はいつも友が明るく笑いかけてくれたっけ。今の姿はまるでそれを反転させたかのようだ。

もしかすると自分と彼は二人で丁度良くなるような仕組みになっているのかもしれない。

だから、俺たちは友達になれたのかもしれない。

 

この先に何が待ち受けているかは誰にも分からない。だけど、緋ノ丸は誰よりも大切な友のいるこの世界で生きていくのだ。

 

 

 

緋ノ丸について

緋ノ丸ゾーンの話

『各キャラ視点文章』なので『緋ノ丸がゾーンに入ってる最強状態の部分』も彼の目線で語らないといけないんだけど、これめちゃくちゃ難しいですね。

この『ゾーン入ってる状態』について
野球とか見てる時にたまに聞く言葉だけど、『絶好調すぎて無双状態になってる』みたいな状態のことですね。時限付きの最強状態
朱点童子戦前後の緋ノ丸は完全にゾーン入ってた感あった。

『覚醒状態に入って100%以上の力を発揮する』って少年マンガあるあるのような展開ではあるけど、これをゲーム内でやっちゃったのが緋ノ丸のヤバいところだなあって思っています。無敵陣でほぼ完封して被ダメージ2桁で阿朱羅突破て

ゲーム的に言えばこれって『(無敵陣張ってるタイミングで物理攻撃しか選出されなかったという)運の良さ』って話にはなるんだけど、

キャラ的な状況に落とし込んで考えたら(妄想したら)敵の行動選択はやっぱり『朱点童子の意思』だし、それを防ぎきったのは『緋ノ丸の強さ』だと受け取って良いんじゃないんでしょうか。

補完妄想のレンズで覗いた時の話ね!マジで最強だった

 

そういえば『精神状態によって極端に上振れしたゾーンに入れる』緋ノ丸って、逆に『極端に下振れする可能性もあるタイプの人』なんじゃないかと思います。

良くも悪くもメンタルの影響が出やすいというか。普通の人が『最低値⇔最高値=-10⇔10』くらいの振れ幅だとしたら、『-100⇔100』くらいの振れ幅がありそう。強いメンタル状態ならとんでもない力が出せるけど、逆に折れるととことんまでバッキバキに折れてどん底の底まで落ちてしまうタイプ?

 

これ、同じタイプのゾーン持ちが徳甲一族にはもう一人いるんですよね。血潮って言うんですけど

血潮の項目で書いたけど、彼の最期の戦い(お夏戦)で途中までの攻撃は全てヒットしていたのに、詠芽さんが落とされた瞬間から一回も攻撃が当たらなくなったっていう出来事がありました。

ゲーム仕様で言えば『(血潮の敏速なら)そこそこ外して当然』くらいの数値ではあるから、全部命中してたタイミングは完全に上振れ・その後揺り戻しが来て外したってことなんでしょう。

だけどこれが『詠芽さんが落とされた前後』で切り替わってるのが本当になんか『ゾーン状態の切り替わり』に思えてならないんですよね。

最期の血潮が下振れの方のゾーン・いわゆる超絶不調状態だったとすれば、おそらく緋ノ丸もああいう風になる可能性は持ってるんじゃないかなあと。逆に、血潮には緋ノ丸のように『無敵』になれる可能性がある。…かもしれない

 

その時のスイッチの切り替わり方によって大きく上振れ・下振れする可能性がある…そういう意味で、血潮と緋ノ丸って似た性質を持ってるなあって思います。愛が重いし

だから私オタクはつい緋ノ丸と血潮を対比的に見ちゃいます。二人とも防御奥義(燕返し/無敵陣)持ってるし。背丈は真反対だけど、それはそれで対比感あってよき

赤や揚羽もけっこう無敵モード搭載してるタイプだけど、血潮や緋ノ丸とは別の性質のものかなあ。

 

緋ノ丸と無敵関係の余談

・無敵陣っていう捻りナシの直球極まりないネーミング、一族によってはバカっぽい名付けに見えるんだけど(羽出井の天晴とか)緋ノ丸の場合は『彼のなりたい姿の言語化度がクソ高えドストレートなガチの気持ち』なんだよな~…と思う。 無敵陣 無敵陣は最高

 

・補完妄想的には『凡人の緋ノ丸が覚醒するくらい強くなったのは得体の知れない地獄産の薬を飲みまくったり色々無茶しまくったから』という描写に落とし込んだけど、このやり方って別に正しくはないと思う。(大成功か大失敗かみたいな?ダイジョーブ博士的なやり方だったと思うので)

ガチで体壊しそうだし。もし無理しすぎて死んだり戦えなくなってたら計画崩壊もありえたっていう意味では本当にリスキーで、一族の長に相応しくないことをしてたと思います。

でもそういうリミッターを付けていたら、多分彼は無敵にはなれなかったんだろうなあ。

そういう意味ではやっぱり『最強になるかぶっ壊れるか』って感じで血潮の血を感じてしまう。

 

 

緋ノ丸と乳離れ

これは1年以上経ったから語っても良いかな。語りたい台詞があるんですけど…

この時の緋ノ丸の煽り文句について。めちゃくちゃ好きだし渾身の言葉だった、という話して良いですか?いいよ

 

どうしてこの台詞に力が入っているのかと言うと

▲緋ノ丸の来訪セリフ

この来訪セリフ見て最初は『ラッキースケベ気質?ギャルゲー主人公?』みたいなことを考えたんですけど、最終的には『マザコン気質』という解釈に落ち着いたって経緯がありました。

『才能がなくて、自信を持つための根拠が無かった』緋ノ丸が縋るのってやっぱりお母さんの存在なんじゃないかな、と。
彼女に認められたり、彼女を救ったりできれば自分自身のことを承認できる…そういう意味で『マザコン』だったと思います。

▲これは乳離れならぬ“父離れ”できてないルリオくんの八つ当たり

 

緋ノ丸は大きくなってもあんま乳離れできていなかった人で(見た目大きくなっても生後数ヶ月なので仕方ないけど)そういうところがちょっと黄川人を思い出させるかもなあ。みたいな(勿論緋ノ丸と黄川人はぜんっぜん似てないんだけど)

 

まあそのなんと言うか、要するに『(緋ノ丸にとって)過去の自分ありきでの煽り台詞』なんですよね。阿朱羅戦前のあれは

無論緋ノ丸は朱点をバカにしたくてこんなことを言ったのではなく、あくまで直後の最終決戦に繋げるための挑発行動なんですが。(だから朱点童子は無敵陣で防げる単純な攻撃しかしてこなかった、という妄想世界的解釈)

 

そして、補完マンガでこんな煽り台詞を入れようと思ったのは、ゲーム内で『阿朱羅戦ほぼ完封試合』が起きたからですね。それはもう私一人でメチャクチャ盛り上がってました。

盛り上がりすぎて、持ってるフォントじゃこの台詞を演出できない!!!新しいフォントが欲しい!!ってなって気付いたらAmazon配送済みになってたくらい盛り上がってました。思い出深い台詞の一つです。

 

あと、私が『プレイ記事を一旦切って補完マンガを挟む』をやった唯一のシーン…だったと思います。

私は『プレイ記録(プレイヤー目線の言葉で書くゲームの記録)』『補完創作(キャラ目線で描く物語的解釈)』をある程度区切りたい方なので、軽い一コマ挿絵以外の補完要素挿入は個人的にあまりやらない手法なんですが(自分でプレイ記録を構成する時の好みであって手法否定の意図は無いです)

ただ、あのケースに限って言えば『阿朱羅戦のプレイ記事まで全部終わった後』に『阿朱羅戦前のやりとりの補完を入れる』…っていうのは微妙かなって気がして。ここだけは繋がり優先で、プレイ記事切ってでも挟むべきだな!と判断した思い出。

『普段ならあまりやらない形式を取った』って意味でも印象的ですね。印象的なことや思い出が詰まってるシーンだ

 

 

緋ノ丸とホッシー

この二人、本当に私が最初に期待してた関係とは大分違ったな、とよく思います。対等なダチ!みたいな、時にはぶつかり合うこともあったりするような、そういう友情みたいなものをすごく期待していたような気がする。

マジで緋ノ丸とホッシーには決戦までに浜辺で殴り合ってほしいってずっと思ってたんですよ。京に浜辺ないけど
そんで夕焼けをバックにグータッチするそんな青春を望んでいたんだよな。全て過去の話ですが

この二人ってそう言うのじゃなかったなあ。『すれ違いや不理解』が『衝突』っていうエネルギーを生み出すタイプじゃなかった。

どちらかと言うと『いつの間にかできていた溝を知らない内に埋め立ててるタイプ』なのかな。緋ノ丸もホッシーも、真正面からぶつかって分かり合っていくぜ!!!って性質じゃなかったから。

勿論『私の好みの通りになってくれなかったから微妙だった』っていう話ではなく、『私の好みとか関係なく動いていった結果できた関係』がマジで良いな~~という話です。マジ……ッで好きですね 緋ノ丸とホッシーが

 

結局グータッチは一度もしなかったけど、やたら髪をワシャワシャしていたなこいつら。最終的に緋ノ丸がワシャり返してた。

何故か最終的に緋ノ丸がさっぱり快活男子になって、ホッシーが陰鬱とした人になったりね。もうぜーんぜん私の思ってたのと違ったなあ。笑

 

緋ノ丸はイケメンで長身で、少年マンガ的な覚醒大活躍もできて、皆を守れる徳甲一族の大ヒーロー! …だけど、お前のヒロインは美人の彼女とかじゃなく猿顔の友達なんだよな(この場合のヒロインはそのキャラにとっての最重要人物である的な意味合いの言葉です)

世代の紅一点で可愛くて踊れるまつり姉さん(属性だけならヒロイン第一候補)とは、衝突の末信頼関係が芽生えるっていう渋い好敵手みたいな関係に収まったし。まつり姉さんはどちらかというとホッシーの方に気があるし。

…っていう、ホッシーがを中心にした関係性のテンプレ破壊のとっ散らかりっぷりがめっちゃ好きですね。最終世代の人間関係
なんかこう、最初から『ヒーロー・ヒロイン』っていう枠組みが決まっていたらこんな人間関係は絶対に出来ないんだろうなあと。そういうテンプレートが無い俺屍だからこそって感じがします。

 

一応フォローしておくと私はボーイミーツガールな古典ヒーローヒロインもマジで大好きです。でも、その枠組みに嵌らないような相手を選んでくるやつも大好きなんだよな~~、俺屍はそういうの見せてくれるところが良いよなあって話でした。

 

悲願達成後の緋ノ丸

髪切りの話

俺屍の顔グラ80種って本当に良いデザインなんで、『これを描いておけばこのグラに見える』っていうパーツが一つは必ず付いてると思います。
(ちょっと難しい男3と21なら外ハネの有無とかあるし)

緋ノ丸の顔グラである男36の場合は『超ロングヘア』がそれに該当するパーツだと思うんですが、エピローグではこれをバッサリ切り落とすことになりました。

緋ノ丸的には心機一転、ED後の彼らしい姿にフォームチェンジしたんだな〜って感じだろうな。(呪い中は成長バグって髪がめちゃくちゃ伸びるみたいな設定があったので、それがストップしたっていうのもあるけど)

メタ的な感じで捉えるなら、緋ノ丸が『ゲーム内での外見的特徴を捨てている』=クリアしたことでゲームから離れた…って感じがして好きなんですよね。髪を切るという変化…

 

髪切って爽やかな好青年風になった緋ノ丸だけど、京の人との関わりも増えただろうなあ。

初期の緋ノ丸って後ろ向きで自信ないから町の人とも殆ど関わってなさそうだし、超絶修行モード期間は必死だから然りで、京の人たちには結構謎な人だと思われてたんじゃないかなあ。
その人並外れた長い髪や長身も相まって、『なんかミステリアスでちょっと怖い人』みたいな印象だったんじゃなかろうか。よく分からないものって怖いし

でも悲願達成後の緋ノ丸は髪バッサリ切って爽やかで取っ付きやすい外見になった上、めちゃくちゃ社交的になってるので『この人ってこういう人だったんだ!誤解してた〜』って思われてそうだな〜。

不良の更生理論じゃないけど『ちょっと怖そうなイメージ→めっちゃ明るくて良い人だ』っていう印象値の上がり方は、元から明るくて社交的だった場合よりもより魅力的に映りそう。イケメンだし 強いし お金も持ってるし マジで超モテるだろうなあ

 

 

立場の逆転の話

『自信なさげな主人公/それを励ましたり引っ張ったり振り回したりする明るい相方ポジション』って私の中で超王道の主人公&相方像なんですけど、緋ノ丸とホッシーはこれが最後に逆転してるっていうのがめちゃくちゃ面白いな~って思います。

『後ろ向きキャラと快活キャラ』だと後ろ向きな人のモノローグがすごく描きやすくて、だから本編中最初の方は緋ノ丸の心境を語られることがけっこうありました。
だけど、緋ノ丸が超絶修行期間に入った辺りからそういうのが殆ど無くなるんだよね。別に意図してたわけじゃなくて自然にそうなってたんだけど

自信がなくて人並みにあれこれ杞憂したりしてしまう時期の緋ノ丸は『書き手や読み手の目線』に寄り添ってあれやこれやと吐露できるんだけど、人並外れた努力をして強メンタルを身につけた緋ノ丸の心ってどんどん凡人から離れていくので、だからモノローグが少なくなったのかな…と。

逆に、エピローグ~その後にかけてはホッシーのモノローグがすごく増えたんですよね。

本編後の話になっちゃうんだけど、エピローグ後に描いたホッシーの話なんかがそうで。もうずーーっとホッシーがうじうじ考えてる。自然とそういう風になっていた

 

本当に私は『一人でもだもだ悩んでる人の視点や考え・モノローグを開示する』って描き方をしがちなのかも。そして、そういう『視点』を私や見る側に見せてくれるキャラに『主人公性』を見出しがちな気がします。
(勿論火輪みたいなぶっ飛び型ヒーローもいるけど)

そういう意味では、悲願達成するまでの主人公は緋ノ丸・悲願達成後の主人公はホッシーなのかなあ。

読み手側に思考と視点を開示していて、緋ノ丸やまつりなんかの人間関係の中心にいて、悩んだり迷ったりしてる……ED後ホッシーめちゃくちゃ主人公なんだよなあ。

 

 

緋ノ丸の体の話

緋ノ丸って『とんでもない劇薬を大量にぶっこんで強くなった』状態なんだよね。

勿論公式に副作用とかそんな設定は無いけど、がっつり創作補完として考えた時『薬飲んだ!強くなった!』だとちょっと解像度低い感じがしたので、『めっちゃキッツい薬キメた上で死ぬほど努力した』ってことにした…という流れだったと思う。

 

本編終盤ではあまり触れずにふんわり済ませたけど、そんなキツい薬キメてたら何らかの副作用があってもおかしくないし、呪いは解けたけど比較的早期にポックリいってしまう、そんな可能性もあるのかなあ……と考えることがあります。

これは『正史』と『絶対かいずれこうなる』って話ではなく、完全に私の妄想なんで可能性の一つ・戯言として受け取って欲しいんだけど(重要)

 

以下も妄想なんですけど、※※あくまで私の妄想なんですけど※※

もしも、そうしてホッシーだけがこの世に残されたりしたら「は?なんでおいらに“生きてくれ”っつったお前が先に死んでんだよ」って感じになるだろうなあとか、それはもう超ボリュームの陰鬱とした特大モノローグが見れるんだろうなあ………みたいなことをつい想像してしまいます。

こういうことを考えても、マジでED後のホッシーは主人公だな…って思ってしまうんですよね。物語冒頭で親友や親しい人に先立たれるタイプの映画の主人公っぽい。

本当に本当にこれはただの妄想なんで、別にそうなると思うって話じゃないです(念押し)

緋ノ丸はホッシーとジジイになるまで長生きするかもしれないし、ホッシーが先に死んだり消えたりするかもしれないし、無限の『かもしれない』の中の一つです!念押し

 

 

緋ノ丸の目の色

これは完全にゲームプレイヤーメタ話なんですけど、更紗が竜実技水引けた時『これうまく遺伝子残れば最終当主のカラーリングが真赤丸と同じになるな』って思ってました。

(竜実様の準最強技水を入れることによって更紗の子が水目になるかなって)

『初代千代ちゃん&更紗』が完全一致カラーリングなので、もしその子である『二代目真赤丸&最終当主』が一致カラーリングになったら激アツでは!?とか、そんなことを考えてちょっとワクワクしてたことを覚えてます。

 

結果的に言うと緋ノ丸は竜実技水ロストして『火髪土肌風目』に。それまでのレッド組には無かったカラーリングで生まれてきたんだよね。

終わってから考えると、『真赤丸たちとは全く違うカラーを作った』って意味で『レッド組に一人もいなかった風目』っていうのはめちゃくちゃめちゃくちゃめちゃくちゃ良いな………と思ってます。マジで良い。緋ノ丸の風目 風なのが良いよなあ…

 


次回(まつり)▶︎4/20更新予定

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テーマの著者 Anders Norén