雑記/物語への参加

例によっててがろぐに書くには長かったのでこっちに


登録して読んでるメルマガ(登録導線URL貼れば本文引用OKになってる)で昨日配信された内容の話

ざっくり概要を説明すると『SNSに架空のキャラクター(アイコンはリアルな人間なのでドラマ的な感じの)を登場させ、人々との交流を通してストーリーを展開させるという事業をやってる海外の会社』の話題なんだけど、

昨年公開されたFourFront社の最初のストーリーでは、俳優のケイティ・ベイカー演じるペイジが、すべての友人が自分をブロックしていることに気付いたけれどもその理由がわからない、というところから物語が始まります。

彼女は何が起こったのかを知るために、TikTokで人々に協力を求めました。ペイジの3日間に及ぶ試練は他のソーシャルプラットフォームにも及び、AIを搭載したチャット機能では、質問の内容に応じてペイジから異なる返答がオーディエンスに送られました。

Benjamin氏は、同社のストーリーやキャラクターがフィクションであることを、ハッシュタグなどを使ってオーディエンスに明示していると言います。

ペイジの場合、その前提を理解していても92%の人が彼女と交流し、アドバイスをしたり、同じような落ち込み方をした自分の話を共有したりしました。3日間でペイジの物語は33%の定着率を記録しました。

こういうの。はえ~~そういうのがあるんだ・・・(Twitter以外のSNSに疎いため)って思いながら読んでて、

「オーディエンスは、実際に生きているように感じられるキャラクター、私たちの世界に住んでいるキャラクター、ソーシャルメディアを使っているキャラクター、観客の反応にリアルタイムで反応するキャラクターなど、いわゆる”活動写真”に参加することができませんでした。しかし今、この4つの壁は完全に破壊されています。」

Benjamin氏は、インタラクティブ性とストーリーテリングの融合を目指しています。

「なぜ、ハリー・ポッターと一緒にいられないのか?好きなキャラクターをもっと身近に感じることができないだろうか。その思いが、この会社の始まりでした。」

ここ読んで、そういえばVtuberの凄いところを紹介する記事で『二次元キャラのような存在と交流ができるところが凄い』みたいなことが挙げられてたな~っていうのを思い出したな。あれが日本版であるとすれば、こっちは海外版なのかな。いや二次元オタク層とドラマ系愛好層なので多少違うだろうけど、多分本質的な部分は一緒な気がする。

なんか自分はそういうのあまり無いのでピンときてなかったんだけど、想像以上に『フィクションのキャラクターと交流したい、干渉したい』という願望ってポピュラーなものなんだなあ。

いやまあ私もグノーシアの設定なし主人公に自分のアバター的存在を入れ込んで楽しんだり、子供の時ポケモンに乗って通学する妄想などを幾度となく繰り広げたので、広い意味で言えばフィクション干渉願望が完全に無いかと言われるとそうでもない気はするけど。ただ、名無し主人公に自分アバターを差し込んでも最終的には誰も自分に影響されて欲しくない、好きに生きてほしいとか言い出すのでだいぶ次元の壁は前提にあるタイプな気はします。グノーシアの場合厳密に言えばもうちょっと色々あるんだけどネタバレになるので割愛

話戻すけど、マジで『脚本・プログラムされた以上の言動(自分が影響を及ぼす)』をフィクションキャラクターに求めたことが無いんだよね。作品の土台次第ではあるけど、基本的に世界やキャラクター同士の化学反応でお腹いっぱいの根っからフィクションオタクだから

前にも書いたけど、Vtuberについても『交流できるキャラクター』という認識の時はあまり関心が無くて、『ビジュアルが抽象化された面白お喋り実在人間たち』という認識になってから見るようになったので。

 

みんなそうなんだ~私は違うけどね~~って話がしたいわけじゃなくて、なんかこう『自分にとって当たり前の感覚が割とそんなに当たり前じゃない(それも世界的大規模で)の面白いし色々考えちゃうな』……って話がしたかった。人は人・私は私なのは当たり前なので、その上で

オタクに限らず(いや寧ろ非オタクの方がナチュラルに干渉思考になりがちなのかも?)魅力的な物語を見てそこに参加したい・そのキャラクターとお話してみたい!という感覚ってそういうビジネスにできるくらいポピュラーなんだ……っていうのがすげえ面白いなって

でも、考えてみれば主人公=あなた系の恋愛ゲームとかもある種そういう願望を具現化させたものではあると思うし、RPGだってその世界に入り込んで役割を演じるゲームだし、何らかの手段でフィクションに入り込みたいっていう願望は昔から普遍的なもので、それを実現させるためのコンテンツも様々あるんだよな。
二次創作の発展の礎には『不幸に終わったキャラクターを幸福にしたいという願望』があるっていう言説も聞いたことがあるし。それもある種、フィクション存在をまるで親しい友や隣人のように捉え、不幸から救い自分が思うより良い未来に導きたいっていう干渉願望だもんね

そういう普遍的な願望を実現するための手段が更に生っぽく、リアルな受け答え交流ができる技術に発展してきている。そしてその交流が本筋化するようにできているモノがSNSやAIを使ったコンテンツなのかな。未来に来てるな~~~面白いな~~~~と思った話でした