
クリアしました。面白かった!

『逆転裁判』シリーズでおなじみの巧舟氏が手掛けた謎解きミステリーADV。けっこう前から気になっていていつかのセールで購入済みでした。そろそろやるか…ということで。
途中まではネタバレなしの感想、後半はネタバレ感想になります。ネタバレなしだけどゲームの概要に触れているので、何も知らない状態でプレイしたい方は見ない方がいいかも。
ゲーム概要&感想(ネタバレなし)

物語の概要としては、開幕で死亡していた主人公が霊体になり、その状態で事件を解決していく…というものです。

“幽霊”がモノに“トリツク(取り憑く)”、ゴーストトリック………なるほどね。
こういうシャレが好きすぎるので一周回って嫉妬してしまった。
幽霊として事件を解決する、というのはどういうことかと言うと
という流れです。この一連の流れがちょっとした謎解きパズルゲームのような形になっており、何をどの順番で動かせばいいか?を試行錯誤しながら進めていく感じですね。
全体的に難易度は易しめで、失敗しても特にペナルティなどはないため、何度か繰り返して試行錯誤しているうちに活路が見いだせるようにできているかなと思います。私は謎解きもパズルも苦手なので、いくつかの章は「無理では????」ってなったんですが、繰り返しやっているうちに解法に辿り着くことはできました。なんとか攻略見ずに通せた。キャラクターたちによるヒント出しも豊富で助かります。
巧舟氏の作品は『逆転裁判』シリーズしか触れたことがなかったので、かなりテイストが違って見えるコレはどんな感じなんだろう?と思ってたんですが


なんかこう……テキストの味が逆転裁判すぎる……!!

絵のテイストこそ違うけどやけにオーバーなキャラの立ち絵も……ッ!!

やけにコミカルで軽妙でヘンなキャラクターモーションも…………ッ!!!
めちゃくちゃ食べたことのある味で面白い。絵柄もストーリーもシステムも全然違うのに逆転裁判すぎるの、あまりにも作家性すぎる。
…とは言いましたが、別に逆転裁判をプレイしてないと分からないネタが仕込まれているとかそういうワケでは全くないので、逆転裁判未プレイでも全く問題ないです。
全体のストーリーやスケール感について

物語は夜の7時2分から開始し、『夜明けまでに全体的な解決まで行き着かないといけない』という情報が提示されます。

作中の経過は『夜7時~夜明けまで』という非常に短い時間になるわけですね。
数カ月や年単位で作中時間が進行する物語(それこそ逆転裁判とか)に比べるとかなりミニマルなスケールになっています。リアルのプレイ時間としても10時間ちょっと。……ですが、非常に密度が高く、この短い時間の中で多様な登場人物と関わり、愛着を持てて、ストーリー的なギミックも天晴で……かなり満足感のある手応えでした。この、ミニマルさに対して満足度が非常に高い感じはパラノマサイトを思い出しました。
サクっとクリアできる名作ADVがやりたい!という人にはパラノマサイトと並んでオススメできる作品だと感じました。面白いです。
気になるところ
基本的にUI含め完成度の高いゲームでしたが、一応プレイしててやや不便だった部分も
・バックログなし
→これはちょっとほしかったかもしれない。重要な話をしている時ちょっと前のテキストを再確認したいケースがあった
・倍速機能なし
→謎解きが下手で何度も何度もやり直すことになったので、さっさと進めたいところの倍速機能はほしかったかもしれない。
・“ハナス”をスルーしたい
→“トリツク”中に“ハナス”対象がいるとめちゃくちゃそこに吸引される、移動するために切り替えて移動させて“ハナス”対象から外して…ってするのが若干煩わしかった。
以下はネタバレ感想です。
ネタバレ感想
プレイ中のつぶやきリンク



以下クリア後感想
・人間メインのコンテンツだけど、人気投票したら犬と猫がワンツーフィニッシュしそうな内容なのめちゃくちゃ面白い。実際のキャラ人気は把握してないですが。でもこれ犬猫でワンツーじゃない?
・実質わんだふるプリキュアだ(え?)
・ヨミエルが正体現した時は『主人公だと思ってた人が主人公じゃなくて、敵だったやつ~~~!!』ってなったけど、最後までプレイすると『シセルとヨミエル合わせて二人で一つの主人公だな』という印象になっていた。
・というかまあ、シセル・ヨミエル・ミサイルのトリプル主人公と言っても過言ではないというか、最後に3つの魂の力を合わせて突破するの、マジで王道すぎてあまりにも最高。

・プレイ中の感想でも書いたけど、物語を進めていくにつれてどんどん仲間が増えていくのが最後までアツかった。若者からイヌからおっちゃん変な刑事、爺ちゃんまで、それが最後にヨミエルまで含めちゃうのがね。
・ヘンテコ人物群わちゃわちゃ道中
・マジで仲間が増えて霊体会話でわちゃわちゃしてる状態が楽しすぎて、「この状態でしばらく遊ばせてくれ~~~」ってなってしまった。笑 『クリアしたくない症候群』みたいなのはあまり無い方だけど、最終章の画面が出た時「終わっちゃうの~~~!?」ってなったし。
・やっぱり仲間って最初にドン!!と大量供給されるより進むにつれて増えていくのが一番楽しいし身が入るぜ……


・歴史改変ゲーではあるけど、死んだ人もみんな生き返ってよかったね!Happy End✨️という姿勢ではもちろんなく、『キオクは残る』という部分のフォローがすごく好きだった。
・シセルは生き返った。ヨミエルも永遠の牢獄から解法された。でも、ヨミエルが自らのチカラで愛する相棒を殺してしまったというキオクは永遠に残り続ける。…というのが、絶妙で…いいよなあ。
・『認識して記憶してしまうことの不可逆性』みたいなのは自分でも意識することが多いので、ここをしっかり捉えているところがマジでよかった。
・ヨミエル、リンネを助けたところは「え!?急な改心」ってなったけど、話を進めていくと『そもそも別に悪人っていうワケじゃなかった』方面で納得できた。
・リンネを人質にとった件もそうだし、無限の牢獄的な存在になってしまったこと、猫シセルを喪ったあとの行動もそうだけど、人間の弱い部分というか、『その状況ならまあそうもなるか……』があって、根は別に全然悪いやつじゃないよねっていう。
・月並みな言い方だけど『悪い人のいない話』ですよね。いや帝国の人々は相当悪そうというか、悪い部分を全部引き受けてたけど。ロケット団的というか。でも別に彼らを罰する話にならなかったのは絶妙な塩梅だなと思う。黒幕とか絶対悪とかではなく、たまたまそこの付随する自然発生的必要悪だった感……?このゲームのテーマ性・目指すべき場所は勧善懲悪ではないというか。


・シセル、妖怪化しとる。それにしてはデカい子ネコだ。
・でも考えてみれば『ネコ』って割と『死』と関わりの深い生き物というか、『猫には九つの魂がある』ということわざ?迷信?言い伝えがあったりするんだよな。ゴーストトリックって『死』に関連するモチーフを色々盛り込んでいるので、そう考えると『死』の物語の主人公の正体が『ネコ』っていうのはすごく納得感がある。美しい。
・シセル、自分を人間だと思ってた時は人間っぽいロールプレイを自然にしていたように見えるけど、ネコとしての自己を認識してそれが定着するにつれてムーブもネコっぽくなっていくのが面白い。器が人格に与える影響。
・犬猫キャラの感じと世界観の塩梅も絶妙で、ゴーストトリックは逆転裁判よりはやや非現実寄りの世界(でも魔法が常態化してるファンタジーとかいうわけではないくらい)なので、それならまあイヌやネコが人間みたいに考えて動いてても別にいいかなって気持ちになる。リアリティラインって大事だ…

・ミサイル周り、ちょっと混乱したのだけど、ミサイルの持っていた能力は基本的には『トリカエ』と『ちょっと遠くまで移動できる』で、シセルのやっていた電話線移動や死の直前にモドルはできない。→死の直前にモドルことはできないけど、ざっくりと過去にジャンプすることは可能だった…ってことでいいのかな?
・↑で合ってるとすれば、シセルよりも過去移動がアバウトで一方通行でしかも距離がやけに長いの、ミサイルらしいな…。


・普通に泣ける。フィクション一途イーヌは普通に泣けてしまう。
・このIFミサイルは老成してこんな感じになったけど、運命が変わった後のミサイルは何も知らず能天気にワンワンしているというのがかなり味わいすぎる。あのミサイルもこっちのミサイルの可能性を秘めている、というのが爆裂にイイですね……深い味わいがある……
・どうでもいいけど、クネリの正体明かしパートに入った時「まさか……ネズミくん!?」ってなった。そんなわけないやろ。

・正直ずっと見ていたいのでずっと舞っててほしい
・デスクトップマスコットになってほしい。デスクトップでずっと踊っててほしい。

・LINEスタンプでも踊ってるの、需要を理解しすぎている。
いやー満足感あったな。スケールはそこまで大きくないながら、密度高く満足させられるゲームってすごい。もちろんボリュームあって長い旅路をともにゆくようなものも好きだけど。前述したけどパラノマサイトに似た味わいだった。あれは墨田区の中だけで完結してすごい密度だし、ゴーストトリックは10時間程度の時間経過の中で完結してすごい密度だ。シナリオ・キャラ・ゲーム性・エンディングのピークの作り方と全てが完成度高くまとまっていたと思う。面白かったです。



