徳甲一族 英霊の歌

マンガ描いたりしつつ俺屍Rをじっくりプレイする記録

一族あと語り / 01 大千代

1年越しの徳甲一族キャラ語り 第1回になります。
これ何?という方ははじめにを御覧ください。

 

大千代-沿革

 

源太とお輪の娘。

 

大江山の一件後、天界で保護された『呪われた子供』

血を繋ぎ復讐に仕向け、目的を果たしたい神々の画策により『鬼を憎み使命に邁進する』子供に仕立て上げられた。

幼く空っぽな器に流し込まれたのは恐怖、憎しみ、恨み…ありとあらゆる負の情報である。

それらの影響で初めは全てに怯えていた彼女であったが、交神の儀の相手役として水神『鹿島中竜』と出会った。

彼の優しさや真摯さ、情の深さに触れることで落ち着きを得ていくことになる。

第一子である青之進が生まれる頃には、長い髪をお団子のように纏めて心機一転。元気で猪突猛進な少女剣士として京の都にやってきた。

 

明るく家族を引っ張り、前へ前へと進んでいこうとする反面、彼女には常に不穏な影が付き纏う。

外れない指輪、呪殺の碑で感じた邪悪な何か、夜な夜な見続ける悪夢などが途切れることなく彼女の心身を蝕み続けていたのだ。

大千代は天界を信じ、怨敵を倒すため戦っている。しかし、何もかも全てを盲信しきっているわけでもなかった。…下界で家族と共に戦う中で徐々に違和感が湧いてきたのかもしれないが。

だが、彼女はその違和感の正体を掴む時間を持ち合わせていない。

そしてその短すぎる生では『ただひたすらに前を目指す』この生き方しか知らなかった。変えることなどできなかった。

 

 

「あたしの屍を越えてゆきなさい」

 

…こんな生き方をするしかなかった、あたしの屍を

 


大千代について

補完妄想準拠で整理するとこういう人物概要になるだろうか。

『はじめに』で書いた通り、あと語りはこんな感じで進めていきます。

最初の記事は10ヶ月前の文章を軽く手直ししたものなので、先に進むにつれて語りの形式はかなり変わっていきます。どんどん長くなっていきますがご容赦を

 

『徳甲一族初代』当初の補完テーマ

千代ちゃん 当時のテーマはズバリ『初代の掘り下げ』…だったんですが、やっぱり初代の掘り下げは難しいなあ と思う存在でしたね。

というか今思い返すとなんでこんなに重い設定にしたんだっけ…?もう3年前のことなので動機がイマイチ思い出せない…『英霊の歌』をキーワードにした話を作ろうとしてこうなったんだっけ…?(あの話を開始前に考えてたことは覚えてる)

 

補完妄想等ざっと一通り見てくださった方には多分分かるかもと思うのですが、私は本来そこまで『放っておいたらすんっっごい暗いものをいっぱい描いてる』みたいなタイプではない…つもりなんですが。

徳甲一族序盤マジでなんか暗いんだよね。
指輪でめっちゃ悪夢見る(設定)、とかね。どうしたんだろうトヤマさん 不思議だね

明るくて面白い要素もあったと言えばあったんだけど(黄々とか青之進とか、来訪直後の大也とか)

 

初代の存在というのはプレイの方においても『最初の一族方針』として後の一族に影響を与えていくものですが、補完妄想においてもそうだなあと思います。

『妄想に委ねられる部分』をどういう設定補完で、どういう雰囲気でスタートするか…ってとっても大きい部分だなあと。

そして『前後の情報』が無い初代の創作や匙加減は、後の一族に比べて『描き手に委ねられる率』が高い…と思います。

千代ちゃん、顔からステから信条からあんなに猪突猛進そうなプロフィールだったのになんであんなに暗い感じにしてたんだ…?色分けヒーローっぽい一族がやりたかったのに…?謎だ…自分で描いたのに

ただ、こういうスタートだった故に真赤丸のような存在やその結末も生まれてきたのかなあと思うんですよね。『千代ちゃんの後だったからこそ、徳甲一族はこういう道を歩んだ』と断言できる。

 

初代当主補完における『前後』の話

前後の情報が無い』というのが個人的には初代を補完する上でのキーだと思っています。

と言うのも、私は一族の補完創作する時『前後の情報を拾ってきて、数珠繋ぎやパッチワークの要領でツギハギして作っていく』ようなタイプの妄想勢だからなんですが

故に前後の情報が存在しない初代当主の掘り下げがあまり得意じゃ無いんだなあと感じることが多いです。一周目から短期一族も含め5一族やりましたが、初代がめちゃくちゃ濃厚ってパターンはほぼ無いなあと(特殊すぎる松葉は除く)

初代当主、『前にあたる情報』が全く無いわけじゃないですよね。源太・お輪との関係があるので。

ただ、一族固有ではない=歴史の流れとして共通しているものを無意識に認識の外にやってしまっていたのかも。過去一族もそうだけど、お輪さんあたりの存在しっかり踏まえて思考できたことないよな私……

自分以外の一族を見ると、源太とお輪の存在をすごく大事に捉えられていることもあって「あ、あ~~~!!そうだ~~!!源太とお輪がいるんだー!」ってなることがあります。視界から外れがちなんだよね…だから千代ちゃんも両親絡みのあれこれは全然拾えてなかったんだなあ。

 

 

『自分の場合は』の話に戻りますが、初代当主は完全に前後無しで考えなければいけないかと言うとそう言うわけでもなくて、一族が先に進んでいけば『初代の後に続く情報』だけは絶対に生まれてきますよね。

だから初代当主って『死んだ後に続く者たちの存在によって情報量が増えていき、形が確定していく』ものなのかなあ?とぼんやり思うようになりました。

 

2周目羽出井の初代なんかは、全部が終わってから『最後に長編のプロローグを入れる』というのをやったんですが、これは正に『初代の後に続いたものを踏まえて初代を掘り下げた』という状態だったんだなあと。初代当主ってもしかしたらそれくらいがちょうど良いのかもね。(あくまで私の場合の話です)

 

『個人の掘り下げ』と『一族開始座標設定』

『前後情報を踏まえてツギハギパッチワークする』のが私の『妄想補完による掘り下げ』だとすれば、千代ちゃん関連の妄想あれこれって『キャラクター掘り下げ』とはあまり言えないんですよね。

キャラの掘り下げと言うよりは『開始座標の設定をする行為』だったなー、と感じています。

千代ちゃん関係の設定は『この一族はここからスタートしますよ~』ということを決めるようなものであって、『千代ちゃんはこういうキャラクターだよ』っていうのはあまりしっかり描けてはいないかな…?みたいな。

それはそれで初代らしいので悪くはないんですが。

 

だから最後の最後、終章③で千代ちゃんが描けて良かったな〜…と思ってます。

『何者かに作り上げられた自分の心があり、そこから変わっていこうと藻掻く自分がいる。本当の自分は一体どこにいるんだろう?』という。千代ちゃんという『人物像』の中にはそういう面があったのかも…みたいなこと。

これ最後の最後のエピローグ内でやっと描けたんですよねー。生きている間には描けなかった。

 

『エピローグ的なエピソードで初代の回想を入れる』というのは非常に王道的なのでずっとやりたいとは考えてたんですが、じゃあどう入れる?っていうのは正直思い浮かんではいませんでした。

だけど本当に本当の最後、終章の内容をまとめている時はけっこうびっくりするくらいスルッと話が出てきたんですよね。

徳甲一族、途中で雰囲気が変わる人多かったけどそれって千代ちゃんもそうだったじゃん』っていう

そこから終章③は全体的に『変わっていくものとそこにあるもの』を軸にできていきました。

千代ちゃん、自分が変わっていったことについてどう思ってるんだろう。この話では『いつもの自分』を演じようとしてたからやっぱり根っから陽キャってわけじゃ無いんだろうな。

それを問える相手がいるとすれば中竜様しかいないよなあ。この会話をするとすれば最初に天界にいた頃じゃなくて2回目の交神の時……一度下界に降りて京の町で生活して鬼と戦って色々あってから…だろうなあ。

その間に千代ちゃんも色々考えてたんだろうなあ。

…こういう妄想があの話描いてる時に脳内にワ〜って流れてきて、ああ〜〜!!これが『掘り下げ』だ〜〜〜っ!!!と実感しましたね…

先述の通り、千代ちゃんが生きてた頃に描いたお話はどちらかと言うと『掘り下げ』ではなく『一族全体への設定付与・開始座標提示』だったので。

終章は紛れもなく千代ちゃんの『後』に続いたものを元にした数珠繋ぎでありパッチワークだったと思います。これが掘り下げだ〜!!やった~~!!千代ちゃんの掘り下げができた~~!!というね。これがすごく嬉しかったです。

 

最後の最後に少しだけだけど『初代当主の掘り下げ』ができて…彼女を新しい角度から見て知ることができて良かったなあ…。

これも彼女の子孫25人全員が目一杯生きたお陰だと思います。一族が悲願達成して完結することで『本当の姿』が見えてくる初代当主…私のやり方だとこれが一番綺麗なのかもしれないなあ。みたいな

 


 

初っ端からすごい私の個人的な感覚の話ですいません。多分こういう概念や構造っぽい話もいっぱいしちゃうと思います。

 

次回(青之進)▶︎2/14更新予定

© 2024 徳甲一族 英霊の歌

テーマの著者 Anders Norén