1年越しの徳甲一族キャラ語り 第22回になります。
これ何?という方ははじめにを御覧ください。
目次
揚羽-沿革
ばな奈と田力主徳甲の息子
大切なもの
父は『一族から生まれた神』だ。ゆえに、神の身でありながらヒトの記憶を、『一族の短い生を生きるということ』を知っていた。
そんな父が言う。「大切なものを見つけることができたら、それを大事にしなさい」
『自分にとって大切なもの』とは何だろう?まずはそれを探してみようと、少年は考えた。
少年は地上に降り、『揚羽』という名を与えられた。
そこには母がいて、母と共に戦ってきた人たちがいて、その子供たちがいた。
お手伝いのイツ花が、ご先祖が拾って育てている犬がいた。屋敷があって、屋敷を出ると京の町があって、人が沢山いる。建物も沢山あった。
食べ物があって、草木があって、川があって、山があって、空がある。
戦うための弓矢や、学ぶための書物や巻物があった。
世界は、少年が思っていた以上に沢山のもので溢れていたのだ。
かつて父はこうも言っていた。『それ』には形がないこともあるし、長く永く生きていても見つけられない者もいると。
なるほど確かに、こんなに沢山の中から見つけるのはとても大変そうだ。
父は…――父の元になったという“彼”は、見つけていたのだろうか。だとしたら、とてもすごいことだと思える。
揚羽は鍛錬をしながら、術を学びながら、母たちの先導で修行討伐をこなしながら、『髪』討伐に同伴しながら、『大切なもの』を探し続けていた。
世代交代
師匠が死に、義兄が死に、母が死んだ。
呪われた一族の生涯は短い。あんなにも強く、何者にも負けないように思えた者たちでさえ、あっさりといなくなってしまう。
彼らが去り、長が交代した。この時点で揚羽の月齢は9ヶ月。元服が済み、一生の半分の時間が過ぎたと推測できる。
これまでと同じやり方では、恐らく死ぬまで『大切なもの』を見つけることはできないだろう。
なので、揚羽は別方向に舵を切ることにした。
膨大で無制限な世界から『大切なもの』を探すのは止め、自分にとって『大切である可能性が高いもの』に絞ることにしたのだ。
さて、『何』を『大切なもの』にしよう?
彼の中で『徳甲一族』という家は重要度が高い。ここで育ち、様々なことを教わって、同じ呪いを受けた運命共同体として生きているから。
おそらく、今の自分にとってかなり優先すべきものではあるはずだ。
その一族を長として引っ張るのは更紗だ。だから、『大切なもの』は更紗なのではないだろうか。揚羽はそう仮定した。
これが正解かどうかは分からない。だけど、彼女を『大切なもの』と定め助けるということは、即ち一族のためにもなる。
だから『それが不正解だった』としても、無駄にはならないだろう。揚羽はそう考えた。
そうして、彼は徳甲一族八代目当主・更紗を『大切にする』を始めたのだった。
彼女が望む戦術的立ち位置で戦い、鬼を討ち、力を尽くした。
『彼女が望むこと』を知るため、日々の行動を注意深く観察し、記憶した。
彼女が『ただ鬼を討つ』だけでなく『自らの手で功績を挙げる』ことに拘りを持っていることを知った。だから、揚羽はトドメを刺さないよう持てる力の全てを使って敵の動きを止め、更紗の本来の力を発揮できるよう膳立てを試みたりもした。
「何か見返りでもあると思ってるの?」
燕九朗に問われたことがある。何を期待して彼女の手助けをしているのか?と
揚羽は対価を求めるというようなことは考えたことがなかった。大切にするために大切にしている、と言えるだろうか。
しかし、揚羽が更紗を大切にしようとすればするほど、更紗は戸惑い、驚き、不安な色を見せる。様子がおかしくなっていくのだ。
彼女が一体何を恐れているのか、揚羽にはさっぱり分からなかった。
交神と喪失
正体が掴めない何かをずっと恐れていた更紗。交神から帰ってきた彼女は変わり果てた姿になっていた。
全身に覇気が無く、必要最低限の業務と受け答えしかしない。揚羽に向けていたあの不安めいた視線も消え、まるで抜け殻…別人のように見える。
揚羽はとても驚いた。これまでに無いほど動揺を感じていた。
更紗は揚羽とは違い、ずっと大切にしてきた『何か』を持っていた。それは、とても凄いことだと思っていた。しかし彼女は『それ』を失ってしまったらしい。
その喪失に伴い、更紗の生きる意味、彼女自身にとっての『存在理由』も消えてしまったようだった。
更紗が一番大切な『核』を失ったということは、揚羽にとっても大きな喪失だ。揚羽は、これから何を大切にすればよいのだろう。
『大切なものを失った人』を大切にする、そんな行為は成立し得ないのではないだろうか?
揚羽は自らの足元が崩れていくような心地だった。父に貰った『生き方』ができなくなってしまったから。
…でも、それだけではない。いや、それ以上に揚羽が強く感じた気持ちがあった。
いつも強気に振る舞っていた更紗がその胸中を吐露し、ぐちゃぐちゃになって泣き崩れるところを見た時だ。胸の奥が何かに刺されているかのようにチクチクした。何故か、目からは涙が出た。
そんなことは初めてだったので、訳も分からず彼女を抱きしめた。この不安定な『何か』を鎮めたかったのかもしれない。
抱きしめて初めて気付いた。更紗身体は以前に比べて少し痩せていて、それが彼女の『失ったもの』を思い起こさせたのだ。
その瞬間、心の臓が激しく鼓動して止まらなくなった。自らの身体がここまで異常事態を訴えてくるなど、揚羽は一度も経験したことがない。
揚羽は生まれて初めて、他者に心を大きく動かされた。
言葉では無く心で感じられる『それ』は、紛れもなく『大切なもの』だった。
選んだ言葉
更紗や揚羽が立ち止まっている間にも、一族を取り巻く状況は変化し続けている。
真意は不明だが、燕九朗が天界最高神と二度交神。その結果無茶が祟り、ほとんど寝たきりのような状態で帰ってきた。
そして揚羽の子、更紗の子、燕九朗の子がそれぞれ来訪した。燕九朗の手を欠いた状態で子供たちに訓練をつけ、術の基礎を教えなければならない。
更紗と揚羽は忙しなく働いた。やるべきことがハッキリとしている為か、不思議と滞りなく仕事をこなすことはできていた。
子供たちを育てる忙しい日々の中でも、揚羽は考えていた。大切なものを失ってしまった更紗に、何ができるのかを。
息子である一番星や緋ノ丸も、更紗のことを心配しているようで、彼らも後押しをしてくれている。
揚羽はたくさん考えた。たくさん考えて、一つの答えを出した。
「自分が彼女の“大切なもの”になることができれば」
生きるための標を失ってしまった彼女の『大切な何か』になることができれば、そうすれば、お互いの中に欠けたものを埋め合えるのではないだろうか?
支えるべき物を失った柱が二本あるなら、その柱同士が支え合えば良いのだ。
…だけど、それはどうすれば実現できるのだろう?
「失ったものの代わりに、俺のことを大切にしてほしい」
これではとても漠然としているように思えた。なんとなく、今の彼女には届かない気がする。
何か、この漠然とした何かを伝えるための『何か』が必要だった。
揚羽はずっと、その『何か』を探していた。
そんな中、更紗と揚羽の『最後の討伐』が決まった。行き先は親王鎮魂墓、目的は息子たちへの実地訓練ということになっている。
親王鎮魂墓は全ての迷宮の中で最も深いと思われ、薄暗い地下道を延々と潜った先に最奥の地がある。
しかし、気が滅入るような暗い道を抜けた先にあるその地は眩いほど輝く黄金の間だ。
そこは、徳甲一族にとって縁のある地でもあるらしい。
母・ばな奈が距離のあった仲間と絆を結ぶきっかけになったとか、その絆によって永く苦しんでいた崇良親王を朱の呪いから解放したとか、そんな話を伝え聞いていた。
目の前に広がる黄金の輝き。巨大な墓の中にあってあまり墓らしくないその空間は、何かの儀式場のように見えた。
『絆を結ぶ儀式の場』
この場所をそう捉えた瞬間、揚羽は連想した。自らの探していた答えに最も近い『言葉』を、探し続けた『言葉』を、ついに見つけ出した。
『結婚』
それは、呪われず生きている人々の営みの中で用いられる契約のことだ。
別々の人間同士が家族になることを決め、寝食を共にし、同じ時間を、人生を共有することを約束する。
…そういった性質のモノらしいと、揚羽は認識していた。
それこそ、揚羽が更紗と共に『なりたい』形だと思った。
全く違う何か同士を繋ぎ、互いをかけがえのないものとして、その契約が解除されない限り有効である『大切な存在』になるための約束。
―俺は更紗と『結婚』がしたい。いや、するんだ。
思った時にはもう口から出ていた。正直、もうこれ以上の言葉は思いつかなかった。
更紗は面食らったようでかなり驚いている。だけど、これまでのような虚ろな反応ではない。確かな手応えだ。
揚羽たちの残された時間は推定一ヶ月。ここを逃せば次はない。宙ぶらりんの抜け殻のまま、死ぬだけだ。彼女の動揺は、最後の好機なのだ。
だから揚羽は絶対に更紗を逃さないようにしようと思ったし、絶対に彼女と『結婚』しようと思った。
だって、更紗は『大切な人』だから。もう仮定や推測なんかじゃない。あの時の胸の痛みが、初めて感じたい激しい鼓動が、“そう”なのだと自身に告げるから。
だから『一緒』になろう。更紗の『大切なもの』に俺がなる。死ぬまで同じ時間を生きて、死ぬときは一緒の墓に入るんだ。
引くことを全く考えていない揚羽に詰められ、更紗は折れた。遂に彼女は揚羽という男を自らの懐に招き入れたのだった。
その日、徳甲揚羽は遂に『大切なもの』を手に入れた。
さいごのひととき
更紗は最初こそ戸惑いを見せていたが、穏やかな日々を過ごすうちに変化していった。
以前より表情が柔らかくなり、揚羽や皆に対して色んなことを話してくれるようになったのだ。
これまで何を考えてきたのか、周囲に対してどう感じているのか……それだけでなく、恥として他者に明かさんとしていた事実までも
そんな彼女の優しく穏やかな姿を見るのが好きだと思った。もっともっと色々なことを聴きたいと思った。
彼女は美しくて、共にいるだけで楽しくて、何処かへ出掛けるのも、何をするのも、ただ一緒にいるだけで全ての出来事に胸が高鳴った。
『大切なものを見つける』というのは、それと生きる全てが大切なものになる、ということなのかもしれない。
大切な人といることで、また別の大切な何かに出会えるものだということを知った。
そうして、揚羽は大切な人との長くて短い時間を共に生き終えた。
卒業
揚羽にはもう一つ、大切なものがある。
血を分けた息子。夜空に現れる星のような少年だ。だから、揚羽は彼に『一番星』という名前をつけた。
その輝きは遠い空にあり、同じ時間には生きられない。だけど、確かにこの目に映る煌きだから。
揚羽の命の灯が消えかけた時、一番星は涙を流していた。揚羽はこの涙の意味を知っている。自らも流したことのあるものだったから
それは、大切なものを前にした時の、心がざわざわする時に流れるものだ。彼はきっと、自分のことを『大切』に思ってくれているのだろう。
だけど、揚羽は彼と共にいることはできない。
『ずっと一緒にいることはできない大切なもの』…そう考えた時、ある言葉を思い出した。
『卒業』
更紗と共に京の町を散歩していて出会った『学校』の先生が言っていたものだ。
先生は教え子たちを何よりも大切に思っているけど、ずっと一緒にいることはできないらしい。だけど、その別れは悲しいものではなく、大切な人たちが良い人生を歩むために送り出すことであると言う。
その関係は、揚羽にとっての一番星にも似ているように思えた。
そして、出来れば彼にもそんな風に自分の死を受け取ってほしいと、そう思えた。
泣かないで、明るく、前を見て
オメデトウで送ってほしいと、そう思った。
揚羽について
揚羽の理屈と独特な世界
端的すぎる言葉で人物を形容することは出来るだけ避けようと思っているんですが、敢えて『徳甲一族で一番やべーやつ』ってお題で一人選ぶならば、それは火輪でも赤でもなく揚羽かなあ。
…と考えることがあります。
直球でオープンに分かりやすい『ヤバさ』は全く無いんですけどね。
揚羽の行動原理である『大切なものを見つけてそれを大事にする』は、決して他者への思いやりや共感からくる望みではありませんでした。
例えるなら『自分』という存在を完成させるピース探しのような…どちらかと言うと自己中心的な、他人を『個人』というよりは『個体』で見ているというか。
ぶっちゃけ初期〜中期の揚羽にとって更紗って唯一無二のものでもなんでも無いんだよね。ただ、揚羽の考えた『大切なもの候補』の中で最も近い位置に立っていたのが彼女だったってだけで、『更紗だから』彼女を助けていたわけではなかったと思う。
だからもし更紗の位置に立っていたのがめちゃくちゃ横暴な人でも、男でも女でも、1年風呂に入っていないような人でも、揚羽は『大切なもの』として扱ったんじゃないかな。(流石に長としての能力が著しく欠けるような人だと厳しいだろうけど)
相手がどういう人か、っていうのはあの頃の揚羽にとっては眼中になくて、本当にただ彼の『大切なものを大切にする』って行動のために更紗に白羽の矢が立っただけなんだよね。
だから揚羽は更紗に邪険にされても危害を加えられても、褒められなくても認められなくてもケロっとしてるわけです。それは『揚羽が手に入れたいもの』ではなかったから。
『本人の中では理屈が通っている、独特な自己満足の世界』に生きていて、他者個人に対する共感性が極端に低い。徳甲揚羽ってそういう人だと私は思っています。
誰かのために何かをする、ということ
『誰かのために何かをする』なんて大体は結局自分のため・自己満足である…と私も思うのだけど、揚羽はそれがより極端なのかなあと。
例えば凪左助が大将の心の枷を外してやれるような言葉を捻り出した件なんかも、突き詰めれば凪左助自身の満足のためではあると思うんですよ。
でも、それで凪左助が満足するためには『本当の意味で大将がどう感じるか、彼の救いになる言葉か』を考えて行動していました。
『本当の意味で相手のためになることでないと自分も満足することはできない』…って感じかな?
凪左助は共感性がとても高い人なので、そこまで考えて行動を決められたと思います。
揚羽は凪左助とは違って、『本当に相手の内面に寄り添って考える』とかそういうことが全然できない人なんだよね。
だから『彼なりの思考と理屈の組み立て』で作ったプランでゴリ押ししがちというか。そういうところがめちゃくちゃ自己中心的だな〜と思っちゃいます。
そんな揚羽のややこしいところは、そんな自己満足を『大切なものを大切にする』って題目でやってるところかなと。
少しでも更紗の力になろうと全力を尽くすし、自分が傷つくことも厭わないし。だから一見すると『めちゃくちゃ献身的な人』っぽく見えるのが、揚羽のずるいとこですね。
↑の燕九朗は『揚羽のアレなところ』に彼らしい視点でツッコミ入れてくれるので好きです
揚羽のこういう『変にひたむきな性質』は多分生まれつきなんだけど、その性質に『大切なものを大切にする』っていう方向性を付与したのは田力主でした。
田力主としては、血潮の記憶を知っているから『もしもそういうものを見つけたら(※仮定)大切にしなさい』という意図なんだけど、揚羽は『大切なものを見つけ、大切にしよう(※目的)』という受け取り方をしちゃった。…って感じかな?
この受け取り方は揚羽の性質だなあと思います。
…まあそれ以前に、当たり前だけど『生まれたばかりの子供に意図通りの言葉を伝えること』って多分できないよね。田力主も流石にそんなことは分からなかったので、まさか揚羽がそんな受け取り方をしていたとは思わなかっただろうなあ。
揚羽の涙
これは『当時別にそう思って描いてなかったけど今思うとそうなのかなシリーズ(第三者ファンの妄想みたいなものと捉えてほしい)』の語りなんですけど
徳甲揚羽という人格について前項目のように捉えてみると、生まれて初めて涙を流したこの場面についても色々考えてしまう…という話。
揚羽は本当に共感性が低くて他人の気持ちが分からない、だから同情もできない。つまり辛い境遇の他人を見て、それを自分ごとのように感じて涙を流し心を揺らす…っていうタイプでは決して無いんですよね。
(感動ものの映画みんなで見てたら一人だけ真顔でポップコーン食いながら機械的にギミックとか仕組みについての感想言ってきそう)
↑のマンガの揚羽は虚ろな更紗の姿に『自分自身』を見たのかもしれない。あの場面って更紗も揚羽も人生の大目的を喪失していたので、『全く同じ立場』だった。だから合わせ鏡のように映った彼女の姿や彼女の変化に心が揺さぶられたんじゃ無いだろうか。
そこから『結婚しよう』に向かう流れも、要約すると『俺たちは同じように何かがに欠けてる同士から、一緒になればいいじゃないか』っていう意図だし。
『自分と同じもの』を感じ取ったからこそ、揚羽は本当の意味で『更紗という個人』に執着するようになったのかもしれない。
…と言うのはマジで別に当時描きながら考えてたわけじゃないし、当然揚羽自身も全くそう思ってない(彼としては本気で更紗に心揺さぶられたと思って行動してるので)ので、与太話とかそういう物だと思ってもらえると嬉しいです。
愛おしさの正体
ただ、もし揚羽が更紗に対して感じた胸の痛みの正体が上記のような内訳だとしても、『結婚』した揚羽が過ごした『最後の一ヶ月』で得た感情は別物かなあと思ってます。
あの一ヶ月間で揚羽はそれまでの1年半の期間で知ったものを遥かに超える『更紗に関する情報』を得てたんじゃないだろうか。
『揚羽が勝手に推し量って勝手に同一視してたもの』とは違う、『更紗自身の言葉・更紗自身が見せてくれるもの』を知ることができたからね。
おそらく、その時点で揚羽にとって『彼女という存在』は自分とは別物になっていて、そして別物として愛着や愛情を芽生えさせていたんじゃないかなあ……みたいな。そんなことを思います。
だから揚羽は最期に更紗に口づけされてドキっとしたんじゃないかな。一ヶ月前には照れも躊躇いもなく自分からやってたのに。
『別の個人』として彼女が起こした行動を『ちゃんと受け取れた』からこそ生まれた感情なんじゃないかと思います。
ただ、最期の最期でも全然悲壮感なくいつも通りのテンションで「ドキドキした」って言う揚羽はやっぱり揚羽だなあって感じするけど。
揚羽は強い
こういう風に揚羽のことを語っていると『色々欠落したやばい感じの人』みたいになっちゃうんだけど、なんていうか揚羽って『こういう性質だからこそマジでめちゃくちゃ強くてすごい』面もあるよなーと思ってます。
ちょっと基準点がズレてるだけでめちゃくちゃ色々考えてる人だから思考放棄は決してしないし、地頭は多分かなり良いはずだし。
彼なりの(他者に伝わりにくい)理屈をしっかりと組み立てて行動していて、だから大一番での迷いが本当に無い。マジで強いんだよな揚羽って
だから、戦いでもここぞという時は射撃を外さない。(これはゲーム内の命中率がそうだった)
だから、『結婚』の下りでも相手が折れるまで自分の考えをぶつけ続ける。これはやり過ぎると相手壊しかねないので100パー良いとことは決して言えないというか、まあ結果オーライではあるんだけども。
言葉というカタチで定義しがち
揚羽の『ふわっとした形のないモノをとりあえず言葉で定義しようとするところ』独特で面白くて好きです。
自分と更紗を結ぶための言葉を『結婚』としたり、自分と一番星の別れを『卒業』としたりするところですね。
『本来の言葉の厳密な定義からは外れるけど、その言葉の持つ性質』のようなものを抜き取って『自分の理屈組み立て』のラストピースに使おうとする傾向あるんだわ揚羽って。
ただ、そのプロセスが相手には見えないから突然出てきた単語に聞こえるし、受け取られ方も全然違う形になっちゃうっていう。
結婚しようって言われたらそりゃあ普通は『婚姻しよう』という意味の『プロポーズ』だと思うじゃん。でも揚羽はただ結ばれたいだけで夫婦になりたいわけじゃないんだよね。でもそんな意図通じるワケないだろう、という。笑
私は彼のこういうとこ好きです
「それ多分、父ちゃんが思ってることと比べて 二言か三言…足りてねえと思うぜ」
一番星は燕九朗のように特別聡いわけではないし、他人を見るのが得意なわけでもないけど、この言葉はすごい揚羽を捉えてて好きだな〜って思ってます。
なんか、父ちゃんのこと好きだしよく見てるんだろうな〜って感じがして良いなあって。
次回(一番星)▶︎4/12更新予定