1年越しの徳甲一族キャラ語り 第3回になります。
これ何?という方ははじめにを御覧ください。
目次
黄々-沿革
大千代と鹿島中竜の娘
心優しく料理が好き。少しだけ人見知りで引っ込み思案な普通の女の子
中竜の知り合い神たちにより仕込まれた『こぎゃるふぉーむ』という衣を纏い地上にやってきた。
黄々には大好きな実の兄がいた。兄の青之進は戦が得手でなく、頭もそれほど良くなかったが、一緒にいると安心できて頼れる存在だ。
青之進の横にぴったりとくっつきながら、大騒ぎしながら恐怖を誤魔化して『妹』は戦った。
やがて母である大千代が、兄である青之進が寿命でこの世を去った。黄々が頼っていた人たちがいなくなり、彼女は一族最年長となった。
だけど、『姉になった妹』はへこたれなかった。
それは青之進が笑顔と優しく言葉を、長閑やかな空気感を遺してくれたおかげかもしれないし、『彼の息子の名を考える』という重大任務を託されていたからかもしれない。
賑やかな子供たちが来訪し、明るい声で包まれるようになった屋敷。黄々はいつもその中心にいた。
二度目の冬 隊長である真赤丸が大江山攻めを強行し、二度と戦うことができないほどの大怪我を負ってしまった。
それでも、それでも黄々はへこたれなかった。
弟を看病し、子供たちに心配をかけないよう、家の中を明るくしていった。
黄々はへこたれなかった。
その中で弟の空虚に気付いたりもしたが、彼女は最後まで一生懸命彼に向き合おうとした。
そして、討伐から戻った子供たちを出迎えるときは常に笑顔を見せることも欠かさない。
青之進がいなくなった家で、彼女は確かに彼の持っていた『年長者としての生き方』を継いでいたのだ。
最期の時も、彼女は笑って、冗談めかして語りかける。青之進にそうしてもらったように。皆が笑顔でいられるように
『あんたらと一緒に…ずいぶんいろんなところに出向いたけど、今度ばかりは行き先が違うようだね』 なんて
黄々について
徳甲黄々はへこたれない
黄々、こう思い返すと本当によくへこたれなかったなあ…!!!って思っちゃいますね。
荒廃した京に降り、過酷な大江山に登り、母を亡くし、兄を亡くし、次世代の子供たち3人の名前を考えて、年長者として皆の面倒を見て、真赤丸の無謀な大江山攻めに同伴して、田衛門にぶっ飛ばされた血みどろの彼を背負って下山して、呻き苦しむ彼を看病して、……。
書き出すと想像以上にハードで色んなものを背負う人生だったなあ…。最初期は中盤以降に比べて補完マンガも多くはなかったので詳細に描けてはいないんだけど。
黄々の総評は当時も今も『兄に頼ってばかりだった妹が成長し、皆を支える姉になった』で変わりはないのだけど、改めて彼女の生きた道を辿ると本当に「よくへこたれなかった………」ってなるし、マジで大変だったろうなあ。
実は徳甲一族でもトップクラスの苦労人だったと思います。
妹であり姉でもある存在
黄々は烏天狗相手に急に防御進言し始めたりするくらい臆病で、ゴキブリとかもダメだし青兄を頼りまくってたり…など、元から『強靭な精神の持ち主』と言うわけではありませんでした。
そして青之進がいなくなった後も『メンタル強者』として皆を支えていたわけではなかったのでしょう。
おそらく黄々は皆と一緒に泣いて、笑って、時には怒ったり悩んだりしながら寄り添っていたんだろうなあと思います。
最年長のお姉ちゃんとして『しっかりしなきゃ』という意識はあっても、『その為に我慢しなきゃ』とか『お姉ちゃんらしくいなきゃ…』って気持ちは無かったじゃないだろうか。聞いてるかー?詠芽凪左助一番星ー!(無理しがち年長三連星)
…いや無理したり我慢しちゃう年長者はそれはそれで、『その人だからこそそうなった』って感じなので仕方ないし悪くないんだけどね。
というかこの無理しがち三連星と黄々の違いってやっぱり『妹だった時期』の有無なのかなあと思いますね。
黄々は『年長者として生きた期間』自体はかなり長いんだけど、『妹だった時期』がしっかりあったんだよね。
ゆるく生きてた兄の存在があって、彼に優しく明るく背中を押されて年長者になったという流れが良かったと言うか。
本人の自己認識も『自分は青兄の妹だし、みんなの姉でもある』くらいだったろうな。ここがとてつもなく大きいんだと思う。心の負担が分散できてるというか
中竜兄妹
青之進と黄々、マジで偉大だな…。
立ち位置は地味だし後世一族や民への影響は小さくて、記憶にもほとんど残らないけど…それでも確かに『その人なりの道を歩み切った』という手応えを感じさせてくれる存在です。
中盤以降の補完物量を考えると、この兄妹も描こうと思えば色々描けただろうなあ。最初期はあそこまで沢山描くつもりじゃ無かったから仕方ないね。
それでもこういう人となりを語れるくらいは描けてたとは思います。中竜兄妹好き。
次回(真赤丸)▶︎2/18更新予定