終章の話

『終章』の話をひたすらします。しれっと2万5千字近くある上、分割記事にすらしていません
終章についてもうほぼ1から10まで語るのでそういうのが野暮いと思う人は見ない方が良いかも

 

糸①

『朱点の呪いというを断ち切る』『ホッシーが緋ノ丸たちとの繋がりというを断ち切ろうとする』『ご先祖が紡いできた縁というが一族を助ける』のトリプルミーニングです。

 

何故糸を断ったのか

彼の行動の理由については『熱』本編で吐露した通りです。
生き残ったり変わっていくことに漠然とした不安を抱えていて、このタイミングで発露してしまった…という流れ

計画的に実行したものではなく、あの状況で衝動的に動いたような感じ。本人曰く『やらかし』と言うのが一番近い表現なのかも。『早まった』とも言うかな
普通に生きててもあるよね。後から思い返すとどうしてあんなことをしてしまったのか、ちょっと考えればあのタイミングは絶対無いって分かるだろ…みたいなこと
ホッシーのこの行動は一見突飛に見えて実は一番人間らしいような気もします。

ホッシーの性格的に、事前に呪い解けたら死んじゃおうと思ってたら更に態度がおかしくなって全員に『明らかにおかしい』って思われそう。
自分はこういうキャラだ、こういう立ち位置だ、という自認が強い割に気持ちを隠すのが本当に下手なので。

地獄巡りが崩壊しはじめて、緋ノ丸たちと距離が開いて、手を差し伸べられた瞬間ですね
ホッシーの頭の中に選択肢が浮かんだんじゃないかと。『この手を取れば生きることになる』『この手を拒めば死ねる』
そしてホッシーは咄嗟に、つい、反射的に『生を拒む』方を選んでしまった。

ホッシーのなんとなく停滞していて前を向くことに消極的なところ、プレイしながらずっと感じてはいたし、だからこの展開が頭に浮かんだのだけど…正直言うとこういう話に持って行っていいのかすごい悩みました。
あんなにキレッキレの阿朱羅戦をやった後ホッシー絡みでひと悶着、というのは興醒めする展開になってしまわないか…というメタ的な理由が一つ

そしてキャラ的に言うとホッシーって誰が見ても納得できるような『そりゃあ誰だって死にたくなるわ』ってことは何もないんですよ。まあだから緋ノ丸だってめちゃくちゃびっくりしたんだけど
だからすごく変に映らないか、急展開すぎないか…とか

でも冷静に考えるとそれって『他の一族と比べて』であって、個人で見ると別にそんなことはないのでは…?とも思います。
生まれて半年以内に父親と死に別れ、感情豊かなホッシーがその最期まで笑顔で彼を送ろうとしていた(もしかしたら顔で笑って目は泣いてたのかもしれない)ところからなんとなくイビツだったし

そして寿命の変化。『普通の人間と同じ時間の流れで生きたい、誰かと共に歩んでいきたい』と思っているルリオや緋ノ丸はそれを手に入れるために頑張れるし、自分が勝ち得た報酬として受け入れることが出来る。
でもそれって必ずしも普遍的な価値観ではなくて、感覚的には我々人間がいきなり不老不死を手に入れたら?に対する反応に似ている気がします。
ほしい!生きたい!と思う人もいれば、いらない・そんなに長い時間生きるのは怖い…と感じる人もいると思う。
後者は別に何か死にたくなるような経験があるから出る感覚とは限らないじゃないですか。当たり前にそう思うことだってある……ホッシーにとって『人間の寿命を得る』ってそういう感覚なんじゃないかなあ。

一族の記録にない、指標の無い未知の世界。それが何倍も何十倍も続いていく…怖い、怖いよ
ホッシーはそんな風に感じてるんじゃないか…そういう風に考え始めるともうそれを否定することはできなくなってきて
ホッシーが笑顔で帰還して、祝賀会して、緋ノ丸にニカって笑ってやったな!ってグータッチとかして…さわやかにHappy End…なんか、そんなのすごく嘘くさいな…としか思えなくなってきた。

あそこで身投げ衝動スイッチ入らずに普通に帰還したホッシーは笑顔で祝勝会するだろうけど、でもやっぱりハッキリ自覚できない違和感や不安を抱え続けて…フラっと失踪する可能性もあるだろうか。それが本当のバッドエンドルートっぽい。もちろんその可能性を示唆せずに終われば永遠にほんわかした光に包まれた嘘のハッピーエンドのままにできるのだけど
そういえば私は世代序盤、ホッシーの授与セリフで謎のこじれが発生してた時に緋ノ丸とホッシーにはそのうち河原で殴りあいして欲しいとか思ってたんだよな…ベタだけど。でもあの二人はそういうのじゃなかったし、それを無理やりさせるとひどく虚ろな気がしてしまうし…まあ、そういう感じには終ぞならなかったわけですが。

ホッシーの気持ちを封じ込めて『嘘』のまま終わるのは絶対嫌だなと思いました。緋ノ丸に対しても、自分や読んでる人に対しても
緋ノ丸は阿朱羅を完封した!笑顔でグータッチしてハッピーエンド!おわり!っていう風に描いたらやっぱり『そういう幕引き』『そういう人』になってしまう。でもそれってさあ!!今まで見てきたホッシーの姿の幕引きじゃないよ!!!と!!そんなの永遠に続く楽園の世界じゃん嘘じゃん!!と そこに嘘をつくと多分私は後悔するだろうなと
そう思うと彼が落っこちていくのを止めることはできませんでした。

でもこれどこまで詳細に語って良いんだろうな…って思うし通じるのかな…とも思うしちゃんと描けてるかな……と思うんだよな…ホッシー…どうしてこんなややこしい人になってしまったんだろう(心ストップ…死んでみせます…最強無敵になっていく緋ノ丸、尋常じゃなく心音を乱してくるまつり姉さん…)

ホッシーが『生きていくこと』に違和感を感じ始めたのは緋ノ丸が無敵陣を完成させたあたりかな。変化して進化して前へ前へと走っていく3人と比べて自分が立ち止まっていることに気付いたのがあの頃だったと思います。
それまでの『緋ノ丸のためなら死んでも良い』っていうのはそのまま、『万が一の犠牲になるなら自分がなるべき』という思考の結果でしかなかったのだけど、この辺りから手段と目的の逆転が起こり始めてたんじゃないかな。
もしかして『死ぬ』方が目的なんじゃないか…?ってうっすら感じ始めていて、でもそれを考えないように無意識で抑え込んで気付かないフリをしていた…それがこの時期(10月頃)かなと。

自覚はなく、無意識に封じ込めている違和感をずっと腹の内に抱えている状態で、ホッシー自身は『ついに朱点打倒に向かうぜ!緋ノ丸たちと一緒に呪い解くぜ!』というスタンスであると己に言い聞かせて騙している感じ…?でもずっと違和感があって、自分が前を向かなければいけないということに違和感があって、それが態度にも少し出てしまっていたのだと思います。

緋ノ丸はホッシーの機微には割と敏感だから何となく変だなというのは感じていて、でもその正体が分からなかった。そもそもホッシー自身がその正体を自覚・理解してないし、悟ることは不可能だったんですが
なんとなくだけど、キャラの解像度を上げれば上げるほど相互理解…って本当に存在する概念なのか…?という気持ちになってくるなあ

そしてホッシーは身投げした瞬間「あ、やっちまった」ってなって、行動の後に「ああそうか、自分は死にたかったのか」と理解して、「こうなってしまったらもうどうしようもない もうお終いだ」と思って、自らに強めの催眠術をかけて意識を手放します。
寝たり起きたりしてたまつり姉さんに対してホッシーがずっと気を失っていたのはそういう理由です。

 

京の都

地獄巡りは京のそばの印から飛べる異界なので、崩壊を目視することはできません。
ただ全く関係ない世界ではないので地震っぽい動きがあったり地鳴りくらいは聞こえてくる…というイメージ。

『一族がどんな思想を持っているか分からない』の部分に松葉一族のシルエットを出していますが、これは本当にただのイメージ画像なので『ループしている世界』とかそういう設定は別にありません。燕九朗と揚羽が話していた羽出井っぽい軍記物とかもそうで、テイルズにおける過去タイトルの武器やゲスト出演みたいなもの

松葉みたいなんが神の力と長い寿命と自由を手に入れたら勘弁してくれって感じだよな笑
松葉の時は天界何か対策打ってたんだろうか。あちらは設定の解像度低いので幾らでもありそう

 

イツ花

昼子的には『一族危険やしはよ殺せ!!』という気持ちは特にありません。それこそ裏京都まで殺しに来てくれたらええなって思ってるし。(燕九朗が言ったようにもし自分レベルの神が2人生まれたら?ほーん、おもろいやん くらいの気持ちだし)
だから『呪い解いた瞬間なんかすげえ毒で殺す』みたいな即死トラップじゃなくて『帰還機能が使えなくなる』っていう割とハンパな処置を取っていた…というイメージ。

多分あのまま帰れなくなってたら地獄で潰れて死ぬ前に裏京都に招待されてたんじゃないかな(ゲームシステムガン無視妄想)

色々考えると『ここでこうだったら』の別ルートが見えてくるのちょっと面白い。
ホッシーが明るいまま見せかけのハッピーエンドで終わるエンド、神様協力フラグがなく裏京都突入ルート…とか

 

糸②

ルリオ

ルリオは焦ってるけど己を失ってないところはすごくらしいなって思います。敢えて揺れるように作って折れないようにしてる耐震構造っぽいところある
こういう時なんだかんだで最後まで自身を保てるところがルリオの水土カンストっぽさかななど。

ルリオと緋ノ丸はけっこう似てて、支えてくれる人がいる限りかなり強く在れるんだよな。ただそこを外すとちょっとガタつきやすいところがあるんだけど。
『大切な人の存在』というものがハイリスクハイリターンというか吉にも凶にも出る、強さにも弱さにもなりうる諸刃の剣タイプ?主人公気質よね

ルリオが『なんかわからんけど緋ノ丸ならどうにかできるだろ!?』という思考になっちゃってるのめちゃくちゃ好きです。
最初はウドの大木扱いしてたんだけど、変化は無敵陣開発あたりですよね。
『無茶では?』って思えるようなことを本気で実現させた緋ノ丸に対してけっこう純粋に『スゲエ、カッケエ』という感情を持ってます。単純なので
そしてその力で阿朱羅を完封してみせた緋ノ丸に対する信頼はカンストしているので『なんかわからんけどとにかくコイツに任せればなんとかしてくれそう』と思ってるわけです。ルリオ、本当に末っ子

で、『阿朱羅実質完封』をゲーム内でやり遂げた緋ノ丸なら『なんとかしろ』を『なんとかできる』。
メタ的に言うと終章全体通して緋ノ丸の行動や結果は『阿朱羅完封という論拠』に基づいていて、『友のためにアレが出来る人ならきっとこれも出来るだろう、成功するだろう』というのが根底にあります。

緋ノ丸が考えた末の行動には必ず結果がついてくる…一時的にそんなゾーンに入ってる状態というか。
多少強引で都合の良いことでも『今の緋ノ丸なら良い結果を導き出せそう』という感覚で話を組み立てました。だって緋ノ丸、阿朱羅を完封しちゃうんだもん

 

波動ルリオ砲

終章③で説明した通り、地獄巡りは異界なので物理的に破壊して京がある世界にトンネル開通することはできません。(という設定。ゲーム内でも印でワープする、一族しか入れないっぽい場所だし的外れではないはず…?)

これを突破する手段がルリオの開発した『波動砲』です。という設定にしました

力を溜めることで気を集め、大量の光の粒子による光線で敵を『貫通』する。
槍と違うところは『物理的に刺し貫く』ではなく『光による攻撃』である点
つまり『物理的に破壊不可能な異界』に穴を空けることが出来る手段だったんだよ!!あの“通常戦闘では使いにくい技”が!な、なんだって!?

…的な感じです。とにかく一瞬で何もかもを貫いてどこまでも届く光の柱、それがこの話における『波動砲』ですね。使えねえ死に技とされた技が実は伏線で、思わぬところで特殊な力を発揮する…というのは少年マンガ的にもけっこう王道だな…なんて。

ぶっちゃけると最初のプロットには『緋ノ丸の槍(天ノ日槍)が光の柱を出して壁が破壊される』みたいなことが書いてあったんですが『いや、それだとただの神じゃん』ってなったので色々変わりました。緋ノ丸は大体なんでも上手くいくゾーン入ってるけど万能の神になったわけじゃない。
ストレートと変化球で抑えていた投手がゾーンに入ってできるのは『持ちうる球種で抑える』ことであって『今まで一切使ったことのない魔球を突然扱えるようになる』ではない。
緋ノ丸は『持ちうる手段での突破』が求められている…

そうするとルリオいるじゃん!?波動砲じゃん!!と

そしてこういう場面で思わぬ力を発揮できる意外性…すごいルリオっぽいな…と思います。すごいしっくりくる。緋ノ丸とルリオってなんか主人公と続編主人公っぽいんだよな。

※お輪さんと黄川人ベイビーに関しては2人とも最後の戦いで一度死んだ=再昇天する=一時的に霊体のような存在になっていたので問題無くあの場から消えることができた、ということにしています。

 

神々大集合

助けに来てくれた理由は後編で説明した通り。
これまでに協力フラグを立てていた、という徳甲一族特有の流れがあったので大集合しました。

『今まで関わってきた者たち』がクライマックスでバーっと出てきて助けてくれる、ってこれもまたすっごい王道だよな…その絵面がとにかく見たいな…と…。描く時は地獄のようなコストがかかりましたが。描いても描いても進まない
ポケスペや陰陽大戦記で見たこれ…テイルズオブハーツも見方によってはそういうところある。サマーウォーズとかもそうだわ。オマージュとかそういうのではないんだけど、なんだろう、王道文脈?あるよね、クライマックスで味方が全員集合したり、世界中の力が集まってきたりするやつ。大好き

馬鈴薯や羽出井だとこういう展開は絶対ありえないんだけど、徳甲一族は先祖・神・京の人…と、とにかく『縁』を紡いできた一族(序盤も結構色々描いたし、中盤以降は交神の度に膨大なマンガを生産していた)なのでこういう展開もありでしょう!!と思ったんですが、どうだろうか

緋ノ丸たちが今月朱点に挑むことはまあ何らかの手段で情報キャッチしたんじゃないかな。神様だし(雑…?)

ちなみにかなり集合していますが断って不参加の神様もいます。また、元から一族を助けようと動いていた神以外は必ずしも『一族を思いやって来てくれた』とは限りません。

以下類型化したもの。
各神々については個人の自己解釈、かつ徳甲世界でのイメージの話です

①はじめから一族に助力する方向で動いていた神

獅子丸(石榴と約束した。情ではなく義で動いている中立の上位神)
田力主(一族から生まれた氏神。一族に助力するため雷王の元で動いている)
お紺(田力主がかくまった。現行世代の親)
親王(一族に解放された。現行世代の親)
竜実(2度の交神経験。色々あった結果一族に情が移っている)
中竜(初代の交神相手。元々情に脆く一族の行く末を案じている)

②一族に特別な情があるわけではないが、人を助けるべく善性で動きそうな神

根来ノ双角、愛宕屋モミジ、鷲ノ宮星彦、不動泰山、鎮守ノ福郎太

③なんか面白そうだから暇つぶしに乗ってくれた神

三ツ星凶太、石猿田衛門(微妙なラインだけど分けるならここかな…?)、芭蕉天嵐子

④意図を読みにくいが、なんとなく来てはくれそうな神

七枝タケル、風車ノお七、速瀬ノ流々

⑤不参加の神

椿姫ノ花連・虫寄せ花乱(補完創作的にも遺伝子的にもあまり縁が強くなかった感触がある。あと別作品出身ということで意図を図りかねていたというのもあり、来てくれるイメージが湧かなかった)
お業(天界で軟禁中。そうじゃなくても多分来ない。単独で精霊っぽいものを飛ばしていたが、雷王たちとは無関係)
昼子(言わずもがな)

こんな感じ。

ちなみにメイン移動手段であった竜二柱以外は何をしていたかというと、崩落する地獄で狂乱する鬼の露払いがメインのお仕事でした。描くタイミングなかった
まああんだけ神様がいれば加護的なものも相応に強くなるだろうし

ばな奈ちゃんの最期のマンガでも出てきた竜実様のドラゴンフォーム設定は小説版で描写されています。中竜様のは私の妄想です。福郎太様のはもっと妄想です

ドラゴンフォーム竜実様のデザインは設定資料集から2の鬼神デザインを拝借。正直これはやって良いものか悩んだのだけど、鬼神デザイン見てるとほとんど神の姿と変わらないものもちらほらあるので『鬼神オリジナルの姿』ではない…と解釈しました。ドラゴンフォーム設定自体は無印小説版からあるので。

神様の全身資料とかは基本的に2のために追加デザインされているっぽいので、それらを参考にしている以上今更感はあるんですけども。
2についてはかなり幾度となく脳内議論(自分が使える時間とか、自分というオタクの脳みその作りや過去の経験などを照会しつつ)した結果『プレイはしない、その代わり自分以外の脳を通って流れてきた風評知識で批判や語りのようなことも絶対しない』…ということにしています。
過去の経験として私自身が好きなもの、逆に心底無理だったものだとしても自分の手で触れずに批判されてる状態がとにかく不快で苦手なので。

でもデザインに関わることはどうしても2のモデリングのために描き下ろされたっぽいものが多いから触れざるを得ない時があるね
閑話休題

更に余談ですが、ピクシブにまとめるために過去マンガ見返していたら竜実様が「(変身なんて)ないわよ」って言っててむせた。雷丸が姉と間違えて尋ねた時ね。
普通に矛盾してて笑ったけど「(別の人型外見への変身なんて)ないわよ」ってことだよ。うんうん、そうだそうだ

 

緋ノ丸の考え

緋ノ丸はまめなので過去の記録読み込みや分析についても自分なりにきっちりやっています。
故にばな奈ちゃんが田力主から聞いた話(天界には自分たちの本当の味方もいる)も当然把握していますね。更紗からも聞いてただろうし

だから指輪が壊れてもなお残り続けた流々の力と、自らの血によって感じられた神々の気配を…感じ取ったような気がした。(確信は全然無いくらい)
そしてワンチャン助けに来てくれることに賭けて、天界に届くほど大きいSOSの合図として光の柱を立てようとした…という感じ。まさかあんな大集合してるとは思ってませんでした。

記録を読み込んでいる緋ノ丸は天界に対して不信感を持っているのだけど、それと同じくらい『協力者の存在』も意識していた。だから最終手段としてSOSを出してみようという考えに至ったというわけです。

今回真名姫解放できなかったので「私くらいは本当の味方になってあげる」聞いてないんだよね。
これは本当に巡り合わせというかあまりにも流水道に縁がなかった結果なんだけど、聞いてたら「ちゃうねん実は味方おるねん」ってなってたのかな。笑

そういえば奥義開発に加えて記録読み込みまでしていたらホッシーに「最近つれない」と言われても仕方ないよね。もしかしたらそれも1つの不安要素だったかもしれない

 

まつりの状態

扇なし(ホッシーに飛びつく段階で豪快に捨てた)
自由が効かない状態で崩落する地獄の飛来物や狂乱する鬼たちからホッシーを守っていたためあっちこっちボロボロ。体力も技力も結構限界まで使ってたと思います。

ちなみにホッシーは自分が意識ぶっ飛ばしてる間にまつり姉さんの胸に顔を埋めていたことは当然知りません。

お業さんに関しては正直その行動理由の詳細まで見出せてないんですが(お業さんのことよく分からないので)
ただやっぱり一族より黄川人だろうな〜と。使いの精霊っぽいのは雷王一派の侵入のどさくさ紛れで入ってきた感じ
本体は先程書いた通り天界で大人しくしてます。多分しばらく外出禁止されてる

 

糸③

(徳甲世界の)雷王獅子丸

言うまでもないですが徳甲世界であれこれ経緯がある雷王獅子丸です。羽出井の獅子丸様は多分ここまでしてくれないです。

以前注釈した通り、獅子丸様が天界で中立の立場であることは小説版準拠。

徳甲世界の雷王獅子丸様の価値観というか行動理念って私的にけっこう特殊なんだけど、なんていうんだろう…?昔の武将のような感じなのだろうか。
一応一族に大江山で解放してもらったという恩義がないわけではないんですが、だから最後まで尽くしてくれた…という忠犬的な理由ではないです。

やはり最大の要因は石榴が『覚悟を見せた』こと、そして『その覚悟に応え、自らの血を与えた者たち(血族)を見て見ぬふりする=雷王自身の誇りに傷をつけることになる』から。

石榴は天界最高クラス・誇り高き百獣の王である雷王獅子丸に対して物怖じせず、それでいて驕り高ぶるでもなく、自らの血に誇りを持って堂々と対応しました。礼と義と矜持を持って、雷王の力と血を求めた。そして獅子丸様はそれを許諾し、二人の子を成しました。
獅子丸は息子である血潮に王としての生き方を授け、一方の石榴はその知性と大胆な覚悟を持って髪の打倒を成し遂げた…獅子の王と約束した者として恥ずかしくない結果を残しました。

獅子丸様的にはもうそれだけで最後まで一族に助力する理由になるんだと思います。うまく説明できないな…なんかめちゃくちゃ誇り高い武将っぽいんだよな……身内が家名に傷を付ける悪事をやらかしたら実子であっても容赦無く首切りそう系の…。
情によって動くものではないので度胸のある効率派である石榴とは非常に相性が良かったし、逆に言うと情では動かないので必要以上の手出しはしません。仮に目の前で自分の子孫が野垂れ死にそうになっていたとしても、それが己の血を引く者に相応しくないみっともない姿だったとしたら普通に見殺しにします。

…いや、完全に何も感じないわけじゃなくて「愚か者が…」と思ったりするくらいの情はあるんですが、それによって対応がゲロ甘くなることは絶対ない、殺すべきなら殺す…って感じ?

逆に言うと、生かすに相応しい誇りある血族を簡単に見殺しにはしない…という。そんなイメージだろうか

更紗ってマジで獅子丸様のタイプじゃないんで(空虚な誇りにばかり縋っているタイプ)赤の他人であったり男だったらもっと尋常じゃないくらい一蹴してたと思います。一応説明してあげるところにほんのちょっと、ほんのちょっとだけ子孫の娘補正がかかっています。でも基本態度はキツいです。更紗と獅子丸様の相性の悪さはガチ
そういう手合いと相性の悪い小物だから更紗は良いんです。(ままならないキャラ大好きマンだ)

獅子丸様の男女観はまあまあ古臭そう。でも義や矜持の方が価値観的には優先度高い

 

そんな獅子丸様なんで、堂々とした覚悟と大胆さ…それを裏付ける努力を持って朱点を打ち倒し、雷王一派を呼び寄せた緋ノ丸は本当に「ようやっとるofようやっとる」なわけです。『雷王の血を引く者』としてはこれ以上のものはないんじゃないかってくらい。ウチの看板立てててええぞ、本当に必要なら助力するぞ、って感じ。

なんかすごい上から目線だけどまあ王だしな…変に遜るイメージ全然ないし。徳甲の獅子丸様は徹頭徹尾偉そうで(実際偉い神だし)、自分が認めた相手だけを助けてくれます。
獅子丸様が認めたもの、獅子丸様にとっての価値はもちろん万人にとって正しいものではなくて(実際緋ノ丸は自分の武勲とか大して誇ってないし、ベースは大きな情の部分だし)

徳甲一族目線の物語において獅子丸様はものすごく大きくて立派で偉大な存在なんだけど、例えば昼子様や黄川人なんかの価値観や目線だと『馬鹿みたいに義だの矜持だのでしか動かない古臭くてしょーもない神』でしかないかもしれない。ていうかあの姉弟の『神々十把一絡げ感』見てると多分そう(裏京都昼子戦の上位神呼び出し時セリフとか)

というわけで獅子丸様がここまで助けてくれた原理はこんな感じです。説明になっているだろうか
私が“王”然とした存在が好きな影響めっちゃあるな…とは思います。強くて偉い存在、強くて偉く在ってほしい。単純に好みのキャラは矮小でままならない存在ですが、だからこそ強い者には強く在ってほしいのかも。引き立つんだよ…弱くてみみっちい存在が……(更紗…)

これめっちゃ一族観にも通じるね…基本的には天界にマウント取りたくないから(そういう前提で一族の生き様を浴びたい)
もちろん一族も神々も分解すれば個なので、神様相手にマウント取れる一族もいれば一族に振り回される神もいるけどね。

 

崇良親王と神の子の名前

鎮魂墓のせいで親王のことメカ系だと思ってるところあるからドッグで改造すれば空くらいは飛べるんじゃないかな。

地味に『親神が子の名前を呼ぶ』がレアポイントだったりします。

竜実様のあたりからじわじわ意識してた気がする…だって天界で一緒だった頃には名前ついてないもんね。確か竜実様は赤との交神時にばな奈ちゃんの名前を知って、その時は名前を呼んでないです(手紙には名前書いたと思うけど)。ばな奈ちゃんの最期、そして更紗に再会した際には名前を呼んでいる。

親神が子の名前を呼ぶ行為 自分と一緒にいた幼子ではなく、自らの手を離れて名という形を与えられた彼らに話しかけている感があってなんだか特別感を感じてしまいます。
まず『その名を知る機会』が無いことには知りようがないですしね。

あと名付けの設定にもよるか。天界にいた頃一緒につけたとか、親神が命名するみたいな設定だとまた違うのだけど、徳甲一族は地上に降りるまで名は与えられないから。
京に来て初めて『人としての名前』を貰う一族だからこそ、親神に呼ばれると「おお…」ってなります。

 

徳甲大権現

以前らくがきまとめに上げた氏神設定の通り、揚羽とは似ても似つかないテンションの神です。
一族に対してはちょっと気になるな~程度で、田力主のように積極的に助力する姿勢は皆無。
基本的にお紺さんにウザ絡みしています。ただアホではないので彼なりには考えてるっぽい。でもベースが揚羽だからどこかズレていたり空気が読めないところも多々ある。そういう性質です。

ただ、揚羽の記憶を持っているのでホッシー本人や緋ノ丸たちとは違った『彼の姿』を捉えている人であるという。
揚羽が死にそうになってる時のホッシーを知っているのは現在彼だけだからね。

多分あの時揚羽も何か違和感はあったと思うんだけど、それをうまく言語化することができなくてホッシーの頭を撫で、彼なりの言葉をかけた…そんな感じかな。
大権現が揚羽と違うのは、その場の記憶を持っているけどその様子を俯瞰して思い返すことができるところ。ホッシーの危うさを客観的に認識することができるところだと思います。だから彼が自分から身を投げたんじゃない?と思えた

緋ノ丸的には、ずっと一緒だった自分が理解し得なかった行動の理由を大権現がなんとなく察してる(=察せる要素はあったが自分には察することが出来なかった)と言うのが地味にショック。

 

昼子とイツ花のこと

正直余計なことしよるな〜と思ってるし雷王一派の動きにも勘付いていたけど、武力介入して止めるほどでもないからまあええか〜って感じ。
今のところ昼子側に敵意がないのは分かってるしね。

以前設定捏造した通り目下の問題は朱点騒動に乗じて氏神作ったり色々画策してる小汚い連中…あと地味に面倒な吠丸とかも帰ってきてるし、ただ一族助けるやで〜!してるだけの雷王一派はどうでもいいんです。

というか昼子様、上記も全部ひっくるめて割とどうでも良さそうなイメージある。あんまり彼女のこと詰め切れてないので徳甲一族の太照天昼子は『食えない女』止まりなのだけど

因みにこの昼子様とのやり取りを最後に“イツ花”も役目を終えたため姿を消しました。一応書き置きくらいはしてあるかなあ
燕九朗が言う通り、まつりとルリオがどうなってくか見てけば良かったのにね。でも決戦前の様子までで大体なんとなく見えたのかも

 

神々との別れ

(幕間として描いたけど)これはフード被った田力主です。
緋ノ丸たちの武器などを持って京の近くまで送ってくれる…という感じ。

何故一切説明がないかというと、コマ割りして絵を入れていってる段階で『緋ノ丸はホッシーを、ルリオはまつりを運ぶでしょ…武器持てなくね…?→田力主様助けて〜!!』で描き足したせいです。分かりにくくてごめん

討伐シーンを描くにあたって携帯袋や持ち替え武器なんかはもう『忠実に描くと絵面がわけわからなくなるやつ』なので省いてるんですが、流石にさっきまで持ってた武器がいきなり消えるのはちょっと…という。

順番的には

①昼子登場、会話
②主要な神以外は現地解散
③獅子丸と緋ノ丸の会話
–ここまでマンガ内の話–
④獅子丸、竜実、親王、お紺、中竜帰還
⑤田力主が京の近くまで二人の武器を持って送り、その後福郎太に掴まって帰還

こんなイメージです。

 

糸と歌はスッと決まったけどここのタイトル最後まで悩んでました。
最初は『思』とか『念』とか『心』とか気持ち系の漢字を当てようと思っていたのだけど、『歌・糸』はそのまま『うた・いと』と読めるのに対して『思』一文字だとイマイチ単語として読めないのが気になって…。送り仮名が無いと単語として読みにくいのよね

んで色々ぐるぐる回った結果ストレートな『心や気持ち』に関する漢字じゃなく、その結果発生する『温度』の方に

赤世代の時に『生きていると温かい』って話をしていたし、大将の存在の結論についても『一緒の世界で生きている=影響し合える=同じように相手の温度を感じることができる』というような形だったし、ハグ率高かった徳甲一族の最後に相応しい一字かなと。

終章のタイトル選び何かを思い出すと思ったらあれですね。今年の一文字

 

青緑サイド

影かかってて分かりにくいけど大将だけ目のクマできてます。
帰還時にまつりは無事だということを知らされているだろうけど、目を覚ますまでなかなか寝付けなかったと思う。あとイツ花が姿を消したのでてんやわんやになってたのもあるはず

ルリオはクマ無いです。気にせず豪快に爆睡とかじゃないし皆のこと気にはなるけど夜は普通に寝てます。ルリオらしい

徳甲クリアメンバーは『親を喪った子供』だけの世代だけど、ルリオみたいなタイプの子供にとって本気で心から身を案じて帰りを待っていてくれる・無事を泣いて喜んでくれる・この先生きていくことを受け入れてくれる大人…保護者の存在はどれほど救いになっているだろう。
凪左助と燕九朗の大ファインプレーなんだよなあ…

 

一番星の気持ち

身投げ動機については『糸①』の方で長々書いた分と彼の口から説明されたものが全てなので割愛。
『死にたかったのかもしれない』という気持ちはそのまま、『もっと生きたい』とも思えていませんが、色々終わって冷静になって『緋ノ丸たちを危険に巻き込んでしまった、彼らの完璧な戦いを穢してしまった』『こんな姿を見せたくなかった、知ってほしくなかった』という自責の念と後悔でベッコベコに凹んでいるイメージ

糸の方で書いた通り、『やらかした』『早まった』という後悔の念が非常に強いです。生きてくことが怖かった(最終決戦時)+誰にも顔向けできない、もう消えてしまいたい(現在)のダブルパンチ 想像するだけで正直相当しんどい気持ちになってしまう。誰だ身投げ展開止められなかったのは 私だ

盛大にやらかして迷惑かけた相手に今まで通りの態度で接するのは、ホッシーの性格だとどう考えても無理だよね…という。ホッシー、性格が変わっちゃったというよりは『あの性格だからこそああいう雰囲気・態度になってしまった』のかなと思います。

余談ですがプロット時点では「一番星になれなかった」のシーンは無かったです。


終章の始めに描いた通り、目の火傷は阿朱羅の悪あがき業ノ火を食らった跡です。最終盤一族にとって77ダメージなんて本当にかすり傷なのだけど、『最終戦唯一の被ダメ』が他でもないホッシーに当たったこと…を今回ちょっと重めに扱っています。
阿朱羅の業ノ火は特別仕様(一族の術だと列攻撃/阿朱羅のそれは単体攻撃)でもありますし、色んな感情渦巻く朱点の『最後の悪あがき』だと思うと消えない傷になっても変じゃないかな…など。
失明とかはしてないけど右目はちょっと視力落ちてるのかも

朱点の力でもあるっちゃああるんだけど、ホッシーの状態(自己嫌悪や後悔や引きずり具合)を象徴している外傷…というメタ的な理由も割と大きいです。
もしもあれを食らったのが雷丸だったらケツに火がついてアチィ〜!!ビタンバタン!!で終わってただろうし。ホッシー、本当に雷丸になれない

 

緋ノ丸の想い

緋ノ丸はホッシーの説明である程度のことは理解したのだけど、そこでかなり詰まってしまっている状態。

緋ノ丸は賢くて理性的で優しいので、ホッシーを責めることはできない・逆にホッシーを無理に励まそうとすることや疑問を投げかけて追及するなど『無神経に踏み込むような行為』もできないです。
だから本当にどうしたら良いか、どう言えば良いのか分からなくて狼狽しているという。

ここでホッシーは『自分を否定しながら、緋ノ丸がいかに凄いかという話』をしてしまいました。
これは俗に言う地雷踏みです。ここで狼狽していた緋ノ丸の様子が変化する

投げやりになって緋ノ丸の細かな機微にまで気を配れていないホッシーはさらに続けてしまいます。俗に言う『ホッシーsage緋ノ丸age』というやつです。これは緋ノ丸最大級の地雷です。マジで地雷です。
緋ノ丸は自分をここまで突き動かしたのはホッシーの存在だと強く認識しているため、ホッシーの存在を否定されることだけは絶対NGだったのでした。ほぼ本気で怒ることがない温厚な彼をマジギレさせるにはこれしかないでしょうという。なんとホッシー本人がその地雷を踏んでしまう。

俗に言う解釈違いの地雷を踏み抜かれた緋ノ丸は当然怒髪天になるわけです。もうこうなったら誰にも止められないです。普段怒らない人を怒らせると本当にやばい

とは言え緋ノ丸は緋ノ丸だし、怒りを向ける相手は他でもないホッシー本人だし、当然酷い言葉や暴力が出るはずもなく…まあ、そうなるよね、緋ノ丸ならそうなるよね…って感じです。

なんと声をかけて良いか分からない優しい緋ノ丸が今できる唯一の懇願は『猶予をくれ』で、緋ノ丸想いのホッシーはそれに応じるしかない…というお話

実を言うとここもプロットだとちょっと違ったりしてね…なんかこう…必死な緋ノ丸にホッシーがちょっと心動かされるようなことがメモしてありました。でも描いてる途中にいやそれは違う…?ホッシー、今そんな単純な状態じゃないぞ…ってなるっていう
なんか具体的に絵に起こしていくと物事解釈変わって少しずつ修正かかっていく感じがなんて言うんだろう、生きてるものを扱ってる感があってすごかったです。

 

二人の出会いと歩み

この後の幼少期回想もプロット時点では存在しませんでした。

それと当然ながらこの『ホッシーと呼ぶようになった経緯』も後付けのつじつま合わせになります。当時の経緯は…プレイヤーがホッシーのことをホッシーと呼んでいたため、兄弟のような存在であり親しい友人でもある緋ノ丸もそう呼ぶだろう…という流れだったかな?

緋ノ丸は更紗と違って自分の立場や自分の使命というものをそこまで強くは意識していませんでした。責任感強い性格の割には
彼が自分の力不足を感じる場面はいつも『自分以外の誰かに働きかけたいがその力が無い時
…いつも誰かを拠り所にして動いていたことを考えるとけっこう妥当な感じにあだ名の理由付けできたかなと思います。

緋ノ丸が力不足を感じたり壁にぶつかる場面…更紗に期待されてないのかなあと思った時/精神的にも寿命的にも更紗を救えなかった時/ホッシーが身を犠牲にしても良いと思ってることに勘付いた時

武勲や使命のことばかりで潰れてしまった更紗と、そんな更紗を知っている親王に育てられた緋ノ丸が『武勲や使命に囚われない』人になったのは自然なことだと思う。
ただ、その分緋ノ丸は『自分以外の誰かの存在』を重要視するようになったのかなと…。よく言えば他人と共に生きられる、悪く言えば依存性質?

親王は幼い緋ノ丸に自分の辛い経験の話を直接してはいないだろうけど(そもそもそこらへんのおっさん神を装ってたし)、やっぱり人と人・家族同士の『人間関係』には思うところたくさんあるだろうし、やんわりそう言う話する機会も多かっただろうな〜

だから緋ノ丸が人間界に来る時の一番の心配事が『長としてやっていけるか』や『朱点打倒できるのか』ではなく『家族と仲良くできるのか』なのはものすごく妥当だと思います。
そしてそんな不安でドキドキの緋ノ丸を笑顔で迎えて、受け入れてくれたのがホッシーだったわけです。初めて会った時からお前のことが好きだったんだよ

とは言え緋ノ丸も最初から重たい感情を向けていたわけではなくて、最初の方はどちらかと言うと母親である更紗の方が比重高かったかなと思います。『まだオッパイを求めてくる』と言うのはマザコン気質と解釈しました。(来訪時はラッキースケベから転じた説を唱えてたけど)

あとホッシーのこともまだちょっと探り探りだったよね。距離を測ってるところあった

緋ノ丸からホッシーへの情が重くなり始めたのはやっぱり「いつでも死んでみせます」事件からだと思う。
ホッシーほんといっつも無自覚に緋ノ丸のスイッチ押してるな…

力不足経験不足で母親を助けることができなかった緋ノ丸は、『自分の意見や願いを通すためには力が必要』と言うことを知っています。(実はそれを教えたのも↑のホッシーだったりするわけですが)

だから『絶対1000%ホッシーを犠牲にしない未来』のために尋常じゃない努力をして、ヤバげな薬を飲んで、『無敵の技』を考えて…と、無茶苦茶強くなるための道を歩み始めました。
朱点を打倒できる力を100%とするなら、緋ノ丸が求めてる力って1000%だったんだよな。目標が高すぎる

そんな奇想天外な目標に邁進する緋ノ丸の原動力は紛れもなくホッシーの存在・大切な親友を失うことなく、この先を共に生きていくこと

これあれだよなあ、ホッシーを犠牲にしたりしない様に強くなるんだ、ってゲロ吐きながら修行を繰り返す中で更にホッシーへの気持ちが強くなる感じのやつ。
ほんと誰かのためにって理由で何でもできちゃうし無敵にもなれちゃう緋ノ丸は心水999の貴公子すぎるよ

…とまあ緋ノ丸にとってホッシーは絶対無くてはならない、彼を思うだけで強くなれる、勇気をくれる存在で……『生まれて初めての友達』なわけです。かけがえがない

緋ノ丸はな、ホッシーが思ってた1000億倍くらい重い男なんじゃよ
緋ノ丸がホッシーの考えていることや漠然と不安に思っていることに気付けなかったように、ホッシーもまた緋ノ丸がどれくらい自分のことが好きで大事に思ってるのか分かってなかったんですね。

緋ノ丸的にはここまで言ったのに尚ホッシーと『ホッシーの存在の重要性』について解釈違い起こしてたのが信じられないかもなあ。
もっともっと名指しで「お前じゃなきゃダメなんだお前がいなきゃ絶対絶対絶対絶対死なないで」って言うべきだった…?まあそれ言えるのは未来人くらいだろうし、それはそれでまた違う方向に取り繕って無理し始めそうだよなホッシーって

 

生まれた直後からずっと一緒で、お互いのことが好きで思いやりあっているけど、ずっと何かが互い違いになっていて相互理解とは程遠い。そんな二人です

思いやりあってると言いつつ、少し角度を変えて見ると2人ともどこか自分勝手なところはあるのかもしれないね。これは過去の一族にも言えることだけど、結局自分の大切な人を大事にするのって自分のためなんだ。多分人間ってそんなものなんだろうな

 

このタイトルはそのままですね。というか一番最初に決まったと言って良いかもしれない

『英霊の歌』を序盤のタイトルで使っちゃってるので最終回のタイトルにはできない→じゃあ『歌』だな、みたいな

構成としては
【過去】千代ちゃんと中竜様の話→
【過去】燕九朗と大将の話→
【現在】緋ノ丸とホッシーの話→
【現在】まつりとルリオと大将の話→
【?】半神徳甲虎

で、それぞれの区切り目に『歌』と『雪』を挟んで繋げています。

▲区切り部分

歌はともかく雪がね〜、徳甲一族の補完シーンを思い出すとよく雪が降っていたように思います。
色んな一族の寿命月、最終世代の来訪が冬にかかっていたせいですね。

雪、絵的にはとにかく手軽に降らせることができてしまうので(雨とかだと濡れてる感じの処理とかが大変…)ついつい降らせてしまうからね…京が豪雪地帯みたいだ
まああれだけ盛大な雪祭りができるならあれくらいは降るかな…!

火輪の最期とかすごい雪降ってたし、やっぱり季節を感じることが多かったように思います。そしてそれは冬であることが多かった。
終章②のサブタイトルが『熱』であるように、徳甲一族は自分じゃない誰かの温度を感じながら生きてきたところがあるので冬という季節が本当に…似合う…
夏だとそもそも暑いからね…冬は寒いからより温かさを感じることができるんだろうなあ

 

大千代と中竜

台詞の通り、2回目の交神の時(黄々を生む前)です。

最終回に千代ちゃんを出したいなあとふんわり思ってはいたもののどういう風に出すかは決めてなかったんですが、徳甲一族にちょくちょく起きてきた『時の流れによって人の雰囲気や関係が変わる』の根源に彼女がいたのでは…?ということで。

そんな彼女を起点に『変わっていくものとそこにあるもの』の話をするのがこの一族の締めに相応しいかなと思いました。


超余談ですが、ずっと中竜様にアホ毛描いてたのが設定資料見ると佐嶋先生監修の段階で修正削除されたパーツであることに最近気付きました。オーマイガ…

 

燕九朗と大将

『変わっていくもの』の根本にあるのは千代ちゃんの存在だった、では全体に流れているものは?というと、やはり『歌』なのかなと。

千代ちゃんから青之進・黄々に伝えられ、子孫に伝えられていった歌です。レッド組は真赤丸の段階で切れているのかな。でもアヅキは黄々に教わってそうだよね
でもやっぱり一番縁が深いのは青緑とイエロー組の人たちだと思う。理屈やしきたり由来ではなく魂に通っているものというか(“歌”によって生まれた家系なので)

歌はじわりじわりと継がれていき、次に大きく出てきたのは凪左助とばな奈ちゃんのシーン。不安を和らげるために凪左助が歌って聴かせてくれたところです。

凪左助、ご先祖から継いできたものとか律儀に伝えようとするから燕九朗にも教えるんだけど最初の最初は反抗期真っ最中だったから全然まともに聴いてないフリしてたんだろうな。実際真剣に耳を傾ける気はなかっただろうし。
でも燕九朗賢いし踊り屋だし覚えてるだろうな~とか
大将がこの歌知ってるのは私もびっくりしたけど(!?)風邪っぴきエピソード見てるとあれけっこう長い時間滞在してたから普通にありえそうかな…と。

あの時点の凪左助は健康度は下がってないもののそろそろ自分の人生の終わりを考え始める時期だったし…とか理屈っぽい理由というよりは、つい歌っちゃったっていうのが正解なんだろうな。笑

そんなわけで色んな人に継がれてきた歌だけど、燕九朗が言及している通り千代ちゃんが最初に歌ったものとはかなり違うものになってるんだろうなって思います。伝言ゲーム状態だからね
それが徳甲一族全体にあった『時と共に変わっていくもの』を象徴しているように見えて、そしてこういう話しそうなのは…と考えると…燕九朗だよな~~~と

そういうわけで最終回に燕九朗が登場したのでした。ほんとこの男はすごい

色々『ここはこういう思考があって、こういう理由で』と書いてきましたが、この話の燕九朗の表情だけはプロット時点から一貫して『意味を決めてない』場面です。忘れてくれて良いと思ってるのか、本当は忘れて欲しくないのか。本心は分からないし、決めてない
ここは燕九朗の感情や意図をこちらで定めず、描けた通り、感じた通り…そういうので良いところかな…とか思ってます。燕九朗、そういうヤツだと思うしね


これはそのまま、『愚連隊として荒れた京を荒らしまわっていた彼らをもうほとんどの人が知らないよね』という話です。
燕九朗と大将が初めて会った話で出てきた話題ですね。

燕九朗、幼くして『人間ってそういうの忘れてくし薄れてくんだな』という道理を知ってたし、それを知ったきっかけは大将の件でした。
だからこれから何年も経った後には『まつりとルリオの親は燕九朗』という事実は薄まって『まつりとルリオの親は大将のオジサン』になるんだよと主張している。
…しれっと朱点倒して呪い解ける前提だけど、甘ちゃんのルリオと違って燕九朗のそれは何が起こるか分からないけど作れるだけの道を作った末の言葉…って感じなんだろうな。

まつりやルリオの中の認識が今後どうなっていくかは分からないんだけどね。でも大将は死んだ一族のこと死ぬまで忘れないと思うよ。
町が愚連隊を忘れても大将だけは自分のしてきたこと忘れないだろうし。燕九朗がどこまで踏まえて言ったかは分からないけど。
個人的な好みだとここも燕九朗と大将の認識ちょっとズレてたら良いなあと思うな。燕九朗とて全能でエスパーの神じゃないから

罪と大切な人の記憶、セット感あるよなあ大将は。
万が一片方を忘れることがあればもう片方も忘れるんだろうなあ。逆に言えば片方を覚えてる限りもう片方を忘れることはなさそう

 

緋ノ丸の変化

ここで書いた通り緋ノ丸は好んで超ロン毛にするタイプには思えないので、神とか呪いとかそれによる成長エネルギーが変なところにいっちゃって髪(背も)がゴンゴン伸びてたイメージ。
呪いが解けたらそこらへんの変な成長エネルギー止まっても良いかなって。そうしたら緋ノ丸はもうバッサリ切るよなと思います。

どちらかというと上記の『邪魔なので切る』が先行するのだけど(実際世代途中時点で呪い解けたら切りそうだな〜と思ってたので)、でもやっぱりそれだけじゃなくホッシーのことも意識しているのだと思います。
変わっていってもいいし…あと、緋ノ丸とホッシーは『二度目のはじめまして』をしているような状態なので『新しい姿』に生まれ変わる…そういうのもあるのかなあ とか。失恋して髪切るのと似てる

新しくなった緋ノ丸は開き直ってホッシーに対する好意や重い感情をフランクにゴンゴン投げつけていくようになりました。あとすごい明るくなった
これは演じてるとかこういう性格になろうとしているというよりは、今のホッシーと自分が伝えたいことに一番適した姿に…羽化した?適応して変化した…とか、そんなイメージです。

もちろん緋ノ丸の人格や考え方が丸っと変わってしまったわけではないので、彼のカラっとした言い回しや明るさには彼なりの気遣いや真心のようなものがある…って感じかな?めっちゃあっけらかんとしてるように見えるけどほんと『熱』の後めちゃくちゃ考えて悩んだ末に出した一旦の答えなんだと思います。
“言わなきゃ分かんないってことが分かった“からね…(赤イズム)
懇願して猶予を貰ったと思っている緋ノ丸は当然何もしないわけがないよなあ、という

ざっくりした言葉選びすぎて微妙にピント合ってはいないんだけど 緋ノ丸=陰キャの根明、ホッシー=陽キャの根暗、みたいなイメージあるかも。最後の最後にそれが発露したのかな
緋ノ丸、力不足や自信の無さ由来の湿っぽいところはあったけど、結構前から割と言いたいことはちゃんと言うタイプだったし

『自分の意見や願いを通すためには力が必要』という考えが緋ノ丸の根底にある、という話を前項でしました。逆に言えば力をつければつけるほど緋ノ丸は言いたいことをハッキリ言えるようになる…という理屈

『凡骨奇想天外』もそうだけど、力を持つにつれてかなり堂々と振舞えるようになっていったし、根っこから暗く淀んだタイプでは決してなかったよな。ある程度他者依存ではあるんだけど

なので最後の明るくてストレートな緋ノ丸の言動、私的には「わかる」って感じであります。どうだろう

 

ホッシーの恋?

ホッシー→まつり姉さんの気持ち、なんとも言えないんだよな
不可抗力的に一番強く感じてしまうのは、色々あったせいで芽生えた交通事故のような色情や下心に振り回されてマジで困る、というアレなんだけど。
でも流石にそれだけじゃない…可愛らしいし、放っておけない言動をするし、ドキドキする。自分を助けるために飛び出したことも聞いただろうし、彼女の本質的な強さや美しさも解りつつある。多分その辺はルリオより解ってる
でも彼女に対するどうしようもない感情が恋か?と言うと「わからん・・・」「邪念や下心がありすぎる」「そもそも自分にそんな資格ない…」みたいな。

ホッシー→緋ノ丸については『友情』という明確な言語で言い表せる『好き』なんだけど、まつりに対しては本気でよく分からないんだろうな

私もよくわかりません。好き…好きってなんなんだろうね…?(哲学…?)でも徳甲一族いろんなラブがあったけどどれも形違うものだしどうなっていくかわかんないな。何よりこの先も生きていくわけだし

今のホッシーはまつり姉さんに対してそういうコントロールしにくい上によく分からないバグのような好意を抱えてる状態。それは良くない感情だと認識してしまっているし、思考がめちゃくちゃに崩されるし、何より罪悪感が強い(=自分が求めていい感情・存在だと思えない、それがとても悪いことのように感じてしまう)。恋愛感情のような気持ちを持つことに罪悪感を覚えてしまうところは血潮に少し似てるね。

だから彼女とどう接したら良いか分からないし、好きなのに怖いし、好きなのに近寄りたくないし近寄ってほしくないし…もう何もかも全く整理できてなくてぐっちゃぐちゃなんですね。そもそも緋ノ丸との距離だって変な感じになってるのに処理落ちもいいところだ

しかしまつり姉さんはそんな気持ち知りようもないので当たり前のように近寄ってくるんだろうけど。

まつり姉さんの中にほんのり存在している、彼女自身もおそらく自覚していないであろう気持ち…をホッシーが知るわけがないんだけど、『ホッシーが身投げした後迷いなく彼を追いかけて、彼を手放さなかったこと』を知っている緋ノ丸は分かるわけですね。“まつりの中でホッシーはちょっと特別な存在なのかもしれない”…って

とは言え緋ノ丸本人が言った通り、恋のキューピッドになろうとかそういう気持ちは全然なくて(そもそも強引に色恋を成就させることがホッシーのためになるかどうか分からないし、今の彼はそういう変化を拒絶している状態だから無理矢理押し付けることはできない)しばらくは様子を見つつ成り行き任せにしてるんだろうな。

緋ノ丸のこういうところがこう…明るくなったけど緋ノ丸は緋ノ丸なんだな…って感じるところ…

あ、でも緋ノ丸的には紆余曲折あってホッシーとまつり姉さんが恋人同士になったりするのはあり寄りのありだと思う。緋ノ丸からホッシーへの感情は恋愛的なそれとは違うし、独占欲を持つタイプでもなければ関係性の種類によって優劣を意識するタイプでもなさそうなので。
寧ろ、今の色んなものを拗らせすぎてるホッシーを受け入れることができてしまう度量を持ち合わせた稀有な人間が自分以外にもいることがけっこう喜ばしいまである。
そこら辺のよく分からない誰かになんて任せたくないよ俺を通せよ的な…緋ノ丸の重さってそういう方向な気がするなあ。(私は凪左助とは大分性質の違う重さだと認識している)一生捧げるくらいの気持ちなのは大マジです。

緋ノ丸とまつり姉さんの位置関係好きなんだよなやっぱり…信頼感というか

 

互いの価値

ホッシー、マジで自己評価が低いんだよな。自己評価が低いと言えば過去の緋ノ丸もそうだったから、もうちょっと区別してピント合わせた言葉を選ぶなら『自分という人間の持つ存在価値を非常に低く見積もっている』。前からそこまで高くなかったものが地獄巡り脱出のあれこれを機にドン底まで落ちてしまった感じ。
頭悪いし、戦闘能力くらいしか取り柄がないし、皆みたいに前向きに未来を直視できないし、夢もないし、下心で精神乱されるし、父ちゃんや緋ノ丸たちに比べて顔も良くない。これがホッシーの自己評価だと思う。

▲世代序盤からその気配はあった

だからこそ『もし1人だけ犠牲になるなら自分だろう』とか考えちゃうし、緋ノ丸にせよまつりにせよ『自分への好意=自分の何に価値を見出しているのか』が理解できなくて受け入れにくい。まあ、もしこれを緋ノ丸が聞いたら「は??顔が良くない??下心あるからダメ??夢がないからダメ???何言ってんだこいつ…」って感じなんだけど。

『熱』の項で書いた通り、緋ノ丸にとってのホッシーの価値はそんなものじゃ測れないんです。バカなのか?こいつ、バカなのか?
(ていうか緋ノ丸が自分の端正な顔立ちにあんまり価値を見出してないのって絶対ホッシーの影響だこれ)

緋ノ丸から見て自分にどれだけ大事に思われてたかも分かってなかった、まつり姉さんのちょっと特別っぽい感情にも当然気付いてない…。そんな他人の好意にアホほど鈍い、自身をガラクタか何かだと勘違いしてるホッシーは正直言うと『コノヤロウふざけんなよマジで』って感じでもあって、髪の毛くらいワシャらせろやボケ(笑)みたいな。笑

私の一番好きなRPGのキャラも言ってたよ。自分がどれほど想われているかも理解せずに物事を判断するのはクソガキの考えだって

鈍感は罪(ワシャーー)

髪ワシャは一応仕返し的な動作です。

これちょくちょくホッシー→緋ノ丸のコミュニケーションに使われてきた動作なんだよね。まあ、そういうわけです
私はグータッチという動作が大好きなので二人にもいつかグータッチしてほしいと思いながら生きてたんですが、するタイミング全くなかったし、二人にとっての『象徴的な動作』って髪ワシャだったんだな…って思います。

この場面についてはノベライズごっこの方で掘り下げたのでそちら参照です。ホッシーは優しくて友人想いなままなんだけど、死ぬほど不器用な感じになっちゃってるよ という話


余談ですが、燕九朗含めた前世代3人を終章の話題に出せて良かったです。最後の屍になった人たちが生存者の記憶に在り続ける、ということはいつもじんわりくる

徳甲一族の場合、それより前の時代のことを覚えてる人が身近にいるわけですが…

 

まつりとルリオと大将

冬になるたびに一族の死やその気配を感じてきたため、雪祭りの賑やかな音を聴くとそれらがリフレインして無力感に苛まれていた大将。(徳甲一族の死亡時期は冬、またはその直後の春が圧倒的多数だった)
このトラウマのような呪いじみたものは2年前に凪左助が断ち切ったため、彼は雪祭りの浮かれた空気の中で鼻歌なんか歌ったりもできるようになった感じです。

寧ろまつりとルリオが生まれ、そして一族の呪いから解放された季節なので、“死”ではなく“生”の季節になったのかもしれない。冬

まつりルリオ、イツ花に『一緒にいるのが珍しい』と言われるほど二人でいることが少ない姉弟なんですが、だからこうやってしれっと一緒に出てくるのそれだけで『変化』を感じて好きですね…(感想みたいな言い方すな)
まつりとルリオ、姉弟だけどあまり心の距離が近くないので『親が同じなだけで完全に別個の存在』くらいのノリなのが良いなって思います。ある意味一番リアルのきょうだいっぽいのかなって思うことがある。リアルなきょうだいも色々あるけどね。

…っていうのを人にも言っていただけて嬉しかったんですが、あれですね。徳甲一族で一番人外感強い能力と精神力と性格を持つまつり姉さんが『姉弟』という枠組みで見ると寧ろ『リアル人間の姉弟に近いかも』っていうの…良いですね。エモーショナルだ


イツ花がいなくなってしまったため、大将が飯作ったり家事を引き継いでいます。

今までも手伝ってたけど本格的に引き受けることになったわけですね。まだまだ上手くはないけど少しずつ上達してるはず

大将、学校に行ったりすることも提案されてたし芸人を目指した時期もあったけど最終的には専業主夫に落ち着くのかな…って思います。料理という行為、ダイレクトに子供たちのためになるし…ある種子供の面倒見る役目、責任の象徴でもあるからね。
上手い飯食わせられるように勉強して頑張ってちょっとずつ上手くなって、自分の作った飯を美味しそうに食べてもらう…それが多分大将のおっさんの幸せなんだろうな。
姉弟がずっと同じ場所に留まっているかは分からないけど、しばらくはそんな風に生きていくのだと思います。

ちなみにめっちゃ自然に笑ったので強調も何もしていませんが、ルリオの満面の笑みを描いたのは初めてです。当たり前みたいに笑ったなこいつ

 

半神徳甲虎

終章のここまで一切姿を見せませんでしたが、この一族の物語に幕を引く存在としては彼以外いないと思いました。

徳甲虎に関しては当然ながら凪左助とは違う人ですし、彼の記憶だけを持っているが五感がなく内側にある世界を認識するだけの存在…って正直どういう人格があるのか、そもそも人格があるのかどうかも想像できないです。もうほとんど概念、凪左助や一族の残留思念と言って差し支えない存在のようにも思う
だからこそ幕引きのナレーションに一番相応しいとも言えるのだけど。

 

さいご

幻灯カットで完、にするのが一番綺麗かなと。今回は幻灯撮影ごとに絵を描いてきたので

花火、雪だるま、招き猫…と、色んな幻灯フレームの要素を入れています。
そして緋ノ丸たちはカメラ向きで背中…つまりこれは幻灯であって幻灯ではない…みたいな?
『幻灯のフレームに入らない彼ら』…ゲームの手を離れた…みたいなことがやりたかったやつです。画面端で切れているのもそういう感じ。

『ゲームの手を離れる』と言えば、緋ノ丸が髪を切ったり、ホッシーの顔や髪の毛がだいぶ崩れておでこが隠れたり、元グラの面影というか大事なパーツをバッサリ『切り落としてしまう』ような改変もそうですね。
グラを誇張したり、少しパーツを足したり動かして描くのは色々やってきましたが、ここまでグラの核になるようなパーツを切り落とすのは『最後』にしかできないかな~…と。あくまで個人的にはね!

馬鈴薯の方もクリア後のらくがきでバッサリ切ってたり大分変わってる妄想らくがきしたし、他一族でも悲願達成後や数年後に髪型が変わっているものを割と見るけれど、こういうのなんか、『クリアしてゲームから離れた彼ら』を感じてなんとなく興奮します。
あの『グラ』の彼らはゲーム内にいる存在で、それがゴソっと削ぎ落されたものはもうゲームの中にいないんだな…みたいな…なんかこう……そういう感じですね。

もうこの先の彼らは『ゲーム内でこういう数値の変化が起こったから』とか『こういう進言をしたから』みたいな要素から組み立てられる存在じゃなくて、だだっ広くて自由でゲーム的な制約の無い世界で生きていくんだな…と思うとハ~~~・・・クリアしたんだな…って思います。

 


 

以上かな…!?長すぎる
普段あんまり関連記事とか貼ってないから一回やってみたかったんだよね…お話に出てきた過去の関連あれこれを徹底的に拾ってきて語るやつ…

語りすぎて「これマンガの中で伝え切れてないものだらけなのでは!?」と「いやここまで描かんでええから隔離した場所でモニャモニャ語るくらいでええやろ」が交錯してました。
でもこれを打ってる途中にここで話しているような内容に近いことを言及してもらったりもして、嬉人(うれしんちゅ)になってました。ありがた…
もちろん私には出てこない角度の所感も嬉しいです。へへ…

多分一番言いたかったのは緋ノ丸とホッシーの認識ズレが凄くて地雷を踏んだということだと思う。言い方が俗っぽくなるからこっちで書くのが安心する

生とか死とかそういうものを巡ってはいるけど、緋ノ丸とホッシーのズレってすごく良くあることというか、分解すると壮大で大仰な事象ではない…ように思います。片道きゃっちぼーるだ(トヤマの聖歌)
好きですね…緋ノ丸とホッシー

私としては緋ノ丸世代の決着と、これまで連綿と紡いできた縁、散りばめられた色んなことを一本のお話として…ある程度纏められたかな…と思っているのだけど、どうでしょうね。
過去のマンガとかも見返すと「もうちょっとどうにかできたかなー」って部分沢山あるし、今見ると絵がすげえ崩れててアァ〜!!ってなる部分も沢山あるし、素人の稚拙な補完マンガではあったけど 兎にも角にも完結に至れたことは自分でも評価してやって良いでしょう。…良いよね?いいよ


別枠で考えたいメモ:更紗の特別になりたかった幼い頃の緋ノ丸少年と、ホッシーの特別じゃなくて良いから彼に生きててほしい緋ノ丸