キャラ情報開示(特に過去・身の上や設定開示に関するもの)のパターンについて考えてた。
- 自分で語る
- 事情を知る他人が語る
- 日記やファンタジーSF的記憶媒体により判明する
- なんかそういう特殊な能力持ちによって暴かれる
- 思い出し形式で語る/作中に挿入する
- 夢に見る
- メインストーリー内では具体的に語らず、独立した番外編とかになる
こんなもんだろうか。多分他にもあるけど
①②③④はキャラ同士での情報共有が行われるパターン、⑤⑥⑦は受け手にだけ共有するパターンって感じ
1.自分で語る
マンガとかではやめた方が良いとされるやつ。ワートリの作者もやめとけって言ってた(ワートリにわか)
やっぱりなんか自分語りってあんまり格好よく決まらないイメージはあるんだろうな。でも、格好良さが重要じゃない、本人の口から語られる(本人が開示することを“選択”した)ことが大事な状況も絶対ある。
しかし、主人公=プレイヤー系のノベルゲームはちょっと例外な気がする。『仲良くなった結果、自分にだけ秘密を教えてくれた』っていう状況になるため。あと表現方法に制限がある場合(立ち絵+セリフ、かつプレイヤー視点の範囲にしかカメラを置けないとか)もこれになりがちなのかな?ボイフレとかはそうだった
2.事情を知る他人が語る
多分めっちゃ無難なやつ “受け手”が作中に存在しない本・映像媒体だと特に
「キャラの設定開示」と「それを開示しなければいけない状況」が重なると、ストーリー進行と設定開示を無理なく同時に行えるのかな?ただ状況に無理があると『急に他人の情報を暴露しはじめる嫌なヤツ』になりかねないのは注意か。自分語り同様、状況を無視して『設定開示したい』が先行しすぎると変な感じになりそう。
余談だけど、個人的にはこの『秘密がどれだけキャラ間で共有されてるか』って関係性を見る上で重要だなと思う。『秘密を知っている関係』と『秘密を知らない関係』ってやっぱりどうしても溝ができちゃうから。不均衡になるというか…(変身モノとかだとやっぱ正体知ってるキャラって特別な感じするじゃん)
もちろん、全ての秘密を共有している関係が上位というわけではない。お互いのこと全然知らないのに無二の関係性っていうのも““““ある””””。好き。共有非共有どっちも良さがある。その辺りのバランスをうまいことやってると、こう、うれしい。
3.日記やファンタジーSF的記憶媒体により判明する
これもよくあるやつ。だけどメインキャラというより既に死んでるキャラや身近にいない重要キャラの設定開示の定番かな?だいたい物語のキーにも絡んでくる
日記はゲームだとマジで定番だし深くツッコまないのがお約束ではあるけど、『ああこのパターンねw』になると少し没入感が削がれる気もする。マンガやアニメだとあまり見ないかな…?
日記をつけそうなキャラ性や状況にすると丁度良いのかな
①自分で語る②他人が語る、と同じでキャラ間に情報共有がされるパターン。だけど①②と違って本人や関係者の意思を無視して強制的に共有されるっていうのがミソかなあ。デリカシーとか考慮しなくて良い
4.なんかそういう特殊な能力持ちによって暴かれる
なんかこう、敵の特殊能力持ったヤツが心を暴いてくるとか、そういうの…?もしくは自動的に記憶が暴かれる舞台設定とか
これは③と同じで本人の意思に関係なく共有される、かつ身近なメインメンバーでも起こせるっていうのがおいしい。かつ、敵の仕業であった場合は『障害に対処する』っていう状況も併せられるのでよりおいしいのかもしれない。
色々おいしいけど、これができるのはファンタジー設定のある作品の場合のみ。あと同じネタを2回以上は使いにくいっていうのもネックかな?
5.思い出し形式で語る / 作中に挿入する
これは多分どの媒体でも無難中の無難のやつ。一人で回想してるだけならベラベラ自分語りとは違ってカッコよさを損ないにくい。他者と情報を共有しないため、秘密をあけっぴろげにすることだけが良い関係性じゃないよね、にもしやすい。
ただ、物語のギミックにはなりにくいと思う。1~4の他者情報共有の場合、そういう状況になる・そこから感情が動く、になりやすいので物語の流れの中でできる。でも、思い出し回想のみの場合そういうのは無いので、濫用すると『頻繁に物語の流れを止めてきてダルいやつ』になりかねない。これがリスクなのかなー。
例だと、スポーツものやバトルもの。戦ってる途中に過去の回想が始まるやつ。めちゃめちゃあるあるなんだけど、戦いの行方に興味がある受け手からすると「止めるなーーーーーーー!!!戦いの続きを見せろーーーー!!!怒怒怒」ってなりがちなんだよな。回想がパワーアップフラグで、回想が終わったら渾身の必殺技を閃いてバトルが盛り上がる!!とかだったらかなり良い!!!でも毎回それやってるとダルいかも!!!!
バトルよりもキャラを重視してるんだろうなーって作品だと、もう毎バトル毎バトル回想が始まってダルさ極まりない時もある。便利だけどあんまり頼りすぎると物語のテンポが悪くなるイメージ
バトル終わりのタイミングで死にかけの敵の回想が流れる、とかは個人的にそんなに気にならない。バトルの流れを切ってないから
6.夢に見る
これもよくあるパターン。自主回想に近いけど少し意味合いが変わってくる?
フィクションにおける『夢に見る』っていうのは記憶として深く根付いてること・気にしてること・トラウマ・悪夢などの『本人が押さえつけようとしても溢れてくるネガティブなこと』のように描かれやすい。と思う。
だから自主回想よりも重い意味を付与しやすい?回想に感情を乗せやすい?のかな。ただ、これも何度も何度もやれる描写ではない気がする。(作中ギミックの場合は繰り返しに意味が出るのでアリだけど)
7.メインストーリー内では具体的に語らず、独立した番外編とかになる
他の6パターンに比べるとちょっと特殊?媒体によるやつ。
ゲームとかだとクリア後要素とかにしやすいし、本媒体でもおまけとかで語りやすいイメージある。アニメとかだとやややりにくいかな(OVAとかならありそうだけど今はそういうのあんまないイメージ 特典小説とかなら偶にある…?)
物語本編中で過去を深掘りせず、番外で補完するパターン。サブキャラ向き?
過去深掘りが本編内において重要ではなく、しかし過去を見てみたいと思われる魅力的なキャラである場合最高になる。見たい人だけが見る。
それと、もう設定資料で書いちゃうってパターンもこれかな。パラノマサイトとかはゲーム内のキャラ資料に過去詳細を書いてて、読まなくてもまあ本編問題ないし、読み込むとより世界やキャラを知れて楽しい、てな感じでかなり良かった。強制的に物語を止めて語るわけじゃなく、プレイヤーの好奇心に任せるというか。
思い出したらまた追記しよ。
まとめると、
🗣️キャラが語る・キャラ同士で情報共有される場合
メリット:物語に絡めやすい/流れを切りにくい/キャラの関係性描写ができる
デメリット:語り始めるのが自然な流れにしないと違和感がすごい(なんか語り出したぞこの人…になっちゃうリスクあり)
💭非共有思い出し系の場合
メリット:設定開示の違和感が発生しにくい。比較的どのタイミングで入っても変ではない。秘密を共有するだけが関係性じゃないだろ!!がやりやすい(好き)
デメリット:物語の流れを切りがち。話のテンポを悪くするリスクがある。
こうかなあ。
なんかこう、どのやり方が良い・悪いというわけではないんだよな。媒体の向き不向きによるところがかなり大きい。
それと、特定の手段ばっかり重ねて使うのも良くないと思われる。だいぶ前に見たある作品で毎回のように過去回想やってるの見て「この人たち毎回過去に思いを馳せてるな…」ってなってしまったんだよね。
私はね、私はマンガの本編に入る前の導入・アバン的な部分でやりがちですね。ええ……話の流れを途中で切らないで済むから便利で……次描く予定の話も実はそうで…もにょもにょ
そろそろアバンに頼るのやめたい。次はやるけど(やるんだ)
パラノマサイト的な手法もいいなーと思ってて、私は創作をマンガ一本に絞らずにサイトっていう箱で居を構えているので、無理に作中で語らずキャラ設定ページに書いちゃうっていうのもアリかも(※重要じゃない場合)とか。媒体の自由度があると手段が増えるのでよい。媒体の制限の中で生み出されるものも美しい。フィクション最高~