横浜DeNAベイスターズ26年ぶりの日本一おめでとう!!!!!!!!!!
横浜DeNAベイスターズ
「SMBC日本シリーズ2024」優勝!
26年ぶりの日本一達成!!!!!!#SMBC日本シリーズ #ベイスターズ #baystars pic.twitter.com/mKa1IceYR8— 横浜DeNAベイスターズ (@ydb_yokohama) November 3, 2024
日本のプロ野球はセ・リーグとパ・リーグに分かれて4月から10月まで143試合のリーグ戦をおこない、勝率1位がリーグ優勝となる。
その後、上位3チームでポストシーズンを争い、2位VS3位→その勝者VS1位と試合をしていき、最後に勝ち残ったチームが日本シリーズ進出。日本シリーズではセ・リーグの代表とパ・リーグの代表で4本先取の試合をする。
このシステムだと85%くらいの確率でシーズン1位が日本シリーズに進出しているんですが、今回のベイスターズはシーズン3位から勝ち上がっての日本シリーズ進出、日本シリーズ制覇でした。これは2005年千葉ロッテマリーンズ以来史上2度目の最大の下剋上。
横浜DeNAベイスターズは2017年にも3位からの日本シリーズ進出を果たしていて、その時は敗れて日本一は叶いませんでした。でもものすごくアツい試合をしていて、私がやきうにのめりこんだきっかけでもあります。それ以来ということでウオオ……!!という感じがある。
2017年に悔しい思いをした選手が、それ以降に入団して苦しんだ選手が、他球団の戦力外から横浜で再起した選手が、アメリカから横浜に帰ってきた選手が、26年前の優勝を知り生涯横浜を貫いた監督が、各々の役割を果たして日本一に貢献。控えめに言ってゲキアツである。
私はというと2018年フルでシーズンを見て、良いことも悪いこともありつつメンタルが振り回されすぎてしまうことが若干しんどくなってじわっとパ・リーグメイン視聴にシフトした“逃げ”の観戦者なのであんまりえらそうなことは言えないんだけど、それでもやっぱり2017年で野球に入った人間としてはメッチャ嬉しい。
↑これ当時の手記(?)
というわけで、パ・リーグ観戦メインにシフトした人間としては今の福岡ソフトバンクホークスの歩んでいる『物語のように見えてしまうもの』の話がけっこうしたい。全然網羅的な話じゃない、一部をピックしたような語りなのでそのように読んでください。どちらかというと野球あんま知らないオタクたち~~!!現実という物語の話聞いて聞いて~~~!!という気持ちで書いてます。あんまりガチ野球ファン向けには書いてないので優しくして!ツッコまないでね!(保険)
近年の闇落ちホークス
ホークスの2024シーズンが終わりました。
ともに戦ってくださった皆さま、最後の最後まで熱いご声援をありがとうございました。全員で目指した頂には届きませんでしたが、ファンの皆さまには大きく背中を押していただきました。
本当にありがとうございました。#sbhawks pic.twitter.com/h78PJGVkOp
— 福岡ソフトバンクホークス(公式) (@HAWKS_official) November 3, 2024
今年、2024年のソフトバンクホークスはそれはもう強かったです。143試合91勝49敗。圧倒的勝ち越し、個々人の成績もズバ抜けていて、どう足掻いても優勝というような感じ。ただ、野球ファンとしてはあんまり面白くない結果だったんですよね。何故かと言うと、この結果を支えた中心選手たちが『金にモノを言わせて、時にはルールの穴を突くようなやり方で獲得した選手』だったからです。
外国人選手の契約や、選手がそれまでの活躍で自ら勝ち取った移籍の権利については、そこにどれだけ大きな金の力が働いていようが納得はできる。正当な権利でありルールですからね。だけど、メジャー挑戦の夢を追って所属球団と交渉し送り出してもらった選手が1年で帰ってきてしれっとホークス入団とか、性的暴行不起訴で元チームに迷惑をかけた選手に大金払って迎え入れるとか、まあそういうことをしていると印象は良くないわけです。やっぱ人情があるので、ウワ~という気持ち。
ここまでなりふり構わない補強に乗り出した原因は昨年までのバファローズ連覇にあったと思われます。特に2022年。この年はソフトバンクが優勝濃厚という状況で、シーズン最終戦の『ホークスVSマリーンズ』『バファローズVSイーグルス』で『ホークスが負け、バファローズが勝ち』だけがホークスの優勝逃しルートでした。ホークスは勝てば優勝、引き分けでも優勝、負けてもバファローズが負けや引き分けで優勝。
そんな状況で、中盤まではホークスリード。バファローズは劣勢。そのまま試合が進めばホークス優勝…のはずでした。
しかし、ホークスは中盤に痛恨の逆転弾を叩き込まれ、
東北で試合していたバファローズも大逆転。『ホークス負け・バファローズ勝ち』というたった一つのルートをこじ開け、バファローズが優勝を決めました。
そんなこんなで王者・ソフトバンクホークスが3年連続でオリックスに優勝を持っていかれた、というのが2021年~2023年のパ・リーグでした。
補強になりふり構わなくなったのはやっぱりこういう屈辱があったからなのかなーとは想像できてしまいます。なんというか、そこはかとない闇落ち感がある。正直ヒール球団扱いされても仕方ないくらいの状態ではあったと思います。一部ファンの言動もヤバかったらしいし。(まあ野球なんてどの球団ファンも一部のやべーやつは付き物だけど)
➡️データ好きの野球ファンがまとめた今シーズンホークスの成績
それでも実力って正直なもんで、闇落ち大補強をしたホークスは今年圧倒的な力を見せつけてシーズン優勝。フィクションなら最後にしっぺ返しがあるものだけど、まあ現実だしな。こんなもんだよな~。
ベイスターズも3位からの勝ち上がりすごいけど、申し訳ないけどシーズン3位もギリギリだったし、ポストシーズン調子良いと言ってもメチャクチャ怪我人出しまくってて満身創痍だし、この福岡ソフトバンク暴力とも言えるようなチームと戦うのは……全然ストレート負けもありえる………………………
いや勝つんか~~~~~い!!!!
このオチは知らなかったすぎる。フィクションのようなしっぺ返しがここでくるとは思わなかった。
2024年の日本シリーズという『物語のように見える何か』
日本シリーズのベイスターズVSホークスの戦いは、なんだか寓話のようでした。
日本シリーズは先に4勝した方の優勝。開催球場は双方の本拠地で、今年は横浜で2戦→福岡で3戦→横浜で2戦…という感じ。(決着がつかなかった場合はまた色々ルールがある)
どっちの開催地を先にするかは毎年セ・パで入れ替わります。
横浜で開催された1戦目・2戦目はホークスの勝利。下馬評通りという感じで、まあ、まあ……という雰囲気でした。もちろんアツいファンや球団は諦めていなかったと思いますが、フラットに見るとマア……まあねえ……ってなってしまうのは仕方ない。
開催地を福岡に移しての3戦目。横浜の先発投手はエース・東。何故エースが3戦目に?というと、直近の試合で怪我をしていたからです。それでもなんとか調整して、福岡の地で間に合わせたという感じでした。このエースは2017年日シリに進出した翌年入団の選手。新人賞も取ったすごく良い投手なんだけど怪我にも悩まされ、ルーキーの時の投球スタイルを捨てるほどの試行錯誤をして、近年エースとして完全復活した人です。まあちょっと、日本シリーズのマウンドに立つということを特別に感じてしまいます。
そんなエースが登板する第3戦を前にして、SNSにこんなポストが投稿されました。
【#村上打撃コーチ】
ー #DeNA の先発 #東克樹 投手について。
「パ・リーグにもそんなにいないかもしれないけど、宮城の方が断然いい。小島、加藤貴とかのチェンジアップの見極めの対応になっていく。我慢するところは我慢させながらになる」#sbhawks #宮城大弥 #小島和哉 #加藤貴之— スポニチ鷹番(ソフトバンク担当) (@SponichiHawks) October 29, 2024
ソフトバンクを取材した記者によるポスト。「ベイスターズのエース・東は、(普段パ・リーグで対戦している)バファローズのエース・宮城より下」という旨の内容です。オタク、オタクは知ってるよね、何かを褒める時に何かを下げる発言はカスだって。
バファローズの宮城投手はもちろん超絶いい選手で、日本代表にもなっていて、私も大好きです。引き合いに出されるのはまあ迷惑もいいところだし、ちょっとこう、よくない発言と言わざるを得ないですよね。
戦前のネット上でそんないざこざが巻き起こったわけですが、試合結果は…
初回に内野ゴロ間に先制すると、直後に追いつかれるも5回に #桑原将志 選手のソロアーチなどで2点を勝ち越し!
先発 #東克樹 選手も2回以降は粘り強い投球を展開して強力打線を封じ、7回1失点!終盤はエースからバトンを受けた #伊勢大夢 選手、#森原康平… pic.twitter.com/7d9rY90XEI— 横浜DeNAベイスターズ (@ydb_yokohama) October 29, 2024
東が7回1失点でホークスを抑え込み、勝利!!
やったぜ!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!(どうしようもない東贔屓)
炎上覚悟で言います。
指笛の件なんですが、禁止されていないのでやってもらって構わないんですが、ただ投球モーションに入ったタイミングで指笛をやるのはやめてください。という話ですあ、ちなみに別件ですが宮城大弥投手はめちゃくちゃ参考にさせていただいてます!
スーパーピッチャーですから!— 東 克樹 (@DeNA11AZUMA) October 29, 2024
さらに東本人からSNSへのフォロー発信。し、しっかりしとる…
この試合には上記のホークスサイドの発言だけじゃなく、他にもトラブルがありました。試合中に投手に近い席から指笛を鳴らしている客がいる、ということで中断や注意喚起が挟まったりしてた。指笛自体は禁止ではないのだけど、東が投げるタイミングを見計らったようにピューピューしてた人に注意が入った感じですね。
それ自体は客が勝手にやっていたことなので、それでおしまい……のはずだったんですが、ここでもネット記事でこんな発言が。指笛中断の際、ベンチで監督が「みんなで爆笑していた」というのです。
「よくわかんないですね。“口笛”って笑ってしまいました。みんな大爆笑していました」
これは、東や指笛指摘への大爆笑ではなく、指笛を口笛と言い間違えたアナウンスに対する笑いだった、と記事ではフォローされていました。それにしても大爆笑するようなシュチュエーションではない。
私は記事や取材で発信される発言が絶対そのまま言われたものであるとは思っていません。やっぱり記者による誇張や切り取り・解釈の歪みも起こりますしね。言ってない発言が伝播して、言ったことにされている、というのはインターネットあるある。
実際、ベイスターズの桑原選手が「悔しくないんか!」と言ってチームを鼓舞した、ということが記事で書かれ称賛されていましたが、のちに当人が「言ってない」と発言しました。言ってないんかい!
…という真偽はともかく、コーチ監督にせよ記者にせよ、どこかしらにそういう気持ちがあったからこういう発信になってしまった、ということはあるのかなとは思います。全部を真に受けるわけじゃないけどね!
そんな場外ゴタゴタがありつつ第3戦を取ったベイスターズ。その後どうなったかというと…
序盤から先発 #ケイ 選手が強力打線を相手に三振の山を築いていくと、4回に #オースティン 選手の先制アーチが飛び出しリードを奪う!
中盤以降も #ケイ… pic.twitter.com/W8hpDWIOif— 横浜DeNAベイスターズ (@ydb_yokohama) October 30, 2024
第4戦、5-0でベイスターズの勝利
3回に #筒香嘉智 選手のタイムリーで先制すると、4回には #牧秀悟 選手の3ランアーチが飛び出し、最終回にも3点を追加してリードを広げていく!
先発 #ジャクソン 選手は初回から3つの三振を奪う立ち上がりを見せると、その後も要所を封じて相手打線に得点を許さず7回無失点!8回は #伊勢大夢… pic.twitter.com/HBY7iFUw1Q— 横浜DeNAベイスターズ (@ydb_yokohama) October 31, 2024
第5戦、7-0でベイスターズの勝利
2回に #筒香嘉智 選手の豪快なアーチ、#桑原将志 選手の2点タイムリーなどで3点を先取し、3回にも1点を加点すると、5回には打者一巡の猛攻で一挙7点を追加して大きくリードを奪う!
4回2失点の先発 #大貫晋一… pic.twitter.com/3JrHDt9CCi— 横浜DeNAベイスターズ (@ydb_yokohama) November 3, 2024
第6戦、11-2でベイスターズの勝利
一気に4連勝でベイスターズが日本一に
強いホークスがシーズン中一度もやっていない2試合連続完封負け、30イニング無失点、本拠地3連敗をやり、最終戦ではボッコボコに打ち込まれての屈辱の終わりでした。第3戦で躓いてから、全部の歯車が狂っての敗北。見方によっては、首脳陣(もしくはそれを誇張した記者)によるナメた発言からの大崩壊です。マンガかよ。
何か見えない力(野球の神とか言われるような)が働いたんじゃないかと思ってしまうような、そんな顛末。こんなことあるんだ。現実って………
まあ、もちろん負けた要因は他にも色々あると思います。存在がチートみたいな選手を持ってるのに何故か良いところで回ってこない打順に固定してたとか、横浜サイドの采配がめちゃくちゃ良かったとか色々。でもやっぱり人間の脳は発言とその後の流れに『物語のような何か』を見出してしまうわけで、それがこんなにも収束することってあるんだ……すぎる。
舌禍、口は災いの元……ってこういうことなんだ。寓話じゃん。やっぱり人をナメたり、それを公的な場で発信してしまうってロクなことにならない。人生の学びかもしれない。気をつけようと思いました。みなさんも気をつけましょう。現実って意外と物語じみているので。
最後に勝ち残るチームと『役者のように見える何か』
にわか野球観戦者の感覚としてでしかないですが、なんとなく『最後に勝ち残るチーム』には『それにふさわしい役者が揃っている』と思うことが多いです。
そりゃあ勝つチームには役者が揃ってるのは当たり前だろ!って話なんですけど。なんというか、勝つべくして勝った面々、勝ち上がるストーリーを作れるキャラクターがしっかり揃っているというか。
日本一になった時のスワローズには村上という絶対的4番に、優秀な外国人選手が脇を固め、それまでチームに貢献してきた捕手が屋台骨になり、ベテランの代打で決める……というようなキャラクターが揃っていたし、
日本一になった時のバファローズには日本で一番強い投手と野手がガッチリ柱になり、新進気鋭の若手がその脇を固め、監督とともに二軍から這い上がってきた選手がいて、シーズン途中で配置転換した選手たちが真価を発揮し、パワーのない小粒な選手もその役割を果たし、悔しさを知るベテランが支える……というキャラクターがチームの“かたち”を形成していた。
他にも、やっぱり最後に勝ち残るチームって『キャラクター』が揃っている感じがあるなーと思います。トップクラスの選手以外も、それぞれが役割を持って形を作っていく感じというのだろうか?成績の良し悪しはあれど、キャラが弱い部分のあるチームってなんか結局勝ちきれない印象があるんですよね。
オタクなのでキャラクターキャラクター言ってるけど、こういう役者が揃う、チームの形が出来上がるというのは選手のモチベーションにも関わると思うし、団結感にも繋がっていると理屈付けることはできるのかもしれない。このチームで勝つぞという気持ちに繋がるというか。メンタルスポーツでもあるから。
2017年に横浜と日本シリーズを戦ったホークスはそういうキャラクターが揃っていたと思う。自前で獲得育成した中心選手がいて、暗黒時代の横浜から移籍してホークスに尽くしてきたベテランがいて、最後には選手生命を賭けた3イニングを投げきる守護神がいて、『勝つチームのキャラクター』になってた気がする。
2024年のホークスは本当に強かったんだけど、キャラクター性としてはやっぱりチグハグした感じがあったのかもしれない。なりふり構わず獲得した他球団の選手と、ずっとチームを支えてきた生え抜き選手、シーズン終盤から出始めた若手投手たち……という並びを見ていると、どうしてもそう感じてしまうですね。というか、そういうチームだからこそまあシーズンの優勝見ておもんね~と思ってしまったわけだけど。
2024年シーズン途中のベイスターズはまだ勝ちきれる役者が揃っているようには見えなかったんだけど、最終盤で急速に揃った印象を受けました。勝ったからそう見えるんだって!?そうかもしれないけど。
やっぱり印象的なのは筒香の活躍だろうか。筒香嘉智。横浜の生え抜きホームラン王で元キャプテン、2020年にメジャーに挑戦するも結果が出ず、それでも夢を追ってアメリカにしがみつき、ギリギリまでやってから今年ベイスターズに帰ってきた、ファンにとってはもうこれ以上無いほど特別な思い入れのある泥臭いスター選手です。子供に夢を見せるための活動にも力を入れていて、少年野球のために地元に球場作ったりもした。まあ現状外から見えている情報だとこれ以上無い人格者という印象のある人ですね。
そんな筒香が日本シリーズ最終戦で先制ホームランを打ったんですよ。そしてその相手投手はホークスの有原。有原は元ファイターズの選手で、球団と交渉の結果メジャーリーグに挑戦。結果が出ず1年で即帰国し、古巣への義理復帰とかはなく金払いの良いホークスに行っちゃった。という経緯があります。(この選択自体は選手自身の人生なのでまあアレなんですけど、外から見ての心象はあんまりよくはないですよね。)
夢を追ったメジャーでギリギリまで踏ん張り古巣に復帰した打者が、メジャーからすぐ帰ってきて元球団に不義理をした投手から先制ホームラン。マンガじゃねーか!
ついでに言うと、性的暴行不起訴で元球団に迷惑をかけ、大金もらってホークスに移籍した元ホームラン王さんが大不振なのも対比的ですね。マンガなのか?
人はスポーツの流れに勝手に物語を見出してしまう生き物ですけど、これはちょっと出来過ぎですね。現実、すげえな……。
気持ちだけで勝てるわけじゃないけど、気持ちや一体感、ストーリー性、そういうチームのカタチや色というのも『最後まで勝ち切る』チームを作るのには重要なのかもしれないなあ。と思ったのでした。実際の選手たちがどう感じてるのかはわからない、外野の感想ですけどね。
あ~~オリックス三連覇シーズンが楽しすぎて(なぜなら近年低迷していたチームの躍進は楽しいから)2024年シーズンはまあ…こんなもんかもな…と思っていたんだけど最後の最後でこんなことになるとは。野球、おもしれ~