1年越しの徳甲一族キャラ語り 第17回になります。
これ何?という方ははじめにを御覧ください。
目次
凪左助-沿革
詠芽と虫寄せ花乱の息子
両親の力をこれ以上ないほど受け継ぎ、術の才に恵まれた凪左助は『次世代の天才術師』として期待される存在であった。
母に教わった術を更に磨き、苦手な体術は長である血潮との訓練討伐で鍛える。そして生まれの近い妹分・弟分と共に、一族の悲願を成就させるための戦いに身を投じていく。それが彼の教わった、彼が思い描く今後である。
優しく聡い子供であった凪左助はそのことを理解していたし、そうやって一族のために生きていくことを当たり前のこととして受け入れていた。自らの命はそのために生み出され、子孫に受け継いでいくものであると了していた。
道は見えている。ここを真っ直ぐに進んでいけば良いのだ。
しかし、彼が初陣を飾る前に全てが変わってしまった。
彼を導くはずだった者たちは誰も帰らず。焼け焦げながらも一時的に命を取り留めた、物言わぬ母だけが目の前に横たわっていた。
真っ直ぐに整備されて見えた、篝火が照らす道は一瞬で暗闇に消えてしまったのだ。
ややあって彼は、心に深い傷を負った妹分・そして何も知らない末弟を導く『長兄』という役割を認識した。
『自分がなんとかしなければ、この一族はここで終わってしまうかもしれない』
戦いの経験がなく虚弱な少年は、母に似て責任感が強く真面目で、痛々しいほどに優しい
徳甲凪左助は、神々の、ご先祖の、母の、生きている家族の、全てをその小さくひ弱な肩で担ぎ、真っ暗な道を歩き始めた。
妹分であるばな奈と、肩書き上『長』を引き継いだ赤の仲は冷え切っていた。何も知らない赤がばな奈の心に土足で踏み入り、凪左助以外の全てを拒絶するばな奈の情緒はより不安定になっていく。
ただ単に『空気や気分が悪い』だけでは済まされない問題だった。意思疎通が図れず足並みを揃えられないということは、鬼の巣窟においては死に直結する最大の不安材料なのだ。そして、そのことに気付いているのは凪左助だけだった。
自分が上手く取り成さなくては。常に二人に気を配って手を打ち、術技の精度を上げ、討伐先の情報を徹底敵に分析しなければ、みんな死ぬ。今度こそ一族は終焉を迎えるだろう
一切の余裕がなかった。今日もまた赤がばな奈に何かを言ってしまったようだ。ばな奈の様子がおかしい、自分が、自分がなんとかしなくては。
心身ともに張り詰めた日々を送る中、凪左助は体調を崩すこともあった。
そんな時、彼を心配して側にいてくれる人たちがいた。
一人は凪左助を拠り所にしているばな奈。もう一人は一族と不思議な縁のある町人の男だ。
彼の渾名は大将…特別な力を持たず、金も地位も権力もない、少し老け顔のごく一般的な成人男性である。
彼は三代目アヅキの心意気と慈悲に感銘を受け、それ以降一族と関わりを持つようになった人物らしい。一般には詳しく知られていない『一族の呪い』についても知識と理解がある、珍しい存在だった。
赤が視線に気付き、小間使いのイツ花に紹介されて出会った彼は極めて協力的で、損得勘定を全て飛ばして一族に助力しようという姿勢を見せた。
その眼差しと声色は打算がなく真っ直ぐで嘘偽りないように感じられたし、行動がそれを証明している。
相談事があると言えば何を置いても飛ぶように駆けつけてくるし、真剣に耳を傾け、共に悩んでくれる人だった。
そう、彼は『一族の“長兄”』である凪左助が唯一、『頼りにできる』存在だったのだ。
全てを背負い込みながら心身をすり減らし続けていた凪左助は、彼の支えを得てなんとか崩れることなく妹分たちの面倒を見続けることができていた。
一族に小さな変化が訪れたのは、凪左助が大きく体調を崩した少し後のことだった。
事務的な作業や討伐計画などを全て凪左助に一任していた赤が、自らの頭で何かを考える意思を見せるようになったのだ。
険悪を通り越して既に崩落しているかのように見えたばな奈との関係も、何やら凪左助の与り知らぬところで改善のきっかけを掴んだらしい。
『滅び』すら意識させられた一族の状況は、少しずつ好転の兆しを見せ始めていた。
…しかし、凪左助は焦っていた。
『少しずつ』では駄目なのだ。本来であれば、先代から役目を引き継いだ我々はもっと、もっと先に進んでいたはずだった。多少赤たちの人間関係が改善したとしても、大幅に計画が狂ってしまったことに変わりはない。
ご先祖たちの歩みに報いるためにも、子孫たちに苦しい役割と責任を負わせないためにも、我々は各地の親玉を打倒し、朱点にまつわる情報を少しでも多く手に入れなければならない。
凪左助が元服するまでに成したことといえば、親王鎮魂墓の浅い階層での修行・修行・修行……、親世代の指南を受けられなかった分を取り戻すための修行。ほぼそれだけと言ってよい。討伐隊選考試合の優勝など、ほとんど何にもならなかった。
凪左助は焦っていた。元服して少し経った彼は…一族寿命の平均値から考えれば、もうすぐ半分が近づく月齢だ。まだ何も得られていない。一族のために何もできていない
彼の焦りに追い討ちをかけるかのように、彼の選択は裏目に出続けた。
渦中の神であり貴重な情報源になると思われた片羽ノお業。彼女と会いに相翼院に出向いたがめぼしい情報は得られず。
ならばと交神相手として話を聞きに行こうと彼なりの推測を携えて天界に向かったところ、やはり彼女は曖昧な態度を示すのみで、新たな情報を得ることはできなかった。
圧倒的な戦の才を持つ赤が『血統の強化を度外視し、独断と我儘で格下の神を交神相手として選んだこと』も、凪左助とお業の子が『凪左助と大差ない身体能力と大きく劣る術技の才を持って生まれた』ことも、そんな彼が『天邪鬼な性格で言うことをさっぱり聞かないこと』も、何もかも凪左助の想定外だった。
一族が前に進めていない…それだけでなく、何を思ったか息子が恩人に対して害意を仄めかしはじめた。もう、めちゃくちゃだ。凪左助の焦りは限界だった。
何かを間違えたのではないか?
誤った道を選んでしまったのではないか?
実質的な責任者は自分だというのに……?
今にも崩れ去ってしまいそうな凪左助を繋ぎ止めたのは、またしてもあの男だった。
幼い頃からずっと自分たちを見守り、気遣ってくれた人。こんな異質な一族を煙たがらずに、同じ人間として接してくれる人。こちらの話に真剣に耳を傾け、真っ直ぐで嘘偽り無い想いをぶつけてくれる人。泣いている自分に胸を貸してくれる人。
出会った時から『大事な存在』だとは思っていた。こんな風に一族に接して、協力してくれる人はとても珍しかったから。この縁は大切にしなければと感じていた。…が
その時凪左助は感じた。この人はそれ以上の存在であると。一族でも誰でもない、自分にとって何よりも尊く愛おしい人なのだと。
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凪左助が変わっていくように、彼の周囲も大きく変化していた。『その変化に目を向けられるようになった』というのが正しいかもしれないが。
赤は元々持っていた圧倒的な戦の才に加え、絶対的な威圧感をも醸し出すようになった気がする。彼の背中を見ていると、何者にも負ける気はしないと思えた。
…否、気のせいではない、彼はその拳一つで各地の親玉を跳ね飛ばし、圧倒的な力で一族を前に進めていった。
それは『形だけの当主継承者』ではない、紛れもなく『一族を牽引する長の姿』であった。
そして妹分のばな奈
不安定で、繊細で、突けば崩れそうだった彼女を守らなければと思っていた。凪左助は彼女を『そういう存在』だと決め付けていた。
…だが、一族のために自ら前へ踏み出し、見事な一撃で『髪』を粉砕し……そして凪左助に手を差し伸べたばな奈は、幼い頃必死で守ろうとしたあのか弱い少女ではなかったのだ。
母たちを喪った凪左助が歩き出したあの道は、確かに真っ暗闇だった。
だけど目を瞑って走り続けていた凪左助は気付いていなかったのだ。すでに夜は明け、世界が陽の光に照らされていたことに
凪左助はもう、暗闇の中にはいなかった
いつからか、凪左助は自らの生の終わりを意識するようになっていた。
残された時間はきっと少ない。その限られた生で、自分は何ができるだろうと考えた。
幼き日の彼ならこう考えるだろう。『少しでも親玉を倒し、子供たちを鍛える。ご先祖と子供たちのために、一族を前に進める』
何一つ間違いではない。しかし、それは果たして『凪左助』の願いであっただろうか。
違う、そうではなくてーー…
“皆と相談して”最後の討伐計画を立てた。
赤たちとゆく、3体目の『髪』討伐だ。出陣には髪との戦いを経験していない燕九朗を連れていくことにした。
これまでの一族よりは長く保ったものの、体調は悪化しつつある。ただでさえ老い先短い命である上、『ヲロチ斬り』のための強大な力を揮えば僅かな生命力も即座に底をついてしまうだろう。これは己の死を決める計画である。
自らの『死の日』に印をつけ、残る期間を確認した。これが僕と、仲間と、家族と、あの人と使える最後の時間だ。
これまで積み重ねてきた知識と経験と想い、そして残された時間……これが凪左助の持てる全てだ。
これらを以って、必ず為さねばならないことが3つある。
一つは確実に『髪』を討ち倒すこと。
もう一つは息子である燕九朗に、躱されることなくこの想いを伝えること。
そして最後の一つはあの人だ。一族の死を見続けてきたあの人 叶うならずっとそばにいたいあの人に 何かを残し、何かを変えたい。
自分がいなくなった世界で彼は生きていく。何ができるだろう。何を伝えればよいだろう。
たくさん、たくさん考えて、凪左助の腹は決まった。己のなすべき事を見出した。
僕の命はあの人と、あの人が生きる世界で皆が歩む明日のために全て余さず使い切る。
ここは死に場所などではない、僕が生きる場所なのだから。
凪左助について
『一族に尽くす』という生き方
徳甲一族、『一族のために』『先祖に報いるために』『子孫に負担をかけないために』って頑張る人がけっこういるのだけど(アヅキを筆頭に血潮、詠芽など。石榴も一応ここ)凪左助も初期はこの典型でしたね。
こう考えて行動するのは普通じゃないと思うし、普通であるとも思います。
短い生で最初から指標がハッキリしてるっていうのは動きやすいし、物心つくかどうかのタイミングで親や神に教えられたことを『常識』として疑わない人もいるだろう、と
逆に、『いや先祖も子孫も言っちゃえば知らない人だし、なんで一族のため一族のためって動けるの??』って思う人も当然いるよね。燕九朗や雷丸あたりがここだろうか。もしかしたら揚羽なんかも本質的にはこっち寄りかもしれない
今回の主題・凪左助は、本来限りなく『前者の人』だったろうと思っています。
自分は一族のために戦っていく、親に言われたからそうする…っていうのもあるし、心水が高くて共感性の強いタイプなので先祖の思いを感じたり子孫のことを案じたりしてしまうからっていうのもあるし。
多分凪左助は予定通りことが運んでいれば血潮や詠芽のように一族に尽くす生を送ってたんじゃないかな。
そんな性質の凪左助が直面した事態というのが『初陣前に親世代を全員喪い、一族最年長になる』で、元々責任感が強くて一族に尽くそうという心持ちだった彼は本来の20倍くらいの重荷を背負ってスタートすることになるんですよね。彼が生来持っていた『責任感』は『強迫観念』のようなものに変容してたんじゃなかろうか。
この道でなければ出会わなかったもの
そんな状況に置かれた時、目の前に現れた(正確に言うと赤が引っ張り込んできた)のが大将でした。
大した戦闘能力はない、頭良いわけでも特殊な技術を持ってるわけでもない、だけど他の民が誰も持ち得ない『一族に対して本気で心配してくれて話とか聞いてくれる』年上。そんな人がいたらそりゃあ懐くわなあ…と序盤描きながら考えてたように思います。
赤世代最初のマンガで愚連隊さんちに乗り込んで、『拳法家の二人は赤に』『壊し屋の丙はばな奈に』『得物は違うけどあまり物同士で』って訓練(ほとんど“ごっこ”だっただろうけど)振り分けされたのも、パズルのピースがパチンとはまったみたいで「あ〜〜!」となった記憶があります。
『懐いて相談役のような関係になる』は割と必然の流れだったなと
その後は色々描いたりこの記事の前半で述べた通り、精神的に一人で綱渡りしてたような状態の凪左助を大将はじめとしたみんなが救い上げました。
そして、誰かへの強い情念で一回りも二回りも大きくなった凪左助は『自らの意志によって』彼や一族のために命や想いを使い切るという道を歩み切った。
『一族全体への使命感』などではない、『彼自身の願い』を持つに至った…というのが徳甲凪左助という人の肝なのかもしれないですね。
親世代の全滅が無ければ、凪左助は本当に愛おしく恋しいと思える人に出会わなかった。出会っていたとしても特別な存在にはならなかったはずだし、最後まで『一族のために』生涯を終えたかもしれない。
それはその状況でないと分からないのでなんとも言えないけどね。そっちの世界線にはそっちの出来事や出会いがあり、その結果が生まれるものなので。
赤世代全体に言えることだけど、『血潮世代の全滅』によって生まれたものが大きすぎるんだよね。だからと言って血潮世代の全滅を『起こって良かった・結果オーライだ』なんて口どころか胴体が裂けても言えないけど。(プレイによって引き起こる予定調和でない出来事はあまりにもリアルすぎてフィクションとしての処理が難しい)
ただ、『血潮世代全滅という歴史』を否定することは即ちその後に生まれたものの全否定でもあるという。肯定否定という基準では到底決められないっていうか、すべて因果なんだ 因果…
そんな因果と戻らない時間を進んだ結果、凪左助は大切な存在を見つけ、『自らの意志で道を切り開く人』になったんだな…というお話でした。
紙一重の破滅と開拓
血潮と凪左助って実は要素がすごく似てるんだよね。『人を恋い慕うという属性』が……といういうよりは『その存在によって評価軸が大きく変わった人』であるという点が
どちらもスタート地点は『一族のために』だけど最後には『あの人のために』になっているところね。
彼らの中にあった『評価軸(判断材料や優先すべきもの)』という『生きていく上での指標』が、途中で『誰かへの好意』によって書き換わったという話。
こんなもん人間の持ってるある種のバグだよね。プログラムや計算式変わっちゃってるんだから
この一種のバグのような気持ちを持って破滅の道を進んでしまったのが血潮で、新しい道を切り拓いたのが凪左助…だと思っています。
こう書くと優劣のように見えてしまうかもしれないけど、これは本当に紙一重なんだろうな。ちょっとしたボタンの掛け違えで凪左助が血潮のようになったかもしれないし、血潮が凪左助のようになれたかもしれなかった。
…なんとなくこの二人にそんなイメージを持ってます。本人たちはほぼ関わりないんだけどね
片や小さい少年とお姉さん、片や青年と一般人のおっさんというのもなんかこう、人生何があるかわかんない…すごい…を感じてしまう。ほんとに因果なんだよな…
ヒロイックさとねちっこさ
血潮と対比して見てることで浮き彫りになるんですが、私は凪左助を相当『ヒロイックな存在』と認識しているな~とも思います。(バトル場面をどのキャラよりもノリノリで描いてた所にも滲み出てるような…)
なんだかんだで血潮はヒーローなので、血潮と紙一重の裏表のような凪左助もまたヒロイックなやつだなあと。私の主観ですが
(というか赤世代は全員がそれぞれ主人公力を持ってると思うのだけどそれは各項で)
凪左助って体弱いしカラーリング薄くて儚いし、秘めた恋をするし、光の中に消えるような死に別れ方をしているので要素要素をバラバラにして見るとすごくヒロイン的に見えるんだけど、なんかこう『ヒロイン風の皮を被ったヒロイック存在そのもの』だな…って私は思っています。
暗闇で迷い迷った末、大切な人への想いでパワーアップ!自らの意志で道を進んでいく!
その結果死してなお影響力を持ち続けた人!なので。
例えるなら物語途中で死を迎える先代ヒーローのような存在だお前は…そういうヒロイックさだ…と思う。
…と言っても我が人生に一片の悔いなし!という訳では全くなくて、かなり湿っぽくてねちっこくて、どうしたって手に入らないものに対してとてつもなく悔しい気持ちもありながら割り切った…って感じの人だろうけど。
『あの人が生きる明日のために何かしてあげたい』という慈愛じみた気持ちの中に『(どうしても死に別れるしかないならば、彼の中から絶対に消えない唯一無二になって死にたい)』くらいの本音が潜んでる そんなタイプの人だと思います。
だからこそ出来る限り伝えるべき情や言葉の種は選んで、コントロールして、ベストな形で終わらせようと相当考えたしシミュレートしたと思う。こう言えばきっと彼はこう返し、こう考えるだろうから、こう誘導していって…みたいな。
でも『一緒に祭り行って超ウキウキだったこと』と『言おうと決めてた言葉を口に出してる途中でめちゃくちゃ泣いちゃった』のは完全には自分をコントロールできてなかったやつですね。
凪左助のヒロイックさと計算高さと、そこに押し込めきれないでっかいでっかい情が好きです
余談
氏神について
何度か触れている通り、徳甲一族の氏神は『本人の素質や記憶のみ引き継いだ別個体』です。
そして、凪左助の『この想いを誰にも渡したくない』という強い気持ちの発露から生まれたのが『半神徳甲虎の在り方』でした。
即ち、『五感がなく、何も語らず、世界に干渉することもなく、どこかへ飛んでいく』存在を生み出した。
神々がどんな感覚を持っているのか私にはわからないけど、五感を放棄した半神徳甲虎は1つの人格・生命体というよりはもっと概念に近い存在なんじゃないかなあ と私は思ってます。外側に出るものが何もなく、全てが内側で完結している存在なので
超常的すぎて生態どんななのかは私にも良く分からない 人間っぽい思考とかはしないんじゃないかなあ。どうなんだろう
『自分もしくは他者に定義され、外界と関わること』を『存在すること』とするなら、半神は限りなく『存在していない』し、もしかしたらゆっくりと大地に溶けて消えていくような神なのかもしれないね。わかんないけどね
例えば老いた大将の今際の際にふわっと現れたりしたらそれはとても美しい光景なのだけど、彼がそういう存在かはわからないのよね
余談の余談
凪左助が走竜の薙刀の強大な力を揮う時、『大きな力に蝕まれる』的な表現で『血管みたいなスジが体を這う』っていう描き方をしていました。
それを氏神にした時、『血管みたいなスジ』を『木の根』っぽい見た目に落とし込めたのはけっこう気に入ってます。氏神デザインセンスには自信ないけどこれだけは自信ニキ
木の根的表現はもちろん親神の虫寄せ花乱様から。
『夢は船旅』で『親神が土属性最高男神』なの、すごい『海と大地』って感じで良いなって思う。やっぱり最後はこの世界に溶けていくんじゃないだろうか わかんないけど
光について
昔から『君は私の光である』というのは定番の詩的比喩表現だけど、その光にも色々ありますよね。
大将にとってのアヅキは正に太陽のような光。薄暗い世界をバーーっと照らして全てを明るみにしていくような、それでいて暖かくて活力になるような光だったと思う。(火輪はさらに温度上がって距離近くなったメラメラ太陽)
一方凪左助にとっての大将って真っ暗闇にポツンと光ってる蛍みたいなものなんじゃないかなあ。
ごく小さな光なので世界中や道の先まで照らして示せるような明かりじゃないし、だから大将本人も『大して役に立たねえちっせえ豆電球ですまん…』って思ってるんだけど、凪左助にとっては『明かりゼロの世界の中にあった唯一の光』なんだよ 的な。
本人主観と他者目線で価値が全然違うやつですね。
だから、まともに照明が施されている世界なら大した価値のない小さな光でも、真っ暗な世界に放り出された人からすると救いの光そのものになりうるんだ…的な…?
小さくても僅かでも『ゼロを1に』してくれる存在だからこそ彼が必要だし、何よりも愛おしいものになったんじゃないだろうか。
以上、余談ポエムでした
次回(ばな奈)▶︎3/25更新予定