ゲーム『未解決事件は終わらせないといけないから』感想。ゲームじゃないと得られない読み味

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買ったまま積んでた『未解決事件は終わらせないといけないから』クリアした!寝る前プレイ、数日でさっくりと。普通のプレイの仕方なら数時間で一気にクリアできると思う

面白かったねえ!なんか後からじわじわくるタイプの面白さだ。

ゲームとしてはかなりシンプルで、会話パートが少しばかりある以外はずっと同じ画面を見ながら情報でパズルをするようなものだったけど、満足度高いな~~。
最初は意味不明だった情報を動かしてるうちにカチャカチャ繋がっていくの、快感度かなり高い。これこれ~~ ゲームの楽しさよ これが

ゲームである意味がかなり強いというか、この事件が普通に小説だったら全然読み味違うんだろうなとはすごく思う。ゲームだなあ。めっちゃゲームだったなあ。

以下具体的な話

 

 

 

 

・寝る前にちょっとずつプレイしてたから何度も何度もゲームを起動しなおしてて、だから冒頭のクラゲのくだり5回以上読んだ。なんかそれも味わいだった。

・最初マジで誰の発言か全然分からなかったのが、進めていくうちに「あーこれこの人の発言かー」って分かってくるのがすごい。カチャカチャパズルしてる間に徐々に見えてくるのマジでゲームの醍醐味でいい。
・最初の方マジでわかんなくて理佐子の列が無限に伸びていってた。最終的にはかなり減った。

・一発目がこれなの、ミスリードがすぎる。この発言別の人のものとは(ゲームの全貌が見えない段階では)思わんやん。それだけ清崎の記憶がまぜこぜになってたんだろうけど。

・前述したけど本当にこれ小説とかで読むのとは全く違う感覚なんだろうなって感じで面白い。小説だったら構成や見せ方を一本の筋として提示しないといけないだろうけど、ゲームだからプレイヤーそれぞれの道順で真実にたどり着ける、といった具合が。

・犀華、二人おるやんけ!!って気付ける人は序盤でも気付けそうだけど私は市役所資料が必要になってから確認して、だったな。ていうかサイカとセイカで読みも違うの今スクショ見て気付いたわ(察しが…!)

・序盤は宮城父と理佐子が別居してる夫婦で、理佐子が犀華育ててたけどなんか問題があって、宮城父が引き取るために一策講じたみたいなふうに見えてた。原島は今彼なのかと思ってた。

・未来から過去を回想する、っていう形式が絶妙なんだよな。記憶をピースとして扱うというのはすごく直観にも合う。そしてそれが曖昧でまぜこぜになってしまうということも。(清崎のように精神が追い詰められていればなおのこと)

・この表示が出た段階でよくわからないままエンディングに移行しちゃって、エンディングを一回見たんだけど、微妙によくわかってなかったのでロードし直して全部つながるまでやった。
・エンディングまで行ったくせに「犀華ちゃん」って呼んでるピースが宮城父に入っててズコーってなったりした。そこは中盤で直しておけよ!

・エンディング直前にセーブしてねえ!と思ったけど、ロードしたらちゃんとエンディング直前の状態からはじまってよかった。細やかなお気遣い。

・あらためて全員の発言を読み直して、順番を組み直して、発言主間違えてるのを正して(犀華は死んでるんです!!って発言ずっと原島の一番下に入れてた。おばあちゃんだった)

・キレイに組み上がった情報のパズルの満足感すごい。全ての視点が整理されて、ああ~~、そこがそうで、それがそうなってて、ああ~~~~ってなるの気持ちよすぎる。
・恵さんの動きとかちゃんと組み直して他と並行して確認しないとよくわからなかった。なるほどなあ。

・序盤と印象変わったのは松田婆ちゃんかな。サムネの絵のせいもあるけど、すごいいじわる婆さんみたいに見えてた。めちゃくちゃキーマンだった。
・婆ちゃんが原島に対して印象よくなかったこと自体は事実そうな気はする。それでも理佐子という二人の共通項が誘拐犯になってしまうかもしれない、となった時に利害が一致して協力体制になってたのはなんとなくアツさがある。アツさを感じるゲームではないんだけども。

・エンディングでも触れられている、清崎がしっかりと職務を全うしたからこそ婆ちゃんも動くことになったというのもアツいなあと思う。
・市役所側からの「そこらへんはよくあることなんでてきとうでいいッスよ」みたいなのを飲み込まずにちゃんと確認しにいったからこそ、婆ちゃんも「え?」ってなったんだろうし。

・エンディングの落とし所もよかったな。理佐子を助けることが、現実に返すことが、“未解決事件を終わらせる”ということなんだ。

・この、最初と最後で同じ言葉の意味が違って感じられるのもいいなあ。最初は単純に『未解決で終わった事件を見つける(行方不明児童を見つける?)こと』と受け取っていたけど、最後には『未解決事件とすることで“存在すること”になってしまっている未熟児死者・犀華という存在にケリをつける』という意味だとわかる。いい~~~、いいタイトルだなあ!

・とはいえそれはすごく難しいことだろうけど……と思った状態でゲームの幕が降りるのも絶妙。このゲームの本題は記憶パズルであるから、“現在”を解決するのはプレイヤーじゃないんだろうな。みたいな。

 


 

・あとこのゲーム翻訳もすごいですね。てっきり日本のゲームかと思ってましたよ。

・『名前』が推理において重要なファクターであるから、人名ごと翻訳しないといけなかったんだな。韓国名で言われても犀華って名前の違和感はピンとこないだろうし。

コレメンスですわ(言いたいこと言ってるツイート引用で済ませてしまった)

同作者のリーガルダンジョンも気になってきた。ことり先生がイラスト提供してるやつじゃん!!!