映画『ポケットモンスターココ』感想

ポケットモンスターココ、ガチで前知識ゼロで観た
マジでこの映画のテーマ性すら知らなかったけどなんか逆に良かったのかもしれないな~~。話が進行するにつれてじわ~~っと解像度上がっていく感じがすごく快感だった

バラバラっとだけど以下感想です

ロケット団・ザルードの群れの描き方

お話の構成もマジで巧みで、全部すごいんだけど特にロケット団の使い方とザルードの群れの描き方が良すぎたな~~~~!!!

このお話のロケット団(あと鳥)のピタゴラスイッチの一部みたいな扱いめっちゃ好き。ある種舞台装置的とも言えるんだけど、こういうのが全部彼らの行動として納得いくものに仕上がってるの見るとスッゲエ気持ちよくなっちゃう~~
ああいう、『回想じゃない形で悪役の裏事情や考えを見せる』演出大好きすぎるな~(ロケット弾が鍵で侵入して流した映像のやつ)それが罪の決定的証拠にも繋がってるし。でもあくまでロケット団はあいつらのやりたいようにやってるだけで良いことしようとしてる感は1ミリも無いのも良すぎる……

そんでザルードの群れの描き方が好きって話なんだけど
ココという話『人間がポケモンの住む自然を侵略してくる話』の面があるけど、ただ『自然・ポケモン側が被害者、人間が加害者』っていう構成にするんじゃなくて『ポケモン側のコミュニティの問題点』みたいなものも提示されてたのがすごく好き。悪いやつを追い払って終わりじゃなくて、悪いやつを追い払うことによってポケモン側に元々あった問題が解決したっていうのがすごくすごく好きだなあ。長老も『あの人間と我々は何が違うのだろう』って言ってたし

人間にもポケモンにもそれぞれコミュニティがあって、いろんなタイプのヤツがいて、問題があって、それを等しく描いていた印象でその対等感がすげ~~好き。ココが人間とポケモンを繋ぐっていう結論にもすごく綺麗に繋がってるし。双方のコミュニティにすっげえ厚みがある 良い~~

非言語コミュニケーション

ていうか序盤のココと親父の会話聞いてる時「これ多分お互いポケモンの言葉で喋ってるんだよな?(人間から見ると何言ってるか分かんないんだろうな?)」って思ってたんだけど、サトシが登場した後でしっかりそういう風に描かれてて良い描き方~~!!!ってなった~~~!!
ココとサトシが終始非言語コミュニケーションだったのマ~~ジで良かったな~~~!!!(単語程度のやりとりはあるけど、その加減も良い)ピカチュウを介した限定的なコミュニケーション具合も良かった

ココ、非言語コミュニケーションの描き方が巧すぎるなあ~~

さり気ないバックグラウンド提示がうめえ

ザルードがココ拾った上に属してるコミュニティをサクっと抜けたのは最初びっくりしたけど(群れで生活してる生き物がそんなに簡単に離れられるものなのか!?って思った)ちょっとずつじわじわ彼のバックグラウンドや性質を絡めて納得感が深まっていったのも良かった!

ゼット博士が泉に執着してた理由についても、そんなにしっかり描いてないけど分かる、くらいのコンパクトさで描写してたのが巧かったなあ~~!!!シンプルに地位と名声!

そういえばメカ的なものに乗ってきた人間が森を侵略するのはセレビィ映画思い出したな。セルフオマージュ的な意図はあるのかな?

森のポケモンたち

森のポケモンたちみんなで立ち向かうところで無限に泣いてた
『フライゴンは喧嘩っ早い、テッカニンは誰より素早い、モンメンはくっついたら離れない』みたいなやつ、伏線になることは容易に想像できたけど予想できても回避できねえんだよ!!!!ってボコボコに泣いてたし今も思い出して泣いてる 私の涙腺のツボ 何

ポケモンたちが集まってきた時フライゴンが誰よりも早く飛び出して一発入れに行ってるのとかけっこう一瞬だけどオオオオオ!!!!ってなるやん…作りが巧すぎる……

癒しの力

ココが癒しの力発動するところ、あれかな~、人間もポケモンも変わらない部分はあって、想いの強さで変容する性質もあるんだよみたいな。そういう感じかな~(と私は感じた)
起きたことは奇跡だけど、『それを本気で信じてやろうとしないと奇跡は絶対に起きなかった』みたいな奇跡描写好き。最初から無理だって諦めてたら絶対に何も起きないもんね

エンディングについて

全体的に伏線張りと回収が鮮やかすぎるんだけど、最後の花火もウオワア~~~!!!ってなったしマジで伏線と回収の使い方が巧すぎる~~~~!!!何だ~~~~!!?!?

あとこの件を経て別れと旅立ちを選ぶココが良すぎるし、それを察してああいう形で送り出すザルードも最高すぎたな~~……いやーーーーー…………

 

ココが主人公でかなり独立したお話の映画だと感じたけど、それはそうとしてサトシやピカチュウでないと成立しなかったところ、ロケット団じゃないと成立しなかったところが沢山あってマジでキャラクター性の使い方とお話の作り方がクッッッッソうまかったなあ~~~!!!!良い映画見たわ……