未だにぶり返して傷つくことがちょいちょいあるのでちょっと文章にしてみようと思う。
でもブログの最新記事にして、みんな見てくれ!!ってしたい話題でもなく、なんとなくインターネットの片隅の片隅に存在させておきたい的な感じなので、日付を雑記カテゴリ最古になるように設定しておきます。実際にこれを打ってるのは2018年1月22日です。
◆イナズマイレブン総選挙事件
この事件について、ツイッターや大型掲示板・動画サイトなどに入り浸っている人のほとんどは知ってると思うんですが、一応概要を書いておきます。
イナズマイレブン第一回総選挙とは、初の映画公開記念にインターネット上で催されたキャラクター人気投票です。
投票対象キャラクターは映画に出演したキャラクター、主人公格からライバルチームの端役までが含まれています。そして確か多重投票可能だった気がします。ちょっとこの辺りの仕様は記憶が曖昧なのですが、少なくとも簡単に多重投票できる感じのシステムだったと思います。
そこで事件が起きました。某大型掲示板の悪ふざけ的呼びかけにより、ライバルチームの端役キャラクター「五条勝」に大量の票が投じられ、1位を取ってしまったのです。
インターネット上では五条勝フィーバーのようなものが起き、更には便乗した公式により後々のシリーズ作で彼が大々的に登場したりしました。(この時点で私はしんどすぎて作品ファンをやめていたので再登場した彼がどのように描かれたのかは知りません。)
というのが事件の簡単なあらましです。大型匿名掲示板の悪ふざけで人気投票を破壊、なんて特別珍しいことでもないかもしれませんが、その中でも圧倒的な知名度を持つ事件だと思います。その手の話題になるとポケモンのコイルと一緒によく名前が挙がる気がします。
この投票操作の趣旨は「女オタクが好きなイケメンキャラを差し置いてブサイクを優勝させるという嫌がらせ」なわけで、実際に彼が1位を取り、後の出番も獲得し、メインターゲットのオタクやキッズが誰も望んでいないキャラクターが台頭した、こう書けば被害者はメインキャラクターが好きな作品ファンに見えるかもしれませんが、私は五条勝のファンとして心底傷ついたよ
◆五条勝が好きだった
この項目は私が五条勝のことが好きだったという話をしてるだけなので結論まで飛ばしても大丈夫です。
私は五条勝というキャラクターが好きでした。
ちなみに五条勝というキャラクターにはアニメやゲームストーリーで目立った活躍はありませんし、沢山のセリフセリフがありません。
では何故、五条勝が好きだったのかという話をします。
イナズマイレブンのゲーム版の楽しいところは、何と言っても何千というキャラクターの中から自分のお気に入りのキャラクターを集めて自分だけのイレブンを作れる!ということです。少なくとも私はそれを楽しみにプレイしていました
強い能力や技を覚える選手集める人、好きな顔の子を集める人、色んな楽しみ方があって、私はというと好きな子を集めつつ、イロモノと美形が混在してるくらいのバランスを好む傾向にありました。
3の時の写真が残ってた うちのスタメンはこんな感じでした。
アニメ・ゲーム共通で好きなリカ、不動(正確に言えばアニメとゲーム3以降のリカちゃんとアニメ二期とゲーム2の不動が好きなんだけどそれは今回の本題ではないので置いておいて)
カプ厨だったのでリカちゃんの近くに一之瀬を、不動の近くに小鳥遊を置き、
中心には中学生が基本のイナズマイレブンの中で数少ない小学生選手、まこちゃん
ヒーローオタクだけど色々ダサいし言うほど強くないという愛しいキャラクターの英雄
そして当イレブンの誇る守備陣!!圧倒的!!威圧感!!!
もちろんネタで選んだわけではなく、真剣に好きなキャラクターたちの選抜でした。
ゴールキーパーの綾野は元から覚えるむげんのかべに加えて貴重なゴッドキャッチを覚えさせ、うちの守護神でした。
…そんな感じで、今見てもうっとりできる私による私のための私が楽しいイレブン(ベンチも含む)です。
どちらかというとあまり強くなくても好きなキャラで戦いたいタイプのユーザーだったので、こういうゲームで自分だけのチームを作った時の、チーム自体への愛着もひとしお
そんな中でも五条勝は前作からうちのイレブンで起用してきた守備のキーマンでした。
元はと言うと彼は主人公たちのライバル強豪校のスタメンの一員です。1期から登場していました。
サッカーものということでチームがスタメンだけでも11人、2チーム合わせれば22人もいるわけで、主人公チーム以外のチームは「そこにいるけどほとんど画面にも映らないし喋りもしない」ようなキャラクターが何人もいるのがザラで、彼もその立ち位置のキャラクター
好きになったきっかけは当然、「存在が気になって、自分のチームに加えてみたところ愛着が湧いた」というパターンでした。
出番があまり無いポジションとは言え、強豪ライバルチームのディフェンスラインを任されている男です。それがこんな怪しそうな笑みを浮かべていて、しかもそれなりに性能が良いんです。
スカウト時に少しだけセリフがあったと記憶しています。どちらかというと外見から想像できる(というか件の騒動の中でイメージとして定着していた)デュフフw感やフヒヒw感はなく、怪しい笑みを浮かべているがなんとなく強キャラオーラがある人…というイメージでした。
これは私のイメージや、性能が結構良いというのも含めた印象ですが、少なくともデュフフフヒヒなセリフは無かったと記憶しています。
黒いところもある強豪ライバルチームのディフェンスラインであの顔という、なんだったら一番小悪党になりそうなポジションにいるにも関わらずすげー強そうなオーラを纏っているという意外性に惹かれたのかなあ。もう随分と前なので詳細な経緯は思い出せないのですが、そんな魅力を感じていたのだと記憶しています。
そして3のゲームが出て、なんと五条勝は属性一致最強のディフェンス技を引っさげて登場しました。
※補足
イナズマイレブンのゲームでは、1選手がレベルアップで自然に覚える技が4つ、秘伝書で自由に覚えさせられる技枠が2つ、合計6つの技が使用できます。
おおよそポケモンの認識でOKですが、自然習得技は忘れさせることはできません。
弱い選手でも自由枠2つに強技をぶっこめばそれなりに活躍してくれますし、元から強い技を自然習得できる選手は、残りの自由枠を使うことで更に隙のない構成にできる、といった具合です。
そう、自然習得で最強のディフェンス技を使えるんです!!!五条勝は!!
これはめちゃくちゃ嬉しくないですか!?なんとなく只者じゃないオーラを放ってたから気になってたキャラが続編で最強技を覚えられるユニットをして設定されてるなんて!ワクワクしませんか!?やっぱり強キャラやん!!ってドキドキしました!!
「性能が良かったから好きになった」わけではなく、「好きになった時のイメージに性能が追いついた」から嬉しかったんです。
繰り返しますが、これは私個人が受けた印象で、実際のところは公式にあまり情報を与えられていないキャラクターという立ち位置です。でも、イナズマイレブンを含めこういう情報量の少ない沢山のキャラクターの中から自分だけのチームを組むタイプのゲームにおける愛着ってそういうところから湧いて然るべきだと考えているので、「他の人のイメージはどうあれ私は出会ってから彼にそういう印象を抱いていたし、それは今も変わっていない」
…とは言いましたが、彼がどのようなキャラクターとして認識されているかなど重要な話ではないのです。私が何よりも傷ついたのは「五条勝というキャラクターが誤認されたこと」ではなく、「嫌がらせに使っても怒られないし誰も悲しまない存在」のように扱われ、認識されたことなのです。
◆何がそんなにつらいのか
直前に言いたいこと全部要約してしまってるじゃないかって感じですが
大型匿名掲示板が多重投票の対象として彼を選んだのは、正に「いかにも人気がなさそうで、顔もなんか気持ち悪い脇役」だったからでしょう。そんなことは改めて言うまでもありませんし、正直言うとああいう場の匿名の不特定多数のモラルや人間性についてはほとんど見限っていますし、匿名という集団が成るべくしてなった煮凝りのようなものだと考えているので今更考えを正せとは全く思っていません。無論嫌いなことに変わりはないので小指をタンスに強打しろとは思いますが
私が何年経ってもたまにインターネット上で目撃してしまい苦しむタイプの発言は、悪意が無いものです。
他作品などの人気投票やファン投票が荒れたり否定的に捉えられている時、「もういっそ五条さんでいいよ」「五条さんみたいなキャラなら1位になっても面白いねで終わるのに」みたいな言われ方、これが本当に本当にしんどいです。
それはつまり、「多少なりファンがいるキャラクターで上位争いをしてファンが傷つくくらいなら」「多少なりファンがいるキャラで遊ばれるよりは」
「五条さん(明らかにファンがいなくて槍玉に挙げられても誰も傷つかない端役の代名詞)みたいなのが1位でいい」「誰も傷つかない」という認識 これが本当にキツい
これはたまたま五条勝というキャラクターだったけど、この枠が他の端役になってた可能性もあるわけで、五条勝だからつらい、というわけではなくここのポジション誰だったとしても自分が愛着を持っていて好きだったキャラクターが「どうせファンがいないから雑に扱っていいものの代名詞」になっている
そしてそれがネット上のオタクにとってかなり認知度が高い話題である、ということです。
更に言えば公式が悪ノリしたことも、もう本当にアレに関係する何もかもが無理で、オタク人生史でも相当高ランクなトラウマです。
なんというか、根源である匿名掲示板スレッドはもちろん当然嫌いだけど、その後その「祭り」に乗っかったインターネット上のありとあらゆるもの、作品ファン・ファン外問わず「あの総選挙で1位になった顔がキモい人」という認知定着してしまったこと、更に悪ノリした公式によって「自イレブンで素朴に育てて楽しめた人」がそうじゃない別の何かに変質してしまったこと、そして何年も経った今でもその話題やワードをたまに見かけること…なんというか、ファンがほとんどいない(ジャンル自体が大きかったので好きだと言って絵を描いている人は見たことがありますが)キャラだから、ファンじゃない人には理解ができない、よくわからないキモオタが顔を真っ赤にして怒ってて滑稽に見えるでしょうが、寧ろその程度のキャラだからこそ、誰にも理解されないのでは…みたいな気持ちが強まってしまって余計に拗れてしまうのかもしれません。
そしてある程度は拗らせた結果の想像や被害妄想も含まれている自覚はありますが、それでもやはり世界に愛着あるキャラクターが殺された、殺された今も笑いものにされている(笑いものにしていい人だと思われている)という事実は紛れもなく確実で、トラウマなのです。
願わくば、どんな端役のブサイクなキャラクターであっても「好きな人なんていない」という前提で思考してしまうことが間違いであることに気付く人がもっともっと増えればいいな。というのが私の希望です。
「どんなキャラにもファンはいるものだと思え」というわけではなく、「その前提で考えないでくれ」というニュアンス…うまく言えてない気がするな。
とは言え大々的に啓蒙する勇気もなければ価値観を押し付けて回ろうとするほど馬鹿でもないつもりなので、まあ文字を打つことで気持ちを発散することしかできないわけですね。
正直言うと不特定多数の意識を変えるなんて無理なので「関連話題を見かけたら自動的にミュートして、目に入っても脳が認識できなくなるようになる機能が脳みそにあればいいのに」と思うことがほとんどです。