■錠前破らずとも宵

ヒメ「…あたし、お母さんがあまり好きじゃないの」

ヒメ「あたしが生まれる直前に大切な人を亡くしたんですって 先々代の当主様らしいけど」

ヒメ「だからあたしへの訓練も身が入っていなくて…その翌月には逝ってしまったわ」


ヒメ「あたしはその時悲しいというよりは腹が立ったわ。だから決めたの」

ヒメ「あたしは強くなる 絶対に負けない 何があっても折れたりしない たとえ最後にあたし一人になってもいい 生きられるだけ生き抜いてやるって」

あす太「…母さん…」

あす太「俺は…母さんのこと、けっこう好きだよ

あす太「…ちょっと怖いけど」
あす太「でもそれも母さんの選んだ生き方なんだよね」

ヒメ「…あんた、あたしの息子にしては物分かりが良すぎるわ」
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