大逆転裁判 感想 2-3

嵐を呼ぶモーレツ大英帝国

事件について

『事故であることは認める、殺人ではないことを証明してほしい』っていう一部罪状認めてるパターンってちょっと珍しい気がする。すごい面白かった

裁判序盤の論点
『ドビンボーの理論が正しいと証明すること=罪の証明』
『ドビンボーの理論が間違っていると証明すること=無罪の証明』になる構造だったの色々キツくてめっちゃ面白かった。なんでナルホドは検事&被告人の連合軍と戦ってるの?ってところがマジで面白かった

途中の『依頼通り実験装置を守るか、それとも博士自身を守るか?(どちらにしても依頼人を裏切ることになる)』っていう葛藤もすごい面白かったな…これは例えだけど命と尊厳どちらを守るか問題みたいな話でめっちゃドキドキした。あれ途中の選択肢ってどっち選んでも同じなのかな

いつもの法廷とは違う追い詰められ方をしてナルホドもプレイヤーも頭抱えてるタイミングでのスサト登場は正直うおおおおおお???!!!!ってなったよ すごかった ゲキアツだった
スサト再登場もうちょっと引っ張るかなって思ってたけど、2話回想導入から2ヶ月開いてる・相方席空いてるって考えたらスサト再登場フラグしか立ってなかったわ

・・・・今。選ぶべきは・・・・
『なにを裏切るか』ではございません。

・・・・最も大事なのは。
『なにを守るか』・・・・だと存じます!

うっとりするほど良いセリフだ・・・


序盤は上記のことが争点だったのもあってか陪審員もすげえ大人しかったっていうか、3話の陪審員至極マトモだったな。笑
普段はエーーー!?ってタイミングで有罪コール始まってコラコラコラ~~~!!ってなるイメージ強いから最早人間だと思わずに見てるんだけど、今回は『そりゃあそうなるわ』ってタイミングで有罪コール始まったのが印象的だった(ナルホドがトンデモ蝋人形説持ち出したタイミング)

ナルホドもトンデモ自覚あるから有罪コールを通過点みたいに扱ってたし、あともう裁判長も慣れてきて確認取らずに最終弁論やるんでしょ?いくよ~って感じでスムーズに進行してたのちょっと笑った


『事故であることは認める、殺人ではないことを証明してほしい』からスタートした法廷だったけど、ぶっちゃけメタ的に考えれば真犯人が出てきてそっちの殺人を証明する流れになる(ドビンボーは真っ白になる)んだろうな…とは思ってた。それ自体は合ってたんだけど、その真犯人というか、その人を真犯人とする事態のヤバさが想像以上でブルっちゃった。ヤバくないか?この展開

ナルホドとバンジークスは確かに真実を暴いたし、それは人としてもゲームとしても何ら間違いではないんだけどどう考えてもヤベエパンドラの箱開いてるもんな……ヤードと捜査班の信頼ド失墜案件だったから。

普通に考えれば罪を逃れる罪人への憎悪を覗かせたヴォルテックスが死神現象の正体なんだろうけど、シスを証人席に立たせることを禁じてたのもそういう後ろ暗い事情ゆえじゃん多分だけど。いやこれからトップに立ってやんぜ!という野望を持ってるヤツが睨み効かせてる所でヤードと捜査班の信頼失墜っていう箱開くの…ヤバ…こわ………どうなるんだこれ・・・・・・

バンジークスはどうか分からないけど、ナルホド軽く英国法廷永久追放食らわない??大丈夫?いや、ナルホドは何も悪いことはしてないんだけど

勿論作品テーマとして若者が未来を拓いていくっていうことを描いてる以上、どこかで巨大な何かを破壊しなきゃいけないっていうのはあるんだけど普通にナルホドの身を心配しちゃったよ。大丈夫なのか?


ずっと『若者と未来』を軸に描かれてるお話だけど、ドレッバーが『才ある若者だった、未来を失った人』なのも「あ~・・・・・」ってなっちゃったな。徹底してる…

そしてそんな未来を失った人がまた別の人の未来を奪おうとしてた、っていう構造もな~~…良かったな…ドレッバーとドビンボーそんなに年離れてないけど。ドビンボーは自分の理論を信じて前に進もうとしているからまだまだ“未来のある若者”なんだなあ

そういえばドレッバーのセリフで赤文字乱用してたのってどういう演出なんだろう。なんかキャラらしさの描写なのかなって思うけど。喋り方のクセの表現かな?

あとなんか10年前のドレッバーは老け顔の学生って感じだったけど、今のドレッバーは手塚治虫ワールドの住人って感じなので『めっちゃ良い年のとり方してるやん』っていう謎の感想メモってた
まあ、いい年のとり方してるのは顔だけだったってオチだけど(作品テーマ的には)

 

 

アソウギについて

仮面の人出てきて存在を匂わせてから1話は跨ぐかなって思ってたら爆速で正体明らかになったよ。記憶取り戻すのも想像の3倍位早かった。ジェットコースターか???
でも話数考えたらまあこのタイミングか。盛り上がるし

なんかガンダムの登場人物みたいだなジュウシャアソウギ。ジュウシャアソウギ・・・ジュウ シャア ソウギ・・・シャア・・・?(?)元の見た目はドモン・カッシュだけど

もし本家が続編で『実はチヒロさんは生きてたんだよ!』をやったら「は??色々ぶち壊しじゃねーか」ってなって最悪だけど、大逆転の場合最初から想定されてたっぽい流れなので驚くほどすんなり受け入れられたなアソウギ生存。(実際どんな感じで1と2が制作されたかは知らないので分からないけど)

寧ろ、アソウギが2話で退場することでチヒロさんを想起させて(完全に死んだと思い込ませて)その先入観を利用して引っくり返す…みたいな意図もありそう。完全に想像です

 

『アソウギが実は生きていた』の確定と『殺人鬼プロフェッサーの正体はアソウギ父だった』の判明を同時に行うことで『生きてた~!よかったね~!~HappyEnd~』をさせないジェットコースターサンドイッチめっちゃ気持ちいい。ワクワクする!!

完全に霧の中だった『アソウギの使命』もぼんやり見えてきてオラワクワクするぞ!この1話の引き部分で存分に『さあどうなるんでしょうねえ!!!次回へ続く!!!!!!!!!』をぶっ込んでくるの本当に大逆転裁判を浴びてるって感じする

余談だけどプレイ中リアル雷が鳴ってて、アソウギの正体が判明した丁度のタイミングでゴロゴロゴロ!!!!ドシャーーーン!!!!!!!!って雷爆音で轟いてもうそういう演出みたいになってた 嵐を呼ぶな亜双義一真

 

そういえばナルホドとスサトとアソウギ、全員1対1の繋がりは強いけどトリオ感は現状ほぼ無いのなんか面白い形だなあと思った。

あと、ホームズに『アソウギの件ウソついてたのか?』って問い詰めた時の返しが『ヒトツ、いいことを教えてあげよう。名探偵は、ウソをつく。・・・・覚えておくといい。』なのメッッッッッチャイケてて印象的だった。実質肯定の意だけど言い回しがイケすぎてる ホームズの掴みどころない感じが滲み出てて最高

 

 

ジーナとグレグソン

1でジーナが出てきた時の『レストレードって名前ここで使うの????』って疑問の回収の仕方で笑った。マジかよ めっちゃ好き

2のジーナ可愛すぎないか??なんだろうこの感じ 2のジーナマジで可愛いんですけど モーションも言動も立ち位置もすべてが可愛い 何?

1からの流れがあったからどこかで再登場はするかな~くらいに思ってたんだけど、このポジションで出てくるの反則でしょ。それでいて子供の権威(?)をメチャクチャ振りかざしてくる甘えん坊になって登場するのズリイよ~~~~~~

これあれか~~ マトモな庇護を受けてこなかった子供が擬似的な親(責任者)を持った結果甘えを覚えたやつに感じるアレか~~~~~~~~~~ ジーナはかわいいなあ!!!!!!ジーナかわいいし擬似親子が良すぎる

擬似親子良すぎ!?を踏まえて1のDLC見返したら設定資料が同じページでニコ・・・・・・・・ってなってしまった。
でもグレグソンが着々と死亡フラグ立てててオイオイオイ・・・ってなってるよ今。やめなやめな近々死ぬやつの発言するの

 

 

バロックとベンジャミン

聞いてねえんだわ なんだその交友関係 この感情1の5話でも味わったんですけど?

クログレイ&ティンピラーと言い、大逆転裁判に出てくる旧友ってこういうのしかいないんですか??見た目デコボコしてる感じのダチが好きなのでマジで趣味が合うんですけど!?勘弁してよ(?)

 

旧友ではあるけど立場は検事と被告人だし、一定の距離を取りつつ法廷では公的なオトナの対応をしていく感じなのかな?って思ってたらバンジークスが普通に『キミ』とかいう聞き慣れない三人称使いはじめるしちょいちょい私的なやり取りを見せてきてマジで何を見せられてるのかと思った 聞いてないんですけど

旧友バンジークスが検事、すなわち自分を『殺人者であると立証し、有罪にしようとする立場』になって、裁判中も基本的には冷静沈着に詰めてきてるのにショックを受けるような素振り無いドビンボーの信頼感えげつなかったしな…

裁判後のやりとりからドビンボーが内心けっこうビビってたのは判明してるけど、それ以上に『バンジークスはただ冷酷に自分を有罪にするためだけに検事席に立つような男じゃないだろう』って信頼が一貫しててさあ………良かったよな………良いダチじゃん…………

あの者は・・・・先ほど、貴公を笑った。
“才能なき者”と。

しかし・・・・あの者は知らない。

貴公が・・・・自らの信じるものと
命を削って向き合っていることを。

それを笑う資格など。
・・・・誰にもない!

バンジークス側も『ドビンボーが科学者であること』を徹頭徹尾信じていて、この台詞から察するに学生時代の彼がどれだけ真剣に熱意を持って科学と向き合ってきたかを誰よりも知っていて理解しているゆえの信頼だったみたいだけど。

それにしても二人とも10年間会ってないし連絡も取ってないっぽいレベルなのにそこまで信じられるのはあまりにも強すぎるでしょ。バンジークスなんて性格けっこう変わってるってのに

並の友人関係ならお互い「10年もあれば人は変わるし、もしかして彼は自分の知っている彼じゃなくなっているのかも…」とか考えちゃうと思うんだけど。なんだその10年の歳月なんて物ともしないレベルの激強友情パワーは ドラえもんズかよ

『この男が科学でペテンをして人を殺すわけがない』『この男は主張を成立させるために自分の理論を利用するような人間ではない』っていうの、ただフワフワした善性で相手を信じてるわけじゃなく、裏打ちされた経験に基づく理解と信頼関係なんだ・・・・・・・・・・っていうのが終始描かれててマジで何・・・・・・・・・???この二人あまりにも最強の他人なんですけど

途中まで多分友人ってワードしか出てなかったはずなのにナルホドとスサトが『親友』って言いはじめて「親友!???!?」ってなってたんだけど、なんかもう言葉じゃなく描写が親友すぎてそりゃ親友扱いするわってなってた。親友テレカ持ってそうだもん
でも本人同士は『親友』ってワード一回も使わなかった(多分)のがスッゲーーーーリアルで良かった。

 

『それぞれ別の場所で各々のやりたいこと・やるべきことをやってるし、10年間会うことも連絡取り合うこともないのにビックリするくらい理解者』みたいなのが普通にツボで軽くめまいがしたよ。マジで大逆転裁判というゲーム、サッパリしてて湿度低くてそれでいて綿密に編み込まれた芸術みたいな友情で突然殴ってくるな・・・・・・・(クログレイ・・・・・・・・)(クログレイティンピラーは理解者じゃないけど切っても切り離せない腐れ縁なので最高・・・)

 

そもそもあんなに孤高の死神ですみたいな顔してるバンジークス卿にここまで理想的な親友がいたこと、そして彼自身も友人想いというか情に溢れた面が現在進行系であったことが衝撃的だよ。昔は穏やか青年だったって情報も含めて見え方変わるわ。あと、ドビンボーが議論の中心になってる裁判序盤にビックリするほど聖杯茶番しないところにも””ガチ””を感じてしまった

関係性も好きなんだけどバロック・バンジークスという人物の多面性と厚みをめちゃくちゃ感じられる情報でスタンデインングオベーション不可避でしょうが…

 

マジで親友を信じてるが故に検事席に立って、信じ切った結果真実に辿り着いて、裁判の締めに心からの励ましの声をかけて、その上で死神の呪いを最大限警戒してドイツに送り返す手配をソッコーで整えた後でナルホドに言った皮肉ったらしい『満足か?世間知らずの科学者をヒトリ、救うことができて。』なんて好感度調整にしか見えないもん いや分からんけど

(・・・・ときどき。この検事さんのコトが、わからなくなる・・・・)
(・・・・無慈悲に被告人を追い詰める《死神》と呼ばれる検事なのに・・・・)

ナルホドと同じ目線の私にはナルホドが言うようにバンジークスの底は分からないからなあ。

 

良かったな・・・(概念ピクチャ)