ドキュメンタリーを見た

にわかでいたい、という謎の葛藤をした1年だった。

プロ野球チーム・横浜のベイスターズは所謂暗黒時代と呼ばれる時期に親会社が変更されました。8年前のことです。
『横浜DeNAベイスターズ』になった後は経営に思いっきりメスを入れ、球場のトイレを綺麗にしたり運営自体を買い取ったり、インターネット配信によって間口を広げたり他色々なことをやって、ガラガラだったスタジアムを満員にしたそうです。

その一環で球団公式として発信する画像類はデザインが洗練されていて、更に事あるごとにめちゃくちゃカッコイイPVを量産しています。


毎試合終わるたびに投稿される画像(かっこいい)


選手が何か賞を取ってもとりあえず画像(かっこいい)


コーチ就任報告画像すらもやたらかっこいい

記念打や記録を作った選手の記念PVはだいたい映画の様相を呈している

 

こういったメディア作りにかなり力を入れていて、その中でもおそらく一番大きな制作物が1シーズンごとの出来事をまとめたドキュメンタリー映画『FOR REAL』です。毎年やっています。
カメラマンがシーズン前からシーズン中まで裏で選手たちに密着、撮影されたものですね。

それを見てきたよ、という話です。

これは『感想』ではなく『話』と銘打っていますし、カテゴリも雑記の方に入れています。
作品や球団への熱い気持ち…というよりは、私の話 私が考えたこと、私というオタク目線のぼやき、そんなにディープなファンではないにわか者の所感です。多分野球ファン向けの文章じゃないと思います。唐突に俺屍の話とかしたりするし。
野球や球団ファン目線で見たら「は??」って感じの話をしていると思うので、オタクの私を知っていて野球にはそんなに思い入れがない人向けの文章かな…いやどこ向けかよくわからない文章かもしれない。とりあえず書きたいので書きます。

編集や構成についてのネタバレ的な要素は普通にあります。

私のスタンスと観に行った経緯

本格的に1シーズン丸ごと追いかけて試合を見たのは去年が初めてでした。

当然去年もこの映画をやっていたので観に行こうかなと思ったのですが、シーズンの結果は6球団中4位。その前の年は3位からクライマックスシリーズを勝ち抜き、下剋上で日本シリーズに進出したという劇的な結果だったこともあり、来年こそはと意気込んで4位で終わった2018年シーズンのドキュメンタリー内容はかなり暗めであることが予想できました。

私の中で最も優先する趣味がこれであったならばそれでも絶対に観に行くけど、そこまで深みにははまっていないので結局観に行きませんでした。実際かなり内容は重苦しかったらしいです。

今年2019年シーズンは2位だったんですよね。それも序盤に10連敗+(1勝挟んで)5連敗という泥沼によって最下位に沈んでから這い上がっての2位。(他チームの不調などもあったし割と僅差だったが2位は2位)
クライマックスシリーズは敗退したけど、流石にそこまでめちゃくちゃ暗くなるような内容ではないはず。

一方今年の私はというと、野球を見るにあたって贔屓球団を持つことについてなんか悩んでいました。
どっぷり頭まで浸かって感情を捧げリソースを割きまくっている重めのメイン趣味がある以上、サブで軽く楽しめる趣味にしたかったんですよね。上辺だけのにわかでいたかった。
Twitterで野球の話をしないのは実在の人物名をオープンアカウントで呟きたくないというのが大きいですが、にわかでいたい癖に気難しいオタク故ににわかを晒すことを忌避しているから…というのもあるんだろうなと。あとそれ故にその趣味を持つ仲間や繋がりを作る必要がないと考えているからというのも。ちなみに知り合いや身内に横浜ファンはいません。なんで横浜贔屓なんですかね…?

私は上辺のにわかでいたいんですよ。野球というゲームを作業の横で流し、ウオースゲーなんちゅー試合だwとか言いながら楽しむだけの存在でいたい。

ただ野球の中毒性というか、私の性格もあるのかもしれないけど、もうね、贔屓球団があるとめちゃくちゃのめり込んでしまって盛大に感情を振り回されるし、気分を左右されまくってしまうんですよ。それはもう

これは勝ったときも負けたときもそうで、試合を開始時から見ていて最終的に劇的な勝利を収めた日は本気で興奮しすぎて眠れなかったし、ショックな負け方をしてしまった日は次の試合が始まるまでずっと試合展開が頭の中をぐるぐるし続けているんです。あの時あの投手以外が出ていたらどうなっていただろう、あのエラーやミスがなかったら…何がいけなかったんだろう…どうしてこうなったんだろう…と。それはもう栓なき事を悶々と。頭が支配されているとしか言いようがない状態になってしまう。プラスの時とマイナスの時の波が激しすぎるというか。

やばいって思ったんですよ。ただでさえメイン趣味(俺屍)で情緒をめちゃくちゃにされているのに、サブ趣味にそこまで激しい感情の波を求めていない。
でも野球を見るのは好き。高校野球が楽しみで生きているみたいなところもある。色んなゲーム展開や駆け引き、劇的な一打、華麗な守備、スター選手の活躍あり伏兵的存在の台頭もあり…
高校野球は贔屓がいないので感情の波は抑えめで、基本的にはゆるいプラス感情を保って見ることができるんですよね。特に地元を応援してるとかは無いので(大阪が強すぎるせいだと思う)

だから本当はプロ野球もこれくらいの温度で見たいです。興奮で目が冴えて眠れないとか、敗戦のシーンがずっと頭の中をぐるぐる回り続けるとか、そこまでは、そこまでの激しい波は、ちょっと、サブ趣味にしては重すぎるというか…。精神が持たないと言うか……

本当に野球や特定球団が好きな人には「は?」って感じかもしれないですが、今年のシーズン終盤は横浜の試合経過を見ずに(速報アプリを開くときは薄目で見たりスクロールで見えないようにしたりして)、贔屓球団のいない方のリーグをメインに追っていました。
贔屓球団の無いリーグはどんな劇的な結末で勝敗がついても「は~面白かった~」で済むので。その日眠れなくなったりしないので…。

それで大分横浜から離れられたかなと思ってたんですが、最終盤頑張っている横浜が気になって戻ってみるとやっぱり勝てば死ぬ程興奮するし、負けるとめちゃくちゃ落ち込むっていうのは全く変わってなくて、贔屓球団を持つということの逃れられない魔力みたいなものを感じました。
なんならeベースボール(※パワプロの公式プロリーグ 無料配信で試合が見れる)ですら負けると嫌だし、ハイライトでも敗戦の流れを察したら思わずウインドウを閉じてしまう。やばい

負けるのが嫌なら常勝球団を贔屓にすればいいと思われるかもしれませんが、贔屓球団ってそういうのじゃないじゃないですか。贔屓球団を贔屓球団にしてしまった時点でもう逃れられない魔法陣の中にいるんですよ。
あと負けだけじゃなく勝っても眠れなくなることがあるほど激情の波がある、というのもポイントで、気持ちを制御できないのがめちゃくちゃ大変だなと…。
これがメイン趣味ならこの感情にとことんまで付き合うぜ!!って思うんですけどね、その枠はもう埋まってしまっているので兼ねると流石にヤバいんですよ。情緒がパンクしてしまう


そういうわけで、2位で終わったものの映画を観に行くか迷っていました。にわかでいたかったし、今シーズンはあまり誠実とは言い難い追い方をしていたので。

ただ、『野球のシーズン中選手に密着するドキュメンタリー形式の映像作品』にはすごく興味がありました。どういう編集や構成で2時間にまとめているんだろう…とか。これを毎年やっているのは12球団の中でも横浜だけですからね。
そしてこれもすごいことだと思うんですけど、横浜だけじゃなく全国の色んな映画館で上映してくれるんですよ。よく考えたらすごくないですか?見たくない?私は見たい
選手や球団のことはある程度知識があるので、流れを理解した上で観ることができる。ここまで条件が揃ってるならとりあえず見とけやって思わない?私は思った

別ににわかが観に行っちゃいけない法律とかないですしね、ファンが揃う劇場の中で私にわかで~すイエ~~イとか言ったりしませんし(…?)

というか、私のメイン趣味は“俺の屍を越えてゆけ”で多大なリソースを割いて心血を注いでいますが、そうじゃないけど俺屍が好きな人は沢山いるわけで。追いかけているプレイ日記がなかなか更新されなかったりストップしてしまったりしたら『この人にとっては何よりも優先するメイン趣味じゃなかったのかもしれない』とか『何らかの事情でこちらに時間を割けなくなったのかもしれない』と思いますから、全員完走しろやオラ!俺屍様に誠実に全神経を捧げろ!とかそんなこと微塵も思いませんし…
趣味は趣味なので人に迷惑をかけない限り好きなようにやればいいし、その人にとって適切な位置に置いておけば良いんですよ。そして私は野球を置きたい場所に置いてたらちょいちょい轟音で暴れ始めるので向き合い方について頭を抱えているわけです

なんというか謎の葛藤すぎる。

かくして私は横浜DeNAベイスターズ公式ドキュメンタリー映画『FOR REAL』を観に行ったのでした。
そう、大阪公開初日 観る気満々なタイミングじゃないですかー!

ドキュメンタリー映画

ドキュメンタリー映画というものに縁のない人生でした。まあそもそも映画自体そこまで積極的に観るタイプではないんですが…

試合に勝った時も、こっぴどい負け方をした時も裏でカメラを回され続けるって選手的にはどうなんだろう。噂では去年の映画はかなりつっこんだ部分まで撮っていたとどこかで聞きました。(もちろんカメラマンの人も仕事なので仕方ないとは言え)

ただ、今年いきなりやり始めたわけじゃなく毎年やっていることなので、選手的にもある程度はカメラがいる前提であれこれやっているんだろうな…とは思います。移籍してきた選手とかはどうなんだろうなあ。

↓こういう企画はカメラが回っているからこそ、という面はあるのかな?
メンタルが重要なスポーツなので笑うことで精神面や士気に良い影響があるかもしれないし、編集すれば宣伝動画にもなる…と思うとすごく合理的に思えてくる。

これは映画販促の為にアップされた動画の一つ
試合前の声出しで『笑いを取らなければ終わらない』というものです。この動画はその中で特にウケがよかったものを5つピックアップしています。

…陰キャは死ぬ、って感じの儀式ですよね。わかる
でも野球はエンタメ興行でもあり、野球選手は露出してナンボなのでこれくらいやれる人の方が良いのかもなあ。これも一種の才能だなあ…って思います。

共通点見出しがちオタクの妄言

ドキュメンタリーを見てるとなんか俺屍のプレイ記やってる時のことを思い出してしまいました。

シーズン中生放送でリアルタイムに観る試合は俺屍をプレイしているあの瞬間に似ているし、試合の要所を切り出したハイライトはプレイ記録に似ている。
ドキュメンタリー映画は補完創作っぽいところあるな…と思いました。これはおそらくオタクの妄言です。

ドキュメンタリーは裏側を見せることがメインなので、選手個人にフォーカスして人間性…敢えて言えばキャラクター性を主題に展開する構成が補完創作っぽいのかも。

野球の試合には筋書きがありません。お前に任せた!とかお前と心中だ!みたいに人情込みの采配をすることはあるのかもしれないけど意図して誰かを活躍させることはできないし、この試合は勝たないとダメだろ~!?って試合でも普通に負けるし。(球団一筋功労者の引退試合とか)
そしてそんな中で選手や首脳陣は勝つために必死で頭を体を使っていて、だから球場やリアルタイムの放送・配信は『物語を観るための劇場』ではない。

俺屍もそうだよなあ。ゲームやりたくてゲームやってるのでその真っ最中に物語を作ろうとしながらプレイすることなんてできないし、今回はお前が頑張れ!とかこの一族はこうしたいのかもしれない…とか人情で立ち回りを決めることはあるけれど、思いも寄らない結果になることは山程ある。プレイヤーは攻略のために頭を回して予定を練ったり策を講じたりする。ゲーム画面もまた劇場ではないんだよな。

そこは『物語を観るための劇場』ではないけれど、確かにそこに物語は生まれるし、際立つ存在(キャラクター)も現れたりしますよね。
そのことを切り貼りしたりフォーカスしたり、カメラの置き位置を調整したりして『一連の流れや物語的に見せる』のがドキュメンタリー映画であり、プレイ記録や補完創作なんだなあ……。

世代交代要素もあるし、どれだけ最強な人も衰えていくものだし、高校なら3年で強制終了だし、野球ってめちゃくちゃ俺屍なんだよな?(…?)

妄言です。

構成について

全体の大きな軸としては3月末から10月までのシーズンを時系列で追いながら、選手数人をピックアップしてフォーカスする(シーズン後に取材したような映像も交えつつ)という構成。

ここでフォーカスされる選手は必ずしもめちゃくちゃ良い成績をあげた選手に限らないということが面白かったです。もちろん良い成績を上げてピックアップされた人もいるし、流石にほとんど目立った活躍なしにピックアップされる人はいないけども。
2年連続ホームラン王を取った外国人助っ人なんかはほとんどフォーカスされないんですよね。去年はもっと大きく取り上げられていたのかもしれないけど。(その選手はメジャー実績ありの大型助っ人的触れ込みではなくテスト生で入ってきてホームラン王という異例の経緯がある)

移動中の車でぼやくコメントなんかも使われるので外国人選手はピックアップして編集に組み込みにくいというのはあるのかもしれないなあ。何度も言うけど今年のものしか見れていないので以前のものにはあるかもしれないですが。

試合の裏側・人間的な面を見せるというのが主なので必要なのはわかりやすいストーリー性なんだろうなあ。昨年の不振から復活してエースに返り咲いた人、父親を亡くした選手の奮起、守備を買われてずっと一軍にはいるものの打撃がイマイチでスタメンを勝ち取りたい選手などが主だったんですが、こういう人の方がコメントを引き出しやすく、編集・構成しやすいのかな?と思いました。

そして5年間キャプテンを努め、チームの主砲であり一番人気の選手が来年はメジャーに挑戦するため、チームを離れます。構成の要はもちろんこれ
ピックアップされた選手もこの人を慕っている選手が中心だったのかな。

先程『父親を亡くした選手』と書いた選手なんかはそれだけでなく、当時暗黒時代だったにも関わらず横浜以外入りたくないというなんかすごい横浜へのパッション・なかなかパッとしない成績が続いたこと・2017オフにメキシコのリーグで修行したこと…という昨年までのあれこれがありました。
今年は長い間一軍に置かれ続け、勝負強いバッティングを見せるようになりシーズン最終盤の『負けたら終わり』という試合でサヨナラホームランを放つという活躍。この試合は『勝てば横浜主催試合をもう一回できる(=儲ける機会ができる)』という試合だったので、このホームラン一本で億単位のお金が動いたのではないかとどこかで見ました。
そんな選手が件のキャプテンとは非常に仲が良いという(ちょっと雑に扱われてコラコラ~!的な仲の良さ)、もうなんか、こんなん絶対フォーカスするに決まってるやんって感じですよね。フォーカスされない方がおかしい。

そういった選手を数人フォーカスしつつ、最終的には今年でチームを離れるキャプテンへとカメラが移っていきます。
このドキュメンタリーの構成としての軸がシーズンの時系列だとすれば、全体の流れを覆って一本の映画として纏めるための要は彼の存在なんだろうなあ。

フィクションのお話構成で使われる言葉で言い替えれば、『テーマ』に当たる部分がキャプテンの存在だったんだと思います。

ドキュメンタリーならではの

このように今季特に分かりやすいストーリー性を持つ選手たちをピックアップして『一本の流れある映画として構成』されているわけですが、それでもこれってドキュメンタリーなんですよね。
どれだけ選手のストーリー性を綺麗に編集しても、『これフィクションなら絶対勝つやつやん』って試合で普通に負けたりするわけですよ。

これ、最初から絶対作るものって決まってる分すごいのかもしれない。優勝したから作ります、じゃなく毎年作ります、って形であることね。
例えばすごい悲劇やすごい奇跡の出来事を主題にしたドキュメンタリーやノンフィクション作品なら結末はその『すごい出来事』に向かっていくわけじゃないですか。(ドキュメンタリーもの全然見たこと無いので変なこと言ってるかもしれないです)

でもそうじゃなくて、全然劇的じゃなくても、ここは勝てよ!?ってとこで普通に負けちゃっても、とにかく良い感じに編集して2時間のフィルムにして上映して円盤を売らないといけないという。『FOR REAL』ってそういうことなんだろうな…。

 

来年キャプテンはメジャーに挑戦する、この試合に負けたらシーズン終了…つまりキャプテンと一緒に野球できるのも今日までになってしまう。
絶対勝つぞ!勝って一日でも長くキャプテンと野球をやるんだ!クライマックスシリーズを勝ち抜くんだ!うおおお!!!!という流れ……その試合どうなったと思います?
横浜のバッテリーミス(1点取られる)→相手のエラー(1点取る)→相手の犠牲フライ(1点取られる)→その後追いつくこともなく終了、という、シーズンでもそんなに見ないレベルの激烈に地味な試合内容だったんですよ。負けるにしてもカキーンと打たれて終了!!とかならまだ絵面は映えるのかもしれないけど、敵味方誰も得点時にヒットを打ってないという

これ…これ…どう編集して見せるの…?キャプテンの最後の試合なのに…?大丈夫…?っていう謎のハラハラした気持ちで見ていました。

やっぱり試合の動き自体はかなり淡々と編集して、キャプテンの最終打席や試合後の姿を山に持ってくるような形で編集されていました。まあ普通に考えればそうなるよなって感じではあるんですが、最終打席も別にヒット打ったってわけではなかったんですよね。
本当に編集の妙だなって思ったんですけど、これって悪意を持って編集すればいくらでも情けない感じにできる流れじゃないですか。不甲斐ないみたいな
これをね、この流れをめちゃくちゃカッコよく見せてたんですよ。編集ってすげえと思った。

もちろん嘘をつくような編集をしてるわけじゃなくて(どう編集したって試合は地味な負け方だし、キャプテンの最終打席は凡退だったので)それをどう見せるかというのが上手すぎて本当にすごかった。
ドキュメンタリーなので周りのガサガサした音とか環境音は全編通して普通に入っていて空気感を作り出していますし、必要な箇所にはBGMも入るんですが、キャプテンが最後に通路を抜けてスタジアムに出ていくまでの数秒間だけを完全に無音にしていたんですよ。
本当にあの数秒だけで、あの静寂感を劇場で体験できて良かったな…って思えました。PCでDVDを再生する形だと他に色んな情報を並べながら見ているので絶対にあの体験はできないなあと。

そして試合後、今シーズンの全てが終わって最後にキャプテンがチームメイト全員に声をかける場面の見せ方もすごかったです。最初は真っ暗な画面にキャプテンの声だけを載せて、暗幕が取れた瞬間この映画全編通して全く見れなかったような表情を見せる…という編集だったんですが、マジでシビれまくりました。すごい、マジですごい プロの編集、すごい・・・・・・

繰り返すようですが事実は変わらないんですよ。試合は地味に負けたし、最終打席は凡退だった。それを客に見せる映像作品に編集しないといけないってことで、それでもこれだけの見せ方ができるんだなあ…。

この映画、選手も見てるわけですが(円盤にオーディオコメンタリーなどがつく)私ならめちゃくちゃその気になっちゃうな!?って思っちゃいました。めちゃくちゃ派手で無理に誇張したような見せ方はしないけど、とにかく格好良くて綺麗にまとめてあるのでモチベーションビデオ的な効果もありそうというか。どうなんでしょう
まあ実際の選手がどう感じるかは勿論分かりませんが

情動の差

私の話、上記のように今シーズンは自分の感情に振り回されすぎるのをどうにかしたくて試合をちゃんと見たり見なかったりしていたわけですが。
その上でこのドキュメンタリー映画を見た時の感じ方の違いみたいなものが面白かったのでそれも書いておきます。

リアルタイムで見ておらず、結果だけを知っていた試合の映像は勝ち負けに関わらずそこまで感情が動かないんですよね。
劇的なサヨナラ勝ちなんかはもちろん嬉しいけど、うお~すごい~!って思うくらいで。ショッキングな負け方なんかも『うわこれはつらいな…』と思うことはあってもまあまあ普通に見れる。

でもそれがリアルタイムで見ていた試合の映像だと全然違って、なんというか、同時にあの瞬間の感情が思い出されるので画面を直視できなくなるというか…。あ、あ、ああ~~~!!ああああ~~!!もうやめてくれ~~~~!!!ア~~~~~!!!!!みたいになるんですよね…これ本当にリアタイしたことの魔力だなって思いました。そりゃあ目が冴えて眠れなくなったり頭にこべりついて離れなくなるような体験してればそうなるわって感じですが。

エンタメ体験としては絶対後者の方が代えがたい何かがあると思うんですが、いや~~~…持たへん…感情がめちゃくちゃにされるのは楽しいけどやりすぎると持たへん…どうしてこんなに情動がはちゃめちゃになってしまうのか

もし来年もこの映画を見に来るとしたらどういうスタンスでシーズンを過ごせば良いんだろうな…。例えばだけど、いつか優勝するようなことがあればそれをふんわりした視聴体験で終わらせるのって明確にもったいないじゃないですか。でもそれがいつになるか分からないし、分からないからみんな毎年頑張って応援してるんだよなあ。

野球というゲーム性のあるエンタメをワイワイ楽しむサブ趣味という位置に置いておきたいので私はちょっと不誠実なにわかでいたい、いたい……でも来年の横浜DeNAベイスターズがどうなるか気になる…それはそうとして来年は色んな補強に動きまくっているパリーグがどうなっていくかが気になって気になって仕方ないというのも事実なんですよ。パリーグなら本当に単純に野球、面白!ができるので。なんやかんやで今年かなりパ選手の名前も覚えられたしチームの特性みたいなものも分かってきたし ウ~~~~ン…………………贔屓のある野球は難しい…………。

私個人の考えとしては野球をとにかくどっぷり楽しみたいなら絶対贔屓球団は持った方が良いし、作業しながら横で流してワ~!すっごーい!たのし~!ってするくらいの趣味にしたいなら絶対贔屓球団は持たない方が良いと想います。参考にしてください(何?)

FOR REAL 面白かったです。面白すぎてまた野球との向き合い方について考えさせられてしまった