プロメア感想

プロメア見ました!やっと見ました!!
全然見れるタイミングなかったりあっても満席だったりで気づけば上映終了が近いところもちらほらとか
いや~~めっちゃ面白かったな…というか私が好きな感じの話だった

久しぶりに即座に感想書いておきたい~~!!って思ったので感じたことざーっと書きます!当然ネタバレです
「それ外部情報で出てるよ」みたいなことを想像で言ってたりするかもしれませんが、個人的に外部メディアでしか出ていない情報=映画の本編本筋で掘り下げたりピックアップする必要がないこと、だと思っているので、まずはそういう情報入れる前に「本編だけを見た上で感じたこと」だけ言葉にした~い!です パンフ持ってなければ公式サイト他公式が出してる情報も一切見てないので
あと耳が悪くてちょいちょいセリフ聞き取れてないので「それ本編で明言しとったやろがい!」っていうのもあるかも
一回バーーって見てワーーって書いただけなので何か勘違いや取り違えあったらすまんね

全体

「お前こういう単純明快で分かりやすくてド派手だけど丁寧で堅実な作りの話好きやろ~~~~!!!」「好きで~~~~~~~~~~~~~す!!!!!!!」って映画だった!好きだわ~~好きだ…血と骨と肉がこういう話を求めてた

近未来世界観だけど主人公が火消し=江戸っ子節全開のノリ、そういう要素を存分に取り入れたキャラやメカ造形が好みすぎて最高だった なんていうんだろうああいうの?あまり共通項に入れられないけど王道っぽい2つの要素をかけ合わせたみたいな設定めっちゃ良いよな…この人こういう話よく思いつくな…といつも思ってる気がする

序盤は熱血バカ主人公VS綺麗め少年の構図なのに主人公側が「氷」での「氷VS火」っていうのもなんかワクワクしたなあ。こういうノリの話において氷が味方で炎が敵ってあんまり無い気がする でもすごくしっくりくるという ガロはアツいしリオもアツい というか対バーニッシュ勢が氷属性・相性の良い武器として氷を使ってるだけでガロが氷属性キャラかというと別にそういうことはなかった

「氷を使う」「炎と相対する」もの、という要素だけだと「冷たい」というイメージになると思うんだけど、そこに「火消し」「江戸っ子のノリ」という要素を足すことで「火を消す側だけどアツい主人公」として成り立ってるみたいな…う~~ん属性の乗せ方が超好き
「火消し」と「炎」の主人公コンビ(ここって両方主人公として見て良い?)が最後に「燃やして火消しする」っていう強引な手段で事をおさめたのもテーマモチーフ回収完璧でその上でしっかり解決策としてしっくり来てもうカーーーッって感じで脱帽しすぎて毛ごと取れちゃいそうになった

 

冒頭でバーニングレスキューとバーニッシュのバトルをド派手に見せ、その後少し落ち着いた展開&伏線貼りや情報開示・理不尽や鬱屈したものを見せ、そこからはバトル!バトル!!バトル!!もっともっとバトル!!!暴れろ暴れろスケールもでかくしろもっともっと~~~!!!!っていう構成も「そういうのが見たいんだよ~~~~~~~~~~」って感じで本当に満足!!!!

「デウス・エックス・マキナ」別に嫌いなデザインじゃないけどあんまりカッコよくはなくね?主人公コンビ搭乗機としてはどうなんだ…??って思わせておいて(まんまと思わされた)(私は見ようと思ってる映画キービジュアルすらマトモに見ずに臨む民)ガロ本人もそう感じてたからのクソカッコイイ形態に変身とか最高すぎてもう思う存分「やられた~~~><!!!」できて気持ちよかった。
あの変身も急に出てくるわけじゃなくて序盤のリオの戦いやらでバーニッシュが自分の装甲を強化したりしてたことが伏線になっているので、見た目めちゃくちゃ派手なことしてるのに伏線貼りがクソ丁寧&超分かりやすいという ノリが派手だけど堅実なんだよな!?作りが!

そして「カッコイイ主人公搭乗機が出たら当然その対になるような敵メカとのバトルが見たいよなあ~!?量産機みたいなのじゃなくて!」「注文通り~~~!!」って感じのクレイとのバトル
主人公側が黒で敵側が白っていうのも王道の逆のド王道って感じで気持ちよかったな…

そんでもって当然そのバトルだけでは終わらない!クレイのバーニッシュ全開フォルムとの肉弾バトルからの~~巨大化して地球規模でやりあうスケールアップも「そりゃあここまでやってくれないと絵的に満足できないよな~!!」って感じで「エンタメとして見たいもの」の供給が完璧だったと思う。それでいて話としては堅実に綺麗にまとめているという

人工呼吸のシーンとかも、起承転結の承の部分でやっていた死にかけバーニッシュへの人工呼吸・湖シーンのガロとアイナのシーンにかけてあるんだろうなあ。あのかけてる描写をどういう意図として受け取るかは人によって変わる気もするかも。しかも全体的に動的な映画の中で異質とも言える超静的に間を取る描き方という。全体の流れの中でかなり浮いた描写なので印象に残りやすい気がする
私は「この話の主軸はこっちじゃなくてあっちです!ヨロシク!」というアピールと受け取りました。近しい女子との関係性は(あの二人が将来的にくっつくかどうかとかそういう部分)さておき、この話のメインで描きたいのはアツい男と男の出会い!絆!バーニング世界救済の方だぜ!!という

「話のメインじゃないから深く掘り下げない」「でも察せる程度の描写は入れているので登場人物に厚みが出て満足感がある」というのも見やすい要因だったと思います。個人的にはアルデビット姉妹もこれだったなあ。
「お姉ちゃんが妹を助けるために頑張る」というのは軽いものなら「姉だから・家族だから」で説明済ませてしまうことが多いと思うけど、エリス氏が関わってるのは何億の人類を犠牲にする計画で、「一人の妹のために人類の99.999…%を犠牲にする」まで思い切るのは「姉だから」だけでは説明しにくい…エリスとアイナが会話してるシーンとかを見てもエリス氏はすごくすごく重い決意を持ってあの計画に関わってるんだなあというのが分かるし、それだけで「二人はどんな人生を歩んできたんだろう 色々あったんだろうな」とか考えさせられるんだけど、映画としてはそれ以上は描かない・掘り下げないんだよな。だってそれは話の本筋じゃないから、ここに尺や描写の重量を割くと「何が言いたいか」の印象がブレていってしまうから、だからアルデビット姉妹の描写はあれで十分、過不足ない

ガロとクレイ

この主人公とラスボスの構図はめちゃくちゃ好き

クレイがガロのことだいっきらいなの、めちゃくちゃめちゃくちゃ””わかる””のが良い…最初に計画を明かしてから急に豹変してブチギレた時は「!?」ってなるんだけど、「いや、そら嫌いだろうなあ」って納得して、終盤の独白で更に嫌いな理由が明言されて「あ~~~~」という。

クレイ目線で言うと彼は避けられない星の危機を知り、それをどうにかする為に考えて、そして犠牲を出すことを「決断」した。上に立つ人間として大人として「全てを救う」なんて甘っちょろいことは言ってられない。救うものを定め、それ以外を犠牲にしても非道に手を染めようと責任を取る、っていうのは「大人やな~」と思うし、そりゃあこの手のラスボスは「みんな救ってやる」とかのたまう主人公のこと大っ嫌いだよな!!!

…って途中までは思ってたんですけど、途中まではそんな印象で進んだけど話が終盤に行けば行くほど「そうできるかもしれないしその力を持ってる」「でもしない」がボロボロ出てきて…いやああの流れめっちゃ好きだな…

メカに乗り込んでる時の「そのトンデモ新星開拓ツール作れるなら火山の方なんとかできるんちゃうか!?」っていうツッコミあたりが最初の「あれ?」って違和感で、「実はバーニッシュだった」「プロメア的衝動をめっちゃガマンしながら権力者にのし上がった」が判明したところで「これは別に…人類のために決断した責任者、主人公に相対するもう一つの正義的なキャラ…っていうわけではないな?」って印象が変わっていったのが面白かった。割とかなり利己的で自分本位だよねクレイさん
そして印象が変わっていくにつれてどんどんムキムキのボーボーのギラギラになっていくクレイの姿が見事にキャラ印象※とシンクロしてて気持ち良すぎる(※物腰柔らか敬語ボス→激アツこなくそ野郎) 良いボスキャラだなあ…

決定的にガロのこと嫌いな理由も最初は「ガキくさい理想論ばっか語るヤツが大人として嫌い」なのかな…って思ってたんだけど、話が進むにつれて「ああもう単純に思い通りにいかなくてクソだと思ってる、かなり自分本位な嫌悪だったんだ…ええやん…」ってなった

いやどうだろうな、こうやって印象変わったこと踏まえてその視点でもう一回見たい気持ちある

 

クレイの本質はそういう感じだと私は思ったんですけど、それはそうとして「人類を救うために決断をした立場の人」という立ち位置ではあるので「完全に間違ってる人」と断ずるものではなく…だからガロが良いんだよな。「全部救ってやる!!(意訳)」と言えてしまう主人公

現実的に考えてそんなことを言うヤツはバカだし、全てを救おうとして全てを失うリスクがある。それも五分五分じゃなくて圧倒的に分が悪い、可能性が極めて低い。そもそも理論的に見ると無茶苦茶言ってるだけでまともな方策すら考えていないのに大口を叩いている。そんなことができるのは物語の主人公だけで、そしてガロは物語の主人公だったんですよ。フィクションの主人公だけはあれを言っても良いし、実行できてしまうんだよ 主人公ってやっぱ最高だわ

個人的にはこれを主人公補正なんて軽い言葉で済ませたくないし、別にご都合主義的展開で世界を救ったわけじゃないんで「全てを救うと宣言した上で、こいつなら救えてもおかしくないわ」と納得させる強さと勢いを持ってるやつ…つまり「派手な演出と堅実で丁寧な話作りの両方があるからこそ成立する」「主人公の力」なんだよな…ガロはさあ…主人公なんだよ…

ヴァルカン好き

1項目分けてすることか?って感じだけどここまでに上手く挟めなかったのでちょっとだけ言わせてほしい めっちゃ良い悪役だったよね こういう自分のポジションに徹することができる悪役キャラクター概念として大好き

脳筋ゲスの極みで「迫害されるバーニッシュ」という描写は彼がいないと絶対に軽くなってしまうし、もう最序盤から終盤までヘイト集めに余念のない姿はプロの三枚目悪役を感じるし、「きっとこの人はそれはもうスカっとする死に方をしてくれるんだろうなあ…」とワクワクさせてくれた。こういうキャラはねえ、最後の最後で「ざまあ」って言われてナンボなんですよ。それが彼らの生まれた意味であり役割なので

リオドラゴン大暴れの時に「死んだ?」と思ったけど生きてて、「あ、生きてるやん!」と思ったらまだまだゲス役いくで~~!!とばかりに暴れはじめてイグニスとのガチンコ対決やりはじめて「見せ場!!見せ場~~!!エンタメ~~~!!!」とテンションが最高潮になったところで「実はクソチビだった、おそらく本人にとって最大の恥部を晒しつつ、大して目立たないけど最高に惨めな敗北者として終わる」という、100点満点中200点のオチ すごい…(100点のオチは普通に断末魔をあげながら惨めったらしく死ぬこと)
めっちゃ「良いキャラ」だったな…

 

以上です。良い映画だったな…満足感がすごい