“逆転”と“冒險”
1話の時の感想で『サブタイトル“逆転”じゃなくて“冒險”なんだ〜』って書いて
2話の感想で『こりゃあ“冒險”だわ~!!』と思ったんだけど、
3話はあれですね、『こりゃあ“逆転”ってタイトルにはできんわ~~!!』って感じだな~~!!
ていうか、1話・2話の不完全燃焼感(これは悪い意味ではなく)を経て3話も単純な裁判勝訴!真犯人と動機ババーン!では気持ちよく1話完結はしないだろうな~という気はしてたけど、マジで想像以上にスッキリしなくて面白くなってしまった。本当にこういう方向性でやってくんだな~大逆転裁判
そして引き続き『続きはどうなるんだ〜!?!?!?』っていう引きなあ!ほんとに1話1話では完結しないスタイルだなあ これは冒險…
1話2話と感じてはいたけど、多分意識して『本家逆転裁判ではできない展開や描き方』をやってるんだろうなあ。この先どんな感じになるかは分からないけど清々しいほどスピンオフって感じのコンセプトを感じるのですごい楽しい
本家ならどれだけ絶望的で決定的な証拠が出ていても基本的に依頼人は無実だし、弁護士は何があっても依頼人を信じ抜くんだ、というのが根底・前提にあると思うんだけど
大逆転はそうじゃないんだよなあ。
『ぼくはあの二人(証人)のことを知らない そしてメグンダルさんのことも…』みたいなセリフがあったけど、ほんとにこれが全てだ~~と感じた
そりゃあ弁護士として法廷に立つんだから依頼人のために無実を主張して信じたいわけだけど、ナルホドはまだ正式な弁護士じゃないし自分なりの弁護士観みたいなのも全然固まってないし
国が違う、事情がわからない、異国の人のこともよく知らない、あと現場調査とかもしてない当日乗り込みなのもあって知らない人しかいないっていう状態なら『何を信じればいいんだ』って感じになるのは『そりゃそうだよな~~~』って思った。
ナルホドは何を信じるんだろう ナルホドにとって『弁護士になる』ってなんなんだろうな(単純な資格取得の話ではなく概念的に)
アソウギやヴォルテックスが含みある言い方してたのもこの辺りに絡んでくる話なんだろうか
一度きりの戦い/未来ある若者
《弁護士》は、いくつもの法廷に立ち、依頼人のために戦うのだと思います。
でも・・・・
依頼人にとっての《法廷》とは、運命を決する、一度きりの戦いです。
これ、本家が1~6まで出てるシリーズだからこそ頭にぐわ~んとくるセリフで好きだな。(6と大逆転ってどっちが先だったかあやふやでごめんだけど)
大逆転裁判プレイする層って当然ほとんどは本家プレイしてる層って想定されてそうだし
本家は1から続いて途中で主人公が変わったり複数体制になったりしつつも、プレイヤーという目線では何度も何度も裁判をこなしてて、その度に色んな依頼人がいて…。私はライトプレイヤーなので一度プレイしたきりの過去タイトルなんかだとちょっと記憶があやふやになってしまってる事件なんかもけっこうあるんだけど、それぞれの依頼人にとっては己の人生をかけた一度きりの戦いなんだよな~~~~みたいなことを考えちゃった。
もちろんプレイヤーの記憶が曖昧になっててもキャラたちは覚えてるだろうし、ナルホド(本家)たちはその“一度きりの戦い”に真剣に向き合ってきたわけだけども。プレイヤーの目線だとちょっと抜けがちな視点に切り込まれた感じがする気がする。なんとなく
さらに大逆転裁判の場合、まだ正式な弁護士になっていなくて経験も無いナルホドにとっては依頼人と同じ立場、初めてで一度きり大きな事 なんだよな~
また野球の話してごめんけど、前年めちゃくちゃ成績不振で終わったピッチャーが翌年復活して開幕戦で1勝を挙げた時『開幕戦の大きな1勝を小さな1勝にしたい』みたいなコメントをしてたことを思い出した。
『最初の一勝』ってとても大きなものだけど、その後もっと沢山の勝ちを積み重ねていけばそれは1/1の勝利から1/10、1/20の勝利…みたいに小さなものになっていくわけじゃん だからそうなるようにもっと勝ちますと、そういうようなことを言っていたと思うんだけど(この言葉めっちゃ好き)
ナルホドにとってこの『初めて他者を弁護する裁判』は正しく『大きな1』なんだよな~~~
でも先に引用した通り、この先何度も法廷に立ったとしても依頼人にとっては『一度きり』なので小さな1にしてはいけなくて…
そういえば野球の解説の人も言ってたな 選手にとっては143試合毎日やってることでも、今日の試合を見に来たお客さんは1年に一回、もしかしたら一生に一回かもしれない、だから大差でも諦めたように主力をベンチに下げたりはしてほしくない みたいなこと
何の話!?なんで野球の話ししてるの!?ごめん
とにかくナルホドにとってこの裁判は初めて他者を弁護する『大きな1』で、ある意味それは依頼人の『一度きり』と同じ立場である。だからナルホドは『試験』なんてもののために裁判に臨みたくはなかった。そういう誠実さとか、まだ弁護士として歩き始めたばかりの若者というか、そういう『成歩堂龍ノ介』らしさとか性質が出ててめっちゃ好きなくだりでもあるなあ。
ただ、そんな風に誠実に考えて臨んだ裁判における被告人コゼニー・メグンダルにとってこれは『一度きり、自分の運命を他者に託す』って状況ではなかった。…ってところが本当に面白くて皮肉でままならなくて良いなって思っちゃった。
今まで何度も金やらなにやらで色々やってきたって言われてたし 絶対的に不利で命がかかった裁判前のあの落ち着きっぷりもそういうことだったんだろうな~
あとメグンダルの好きなところ言っていいか!?大逆転の1話2話から『未来に向かう話』『若者の可能性』っていうのがテーマにあるのかな~と思ってたし、登場する大人たちもそういう目線で若者を尊重したり、それを失ったことをちゃんと嘆いたりしてたと思うんだけど。
これをさ~~同じようなことをメグンダルもシレっと言ってるのが『う、うわ~~~~!!』って感じで楽しくなっちゃった 最悪なので
大衆の好感度を上げるための『若者に己の命運を託してみようと思った』『未来ある若者が疑われるのは心が痛むので逃してあげた』という『若者の可能性を信じ、尊重する大人』という詭弁
彼の場合多分実際は『弁護のイロハもよくわかってない若造の方が操作しやすい、思い通りにことが運びやすい』『証拠隠滅のために金や立場のない若者を使った』みたいなことじゃん。多分察するに
メグンダルは『若者の未来を尊重』なんて本心ではこれっぽっちも思ってなくて、ただ未熟な若者を『利用』することしか考えてない人…だと思うんだけど、そういうヤツが好感度調整のための詭弁で『未来ある若者が^^』っていうセリフを吐いてるのが、う、う、う、うわ~~!!サイテ~~~!!って感じで面白かった。胸糞っぽいのになんで私は楽しくなってるんだろう
ナルホドにとっての『一度きりの依頼人に対する誠実さ』、作品やこれまで登場した大人たちにとっての『可能性ある、未来を担っていく大切な若者たち』あたりを同時に踏みにじって、コケにしていく存在なんだな~~ メグンダル サイテ~~!(キャッキャ)
4話どうなるんだろうな 一体誰があのオムニバスの中で死んだんだろうな(メグンダルやろなあ…)(他に死んだ可能性ある登場人物の中に死んでビックリする人いないし…)(証人2人とか陪審員ズとかが死んでも「え?」ってなるだけだし…)
キャラとか
バンジークス
正統派カッコイイ検事だ~~~~ でも逆転らしいコミカルさもあって面白くて好き
『◯◯すること~失礼する』の定型句好きすぎて壊れたグラスの数数えてしまった
髪型やパーツがちょっとミツルギを思わせる造形なのは狙ってるのかな?
死神検事絶対勝つマンって触れ込みで出てきたけど、あくまで偽りに逃げないナルホドに対する反応とか見てると『敵』って感じはしないんよな。この先どんな感じで出てくるか分からないけど
というかこの裁判の肝は『不正をしてるっぽい被告人』だから検事側はあくまで正しく強い人じゃないと話こじれてぐっちゃぐちゃになるもんな
『メグンダルは悪どい高利貸』って情報を出してきた時は「それは陪審員の情に訴えてない!?大丈夫!?」って思ったけど、直後にそれがちゃんと動機の可能性提示に繋がった(被害者はメグンダルに金を貸していた)ので「ごめん…」ってなった
感情で翻る陪審員への反応見るとそういうの嫌そうだもんな。バンジークス
証拠の捏造について、最初に調べた警察側の公式記録が証拠として残ってないの!?っていうのは気になったけど
陪審員
まとまりがないし、すぐ感情的になってそれに流される一般市民、デフォルメ誇張タイプって感じで愚かで短絡的な感じに描かれてた印象。
でもこの人達はキャラクターとしての名前もないし『個人』というよりは『大衆』をデフォルメした存在たちなんだろうな。
個々人で見れば色んな考えを持った色んな人がいるけど、全体の流れから見る『大衆』って多分こんな感じだろうな~を感じた いつの時代もこんな感じだよな〜的な
そしてこれをバカだな~という風に見れるのは俯瞰視点のプレイヤーだからなんだと思う。歴史書に残ってる大衆の様子を知る現代人みたいなアレなんだろうなあ。
それはそうとして陪審員の白黒火飛ばし演出とか、最終弁論で真っ直ぐ向き合う演出とかは見応えあって楽しかった。
あと一回しょーもないことで詰まってヤケクソになってゲームオーバー見たんだけど陪審員のテンポの良さ好き
ジーナ・レストレード
出てきた時「レストレード!?!?!?」ってなったんだけどこれ、これなんだ…?
ワトソンにしてもレストレードにしても、「そこ!?」ってところにシャーロックホームズの登場人物名使ってるのってどういう意図なんだろう…?
スリの少女が実は警部でした~なんてキャラには見えないし
思わせぶりな名前使っといて何もありません~名前で遊んだだけで~す って可能性も全然ありそうななさそうな、わからん
今の所困惑してて何もわからない モリアーティがペットの犬とかで出てきたらどうしよう
ここすき
この国では、なにもかもが
石と煉瓦でできているように見えます。
それが、この空気の“重み”なのかもしれませんね……
このやりとりの後、場面変わってからの
この、重い空気・・・・
それは、我が国の《大審院》と変わりませんね。
これから裁かれる者が
押しつぶされそうな緊張感・・・・
この流れ好き。言い回しと描写が良すぎる。法廷の重さに国は関係ないんだな