分厚いけど軽めのマンガ総集同人誌を作りたい!記録

八百八郷(ハッピャクヤキョウ) | ぶらり創作世界開拓記
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3年ほど描いてた創作マンガがキリのいいところまできた!!おまとめ本にしよう!!

というわけで、WEB連載していた合計400ページ超のマンガを一冊の本にするまでの記録です。作業時リアルタイムでてがろぐにメモしていた分を引っ張ってきつつまとめていきます。

 

最終的な完成品はこんな感じ↓

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細かい解説しはじめると記事が終わらないのである程度印刷データ編集の知識がある人向けの記載になると思います。作業はCLIP STUDIO PAINTのEXです。同人誌を作るならEXにしよう。

 

データを整理・修正する

本のサイズどうする?

このマンガは描き始めた当時は本にする構想は特になかったので、とりあえず的にA5サイズで描いていました。一応印刷可能な解像度とサイズではあるけど、いざ実際に本にしようとなると…B6がいい!

B6というと、商業の青年コミックで多いサイズですね。同人誌は同人誌であるゆえの自由というのがあるので、個人的には無理に商業に寄せる必要はないとは思うのだけど、でもやっぱり『商業っぽさ』って憧れる。B6がいい、B6にしよう。

 

データを集約する

このマンガは1話毎に別々のフォルダ内に作業データを作って描いていました。

総集本にするためには、まずこのバラバラのデータを1つにまとめる必要があります。というわけで以下やった作業

 ①マンガ作業データを丸ごと複製

製本用にデータをいじくり回すわけなので、複製してオリジナルデータは残しておくようにします。当たり前だけど

②複製データ内の余計なページを削除

私はカットしたページとかを原稿データの後ろの方に移動させてそのまま放置しがちです。

↑こんな感じ

当然これも製本作業では邪魔なので、こういうページを削除していきます。

③キャンバスの比率変更

ここからリサイズ作業に入ります。データはまだ各話でフォルダに分かれた状態です。

A5で作業したキャンバスのサイズを変更します。しかし一発でB6にリサイズはできないので、まずは縮小などはせずにキャンバスの比率を変更。

↑これがオリジナルの作業データとそのサイズ。赤枠より内側が実際に出力するA5の領域です。

で、この画面に一旦B6のテンプレートを流し込んでみます。B6テンプレートの方のサイズを適当に拡大して、マンガの基本枠と合うようにして配置します。

 

そして、そのテンプレに合わせて四隅をカット!これで、B6データと同じ比率のキャンバスになりました。(※比率は一緒ですが解像度は違うので、それは後々変更します)

1ページこの作業が完了すれば、あとはこのキャンバスサイズをメモして他のページにも適用していくだけです。

こんな感じで変更したいページを選択し、キャンバスサイズを先程の数字にしてOK!

この処理を全話全ページにかけていきました。

 

④キャンバスの解像度変更

③だけだと、『比率は合っているが、実際のテンプレサイズより大きい』状態になってしまいます。なので、今度は一括で解像度を変更していきます。今回のデータの場合は0.87倍ですね。これでテンプレサイズに合わせられます。

しかし、解像度変更は先程のように『ページ選択してページ基本設定から変更』という操作ができません。まさか全ページ手作業で0.87倍し続けないといけないのか…?と一瞬思ったんですが、ちゃんとそれができる機能もありました。

ファイル>一括処理 から画像解像度変更を選択、サイズを指定すればあとは一括で処理してくれます。便利~

これで全ページ、実際の原稿サイズにぴったり合うサイズに変更できました。

 

⑤全ページを1つの原稿データにまとめる

ここまでは別々の作業フォルダで作業していたのですが、ここでそれらを一つのデータにまとめていきます。

ページの読み込み機能を使って1つのデータ内に複数の話数を読み込んでいって…、ページの左右がズレないように事務ページを差し込んでいって……

こうなりました。圧巻。これが450ページの原稿マンションです。こんなんマンション通り越して九龍城砦や

色のフレームがついていますが、これは下書きレイヤーに設定しているものなので書き出し時には無視されます。作業時に断ち切りガイドとして置いているものです。

 

⑥テンプレートを流し込む

全ページに印刷用テンプレートのレイヤーを流し込みます。テンプレートレイヤーを各ページに貼り付け。これは手作業です。もしかしたら一括でもできたのかもしれない

 

ノド付近の文字を修正する

今回の本は非常に分厚くなります。テキストがノド部分にあると谷底に吸い込まれて読めなくなる可能性がある。

なので、↑こういう位置の文字を…

こうします。文字やフキダシを気持ち内側に寄せました。

仕上がりはこんな感じです。まあ十分読めるよねって感じにできました。

薄めの同人誌の場合はよっぽど基本枠を飛び出すとかでない限り大丈夫だと思いますが、分厚い本を作る時は注意したいポイントですね。

 

 

試し刷りをする

ここまで作業してなんですが、まだこの本を一冊で出すことは確定していませんでした。あまりにも分厚すぎたりする場合は読みにくくなるし、分冊も検討しなきゃいけないかも…みたいな。

なので実際の物質感を確認すべく試し刷りをすることに。本命の印刷所は1冊からの試し刷りは対応していないか高いことが多いので、少部数安価がウリの印刷所をピックアップ。

製本直送.com | 1冊から注文OK。安さと高品質のオンデマンド印刷
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今回は製本直送.comを利用することにしました。一冊2200円程度(送料込み)で試し刷りが可能です。安い!!

その上製本直送.comはシステムもかなり分かりやすくて助かりました。特にすごいなと思ったのが以下のページ

作成ガイド
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表紙作成コースを選ぶとテンプレートの作り方ガイドが出てきます。製本直送.comは細かいテンプレート一覧はありませんが、背幅に合わせたテンプレはこうやって作るんだよ!!というのを丁寧に解説してくれてます。たすかる~!

 

というわけで表紙は↑の解説に従って作ったデータで、本文は製本直送.comの指定サイズに合わせてリサイズしたものを用意します。もちろん前項で作ったデータは複製して残しておきます。

こちらの入稿はPDFなのでPDFで書き出し。

 

そして届いた冊子がこれ!でかあい!

2.5cmあります。でもこれ実際に使う紙じゃないので薄い方なんです。実際はもっと厚くなるんです。

印刷もかなり綺麗。まあ黒ベタページテカってるな~とかはあるけど、実際の装丁ではないので関係なし。

この試し刷り冊子をざっと見てみて、持った感じのサイズ感とか、文字の大きさや線の太さに違和感がないか、開やすさはどうかなどを確認。この辺は問題ないように感じました。

ただ気になる点が一つ、この本重い

 

本の重量と、紙の検討

ここから分厚い本の重さについて検証・検討をはじめました。

これが、手に持った感触重めに感じた試し刷り版。446g。初代Nintendo Switchより50g重いです。それは…重く感じるなあ~

 

ではどのくらいの重さだといいのか?というのを検討していきます。

これは本屋で見つけたウソップの本。580ページもある大ボリュームですが、手に持った感じは驚くほど軽いです。100ページ以上差があるのに試し刷り本より20g軽い。

 

コロコロコミックは682gあった。重すぎる。

 

私が以前作った100Pの同人誌。この本で使った紙(コミック紙ラフ)が好きなので、できればこれを使いたいところなのだが。

計算してみた感じ、この紙で作ると442gくらいになりそうだった。試し刷り本と同じくらいだなあ。そして紙が厚めなのでデカくもなってしまう。デカくて重い本か…

 

それで色々調べてたんですが、感じる重さって単純な数字だけじゃなく心理面の影響もあるみたいですね。同じ重さでも体積の大きなものは『重そう』という心理が働くためか、実際に持ってみると意外と軽い!となったり、逆に小さいものはより重く感じたり…というのがあるのだとか。

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580Pあるウソップの本をかなり軽く感じ、450ページの試し刷り版を重く感じたのはこの心理もあったのかもしれない。そうなると、紙の薄さはあまり意識しなくてもいいのかも。寧ろ厚いほうが心理的に軽く感じられてよい可能性がある。もちろん厚すぎる紙で無駄に本がデカすぎになるのは避けるべきだが。

 

試し刷り本をメモ帳にすな。

 

ここまでを踏まえて自分の希望する紙の条件は以下のようになる

  • ガサガサしたラフなコミック紙(私が好きなので)
  • 軽いこと(できれば60kg以下)
  • 厚すぎないこと
めぼしい紙たち

コミック紙ラフ(プリントオン)
→私の好きな紙。重すぎはしないが、もうちょっと頑張って軽くしたいライン。多分60kg↑くらい

タブロ
→私の好きな紙②。あまり重くはないがやや厚い。これだけページ数があると相当な厚みになると思われる。

b7バルキー
→コミック紙としてかなり評判の良い紙。ただ使える印刷所にあったものだと81.5kgもあり、そんなん無理や重すぎるとなる。

単行本コミック紙ラフ(AXIS)
→プリントオンの系列・AXISで扱われている紙。53kgと驚異的に軽く、質感もいいらしい。これが使えるならこれにしたいが、残念ながらAXISは大量印刷大手サークル向けの印刷所のため、無理。

モンテシオン 56kg(緑陽社)
→ラフなコミック紙で軽い。ただしこちらも大量印刷サークル向けでしか選べない紙である。小規模サークルには厳しい。


使いやすい手頃な紙はちょっと重く、軽くて商業紙に近いものはピコサークルには手が出せないものが多い…といった具合。

ていうか重さも込で紙探すのがけっこう大変だった。重さまで記載していない印刷所もけっこうあるし、同じ名前の紙でも重さ違いがあったりするのでどの重さのやつかわからなかったり。

 

新ハイバルキーナチュラル

そんな感じでかなり紙探しをしまくった結果たどりついたのがこれです。日光企画の新ハイバルキーナチュラル。

59.5kgで厚さも控えめと、かなり探している条件に合致する。

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※ 2024/06/04 印刷所ごと単品対応始めました(5冊セットは少しお得になってます) 5冊セットは2セットまであんしんBOOTHパックでお届けできます。 大陽出版さん、日光企画さん、ブロスさん、ラック出版さんの漫画向けだと思うオフセッ...

というわけで、こちらの本を取り寄せてみた。各印刷所の紙をまとめたサンプル本。おすすめです。

こちらで日光企画の新ハイバルキーナチュラルの質感を確認。かなり理想に近い感じだったのでこれに決定!!!!となりました。

本文の見積もり

というわけで一旦日光企画さんに見積もりを出しました。カバーをつける関係で表紙はモノクロでよく、その辺も含めて印刷代などを確認。

ハイバルキーナチュラルで456ページ本を作りたいと見積もりを出したところ、「この紙でこのページ数だと背にシワが寄りやすくなったり、断裁面がガタガタになる可能性がある」とのこと。ちょっと怖いけど、マジで成立しないほどなら初めから無理と言うだろうし、念の為に言っている感じ…のはず…と判断して進めることにした。もちろんこの判断の責任は自分にあるので、本当にガタガタできたら印刷所を責めるつもりはない。なんとかなれーーッ!!

なんでここまで念入りに色々調べた結果大金使ってギャンブルみたいな決定を…?

 

カバーの印刷所を探す

本文用紙と印刷所が決定。これで背幅が確定しました。次はカバーのことを考えていきます。

個人的にカバー巻き作業をできればやりたくないので(不器用だから)一括でやってもらえるならそれに越したことはない…と思っているのですが、カバーの質感や装丁にもこだわりたいとなるとそうもいかない。カバーは他で作ってもらうしかないかも。

ただここでけっこう重要な事実に気づきます。『本が厚すぎるとカバーが作れない場合がある』ということです。

コミック本用ブックカバー テンプレート

青年コミック用カバーのテンプレート……背幅25mmまでしかない…!?!?

考えてみれば当然のことで、カバーも何らかの紙に印刷してカットして作るわけです。そうなるとその紙に収まるサイズである必要があるわけで……ホギャー!

それで他の印刷所なんかも見てみたのですが、やりたい加工で作れるのはやっぱりプリントオンだ……!!となり、オーダーメイド窓口から見積もりして作ってもらうことにしました。テンプレートにはなかったけどこれで対応はしてもらえました。流石装丁こだわり屋御用達のプリントオンだ

オーダーメイド窓口から今回用のカバーテンプレートも作っていただきました。ありがてえ…ありがてえ…!

 

表紙絵作成

というわけでやっっっと諸々のサイズが確定したので表紙絵を描き始めました。もっと早めに着手することもできたんだけど、仕様が変わる度に配置なんかを調整しないといけないかも…と考えるとダルくって…。仕様が確定してから始めることに。

表紙絵の詳細な作業工程については割愛。タイムラプスを置いておきます。時間ができたらメイキング動画も作りたい

この記事で言及するポイントといえば、テンプレートよりやや大きめに描いていることですかね。この絵はカバーだけじゃなく色んなところで使い回すつもりだったので、大きめに描いてトリミングなどで使用しやすいように。

キャラ部分も別データで大きめに描いておくことで、使い回しパワーを高めています。

あとはパノラマ1枚絵として成立しつつ表紙・背表紙・裏表紙・カバー折りで分割されても成立するような構図に…といった具合。

 

タイトルどう入れる~?

とかもぼんやり考えながら作業

こういうタイトルの入れ方ってカッコイイんだけど、カバー印刷であるためズレなども出るだろうし、背表紙に干渉しそうなので難しい。

全体的に直線気味な絵なので文字はナナメとか…?

 

表紙のこと考えてる時に役に立ったサイトは以下

ノミネート作品 | 次にくるマンガ大賞 2025
これからもっとくるに違いない!次世代ムーブメントを起こすであろう「次にくる」漫画をマンガファンによる作品エントリー&投票を通して決定!紙もWebも、みんなの投票で「次にくる」マンガが決まる!

次にくるマンガ大賞。今売れてるマンガの表紙がサムネイルで一覧できてたすかった。活かせたかどうかはわからないけど。

こう見ると、商業マンガは帯前提でデザインされるのでタイトルを無理やり上2/3に固めていることが多く、違和感のあるものも多いんだなあ。

私は帯の扱い困ってしまう人間ゆえに自分の本に帯つける気はないので考慮しなくていいですね。それにしてはめっちゃ帯向けのイラストになってる気がするけど笑

 

カラーラフ試し刷り

下書き+カラーラフまでできた段階でコンビニで試し刷りしてみたもの

 

表紙絵に一ヶ月

くらいかけてた。本来こんなにかけるべきではないと思うのですが、3年分456ページ分の総集本だし、絵自体を様々なところで使い回す気満々なのでいいでしょうと。

以下は表紙絵作業終盤のつぶやきである。

今1ヶ月かけて描いてる絵がいよいよ佳境といったところなんだけど、キャンバスサイズ2万ピクセルレイヤー数1000越えとかになっていよいよ尋常じゃなさを醸し出しており、間違えて塗り潰しがキャンバス全体にかかるだけで10分くらいフリーズするなどしていた

クソデカデータ伝説
・塗り潰しはみ出しで10分フリーズ
・手のひらツールでキャンバスを移動するだけで微フリーズ
・レイヤー非表示操作すると妙にぎこちない動作でカクカクしながら非表示になる
・PCは去年かなりの高額で新調したハイスペックゲーミング
・1時間とかになるタイムラプスデータを定期的に書き出してデータリフレッシュ

久しぶりにやべーデータを扱っている ボイフレ集合絵のときとどっちがデータでかいかな。確認してみたら今描いてる方がややデータ容量上回ってるな…(タイムラプス抜き)

 

そんなわけで表紙絵が完成したのだった!

 

カバーデザイン

ここからはこの絵に必要な文字を入れてデザインを進めていく

試し刷り2

表紙絵が描き終わった段階で2回目の試し刷り

タイトルラフも乗せて。サイズ感の確認。

ていうかコンビニのカラー印刷、普通に綺麗ですよね。紙は流石に普通紙って感じだけど、色が全然CMYK負けしてない。

 

デザイン作業

表紙用のタイトル文字を作っていく。ずっと使ってるロゴはあるんだけど、そのまま使うとあまり合わなそうだったので。

 

レイアウトを進めていくわけですが、この工程の難しいところはデザインや文字だけいじってればいいわけじゃないとこですね…

試し刷りしてみると表紙部分がなんか寂しい気がしてモブを描き足して増やしたり…

 

こういう、レイアウト部分の直線と絵の直線が並行になってしかもすごい近いとことか めちゃくちゃ気になってしまう

紅葉を被せたり調整などをして直線被り感を解消……

…したと思ったらレイアウトの角と絵の線がピタっと同じ位置になっててなんかキモくなるし!!ンモオオオ~~~~~!!!!!!!

というような調整を一生やっていました。そもそもなんだけどこの絵、垂直水平気味な線が多いのでレイアウトに困るな??(イマサラタウン)

 

ランダムに散らしているように見える紅葉もかな~~~り微調整していますね。イラスト内のこういうランダム物質あるある、ランダムっぽく見えて死ぬほど調整されている。

表紙のデザイン、本当ならバリバリのその道のプロの方にお任せした方がイケてる感じに仕上げてもらえると思うし、気合い入れた本であればあるほどそうした方がよいとおもうんだけど、丸投げするとこういうイラスト込の微調整ができないのでなかなか…なんですよね。キャラ絵ドン!な表紙絵ならいいんだけど、オブジェクトが多い絵はレイアウトと調整が必須だから……

 

そんなわけでカバーのデータが完成!!

 

ノンブルをちゃんとする

カバーデータもできたということで、いよいよ本文の入稿も進めていきます。

とは言っても最初の本文データ整理の段階でほぼやることは全部やっているので、あとは書き出して色々確認するだけ……

いや待てなんかノンブルが…ノンブルの場所が不安だな!?

このままだとすごいハンパなところで切れるノンブルになってしまう。あと日光企画は見えるところのノンブル必須なので、ノンブルをちゃんとしないといけない

ノンブルの位置は『作品基本設定を変更』から調整することができます。

例えばこんな感じの設定だと…

このように。マンガの内側の目立ちにくいところに。

なんで、入稿用データもこの要領で位置を調整すればいいわけなのですが……数字をいじっても希望の位置にノンブルがいかない!何故!?

ってところで気づいたんですけど、入稿用データはまとめてリサイズした段階で基本枠を削除してたんですよね。

基本枠というのはこれの、一番内側の線です。マンガのコマ割はここを基準に作成したり、ブチ抜いたりなどします。書き出しなどには表示されない基準の線ですね。

サイズや解像度を変えると当然この基本枠は機能しなくなるわけで、その場合基本枠は削除されるようになっています。印刷所テンプレートに合わせて入稿データを作るだけなら基本枠はなくても問題ない、と、思っていたんですが。

ノンブルは『基本枠との間隔』で位置を調整することになっています。つまり、基本枠がない場合この調整がうまくいかないんですね。

というわけで改めて全ページに基本枠を設定し直すことになりました。

まずは1ページの設定をいじって、原稿に丁度いい場所に基本枠がくるようにします。

基本枠のサイズが決まったら一括処理で全ページに適用

基本枠を再設定&ノンブル位置調整でいい感じにすることができました。

本当の理想を言えばこういう黒ベタ背景のページはノンブルは白フチではなく白文字にしたかったんだけど、少し作業したんだけど、なんかそういうのを手動でやっていくと絶対どっかでページミスる……やめよう、それは……いいだろ黒字白フチでよ……ってなってやめました。

 

入稿・入金

トヤチョ
トヤチョ

よーし入金して入稿するぞ~

ToyaPing
ToyaPing

日光企画は自動見積ならクレカ決済できるけど、メールでの個別見積もりの場合は銀行振込しか使えないぞ

トヤチョ
トヤチョ

オッケー

トヤチョ
トヤチョ

え?

ToyaPing
ToyaPing

ん?

トヤチョ
トヤチョ

キャッシュカード紛失した

ToyaPing
ToyaPing

そんなことある???????????????

キャッシュカードを再発行しにいき、その時窓口で紙に記入して印鑑を押すという非常にアナログな方法で振込処理をしたのであった…

 

 

印刷物到着

そして入稿が終わって3週間後…

カバーが到着!

おまけのしおりも到着!

ほんとはスピン製本したかったんだけど紙選びの段階で諦めたのだった

WEB掲載時はいつでも用語集を開けるボタンを置いてるんですが、紙だとそれができないのでしおりの裏につけてみた。簡易も簡易だけど

 

表紙が届いてから10日後…本体が到着!

日光企画さん、入稿完了メールで『不備がなければそのまま特に連絡なしで作業進めるやで~』って書いてあったんだけど、本当に不備とかなかったらしく1ヶ月近く音沙汰なしである日急に本が送られてきてちょっと笑った。まさか発送連絡もないとは(その代わり配達業者の通知はきたけど)ストロングスタイルすぎて面白い。でもめっちゃいい出来なので満足満足です。初めて使ったけどよかった~~

 

仕上がりを詳しく見ていこう。

当然のように自立します。表紙はプリントオンで印刷。

写真では伝わりにくいですが、表紙はザラマットPP加工をしているので触れるとザラシャリっとした感触があります。このPP加工、印刷会社によって呼び方が違うので他所だと『しゃりしゃりPP』『ラフマットPP』『ねこじたマットPP』あたりが多分同じ加工にあたる…と思います。多分。ていうかしゃりしゃりPPが同じ加工に当たるなら表紙も込みで全部日光企画さんに任せられたんじゃ…?

ページ数が多い分(それだけで印刷代がかさむため)あまり装丁や加工は凝れなかったけど、分厚い本なりにシンプルな扱いやすさを優先したのでまあいいかな。

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本の出来は全体的に良いんだけど、タイトルはちょっとだけ中央からズレちゃってます。
これはもう仕方ないやね。

プリントオンのカバー印刷は折りすじ一つだけつけてくれてるのでメチャクチャ折り作業しやすいんだけど、それゆえにこういう(背表紙の中央合わせなどの)微調整は効かないのよね。

 

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背にシワがよることも、断裁面がガタガタしていることもなく。綺麗なもんです。

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軽い紙とかにすると気になるのは裏透け具合だけど、私的には全然許容範囲かな。裏の透け感はかなりあるんだけど、めくったあとに何が出てくるかが見えちゃうとかじゃなければ全然オッケーだ

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紙も軽さを求めた上でラフ紙にしたい、ということで決めたわけだけど、かなり良い感じのザラザラ感です。いいかんじ!

元々そこまで精緻な絵を描く方ではないですが、細かめの背景のページもきれいに出ている

濃いめのグラデーショントーンも綺麗じゃない?

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黒ベタもしっとりして綺麗です。右は試し刷りで安めの印刷所で違う紙に刷ったもの。テカテカする感じはまったくないね!!

 

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重さは416g!試し刷り版から30gもダイエットできたと考えると上々でしょう!

軽い軽いと言いすぎるとハードルが上がって逆効果か?(不安)ページ数なりの重みはあるけどその範囲でも軽い方に仕上がったと思います。

 

厚さは35mm~40mm程度。ギュっと押さえつければ35mm、ふわっとしてると40mmって具合です。

この厚さが読みやすいかどうかは諸説ですが、一応人道的な(?)範囲内に収まったかなとは思います。

 

 

おまけのコーナー

これを…

こうして……

こうして………

こうじゃ!!うおおおお~~~!!!おっしゃああああ!!!!

 

 

トヤチョ
トヤチョ

え!?カバー巻きした上でシュリンク包装もやるの!?

ToyaPing
ToyaPing

自分で必要作業増やしてるこの人

デカい上に単価が高い本なのでできる限り守護まもりたくってェ…運んでる最中に角が傷つくとかなると嫌すぎるなって思ってェ……
ちなみにご家庭でも最低限で機材揃えれば5000円くらいあればできます。作業自体はけっこう楽しい