『TO BE HERO X』、楽しすぎる(ネタバレなし)

かなりハマっています。テレビアニメ『TO BE HERO X』に。

TVアニメ「TO BE HERO X」公式サイト
bilibili ✕ Aniplex 新プロジェクト始動。「TO BE HERO X」フジテレビにて2025年4月 日曜朝9時30分放送開始!

それで何か記事を書きたく、でも作品紹介!とかオススメポイントはこれ!みたいな話をしてもな……(根本的に布教下手)という気がしたので、私がいかにしてこの作品を楽しんでいるか、という話をしようと思います。作品未視聴でも、誰かが何かにズドンと撃ち抜かれる経緯を見るとオモロいね、って人はご笑納ください。

ネタバレ感想類はてがろぐにあります(既視聴勢向け)
間違いを恐れていないのでトンチンカンな読み違えなどもそのまま置いてますがライブ感をお楽しみください。

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『TO BE HERO X』、楽しい

楽しい』という言葉はどちらかと言えばゲーム媒体の作品に対して用いることが多いと思います。体験ベースだからでしょうかね。
マンガやアニメの場合、使われやすいのは『面白い』なのかな。『楽しい』という言葉を敢えてチョイスする場合、相応の体験的理由があるような気がします。

『TO BE HERO X』ねえ、めちゃくちゃ『楽しい』です。私は。

もちろん、前提として『面白い』です。この作品は。でもそれ以上に、私にとっては『楽しい』作品である、という認識になっています。いやもう楽しいなんてもんじゃない、楽しすぎるかもしれない。

 

作品概要

作品紹介的な記事にはしない、と言ったけど、どういう作品なのかは提示しておかないと何の話をしているかわからなくなりそうなので、簡単に紹介します。

飛ぶ鳥を落とす勢いで世界的な人気アニメを手掛けまくっているリ・ハオリン監督が原作のオリジナルテレビアニメシリーズです。中国からの輸入アニメというより、中国を中心に日本などのクリエイターも多数参加して共同制作、全世界同時に発信されている感じ。マジで多分今世界中が見てます。

人々からの『信頼』がヒーローを生み出す世界。『信頼』は数値化され、その数字が大きくなると特殊能力を操ったりできるようになる。信頼を失うと力も失う。そういう舞台で生きるヒーローたち10人+αが主人公の群像劇

2025年春~秋まで2クール24話が放映済。監督曰く48話構想でスタートしたそうなので、売れれば2期で更に2クールやるんじゃないかという見込みです。やってほしい。死ぬほど売れてほしい。

 

作品との出会い編

私はアニメだけは毎クール最新のものを追えるだけ追っているので、TBHXとの出会いはアニメ配信サイト(バンダイチャンネル)の新着欄でした。前知識ゼロで見るのが好きなので前知識ゼロで再生。その時点でハマ………りはしませんでした。普通に面白い~って感じだった。

序盤のストーリーはかなりキャッチーな展開、ドッキリオチなどで引っ張っていくような構成だったのでね。あんまりキャラオタがワッショイ!する感じではなかった。

3D映像と2D映像が場面によって切り替わる、という面白い試みなどもあり、かつ元からハオリン監督作品を楽しんでいたので「流石ハオリン監督作品だ、日本のアニメでは見られないような表現が盛り込まれてて見応えがすごいぜ!」と思ってました。(もちろんジャパニメーションのコテコテの2D画面も大好きです。ジャパニメーションさんももっと2クール濃厚オリジナルアニメ作って❤)

話数が進んでいくにつれ、様々なヒーローが主人公の話(◯◯編という形で括られる)が展開していきます。ここもですね、普通に楽しんでたんですけど、自分的に爆裂に目を引く展開っていうワケでもなく、かつ1週間空く関係で記憶から抜け落ちるものも相応にあり、「楽しんでるけどそこまで理解できていない」という感じで見ていました。

 

なんかわからんけどめちゃくちゃ楽しくなってくる編

上記のような温度感で毎週見ていたわけなんですが、かなりキャラが揃ってきた20話。かなりキャラが揃った上でかなり一堂に会する展開が発生しました。今まで各話で主人公として出てきたキャラたちがなんか……色々あってなんか集ってる!!!群像してる!!!群像劇はねえ!!それまで全く違う場所でいろんなことしてたキャラが同じ時間と場所に集合する瞬間が一番楽しいんだから!!!群像劇のトロの部分なんだから!!!!!!!!!という興奮ポイントを持つ私としては、もう、かなりテンションが上がっちゃって。しかも序盤以降全然出てこなかったキャラなんかも絡んできて、そんなの楽しいに決まっている。

記憶が抜けすぎて色んなことがよくわからない状態で見ているにも関わらず『なんか群像劇の一番アガるシュチュエーションが始まってて楽しすぎる』という状態になりました。でもこの作品の『楽しさ』、ここがピークでは……なかったんです。

 

異常に好みのツボをついてくるキャラ、参戦

なんか、作品そのものにしっかり向き合おうとか、フラットに楽しもうができるオタクになれてからもう随分経ちますが(中坊の頃は極端に特定キャラ贔屓肩入れに偏りすぎててできなかった)

それでもことに思うのは、ツボいキャラの存在は大きいということですね。なんというか、『面白い作品だな~』だったのが、ツボキャラの存在によって『ヤバい、もっと知りたすぎるこの作品と世界のこと』になる感じ……。血湧き肉躍る、その……

そういうキャラが、出てきてしまいました。放送残り4~5話になろうかというタイミングで。今!?そう、今……いや、正確に言えば既に出てたんですけど、好きな面が露骨に表出し始めたのが終盤だったといいますか…

なんかもう動くたび喋るたび好きな要素そのものが歩いてる!?みたいな感じ、久しすぎて自分の中にこの感情が残ってたことに驚いてしまった。もう放送終盤はずっとフィーバー状態でしたね。とんでもない、とんでもないよ。
具体的にどういうツボでどういう好みにハマったのかについてはてがろぐの感想を見てください。

 

もっとこの世界のこと知りてえよ!の旅が始まる

群像劇のトロの部分味わったし、異常にツボすぎるキャラも出てきてしまったし。流石に無理ですね。中途半端な記憶と理解度で視聴を続けるのは。

というわけで、ちゃんとこの作品を理解するために再視聴の旅を開始しました。

それでけっこう衝撃を受けたんですけどこの作品、しっかりねっとり情報を得るぞという気持ちで視聴し直すと想像の100倍くらいの情報量が襲ってきました。

これメチャクチャ伏線じゃん!!これここで言及されてたんだ!!!このキャラってこの話から出てたんだ!!!!ここの背景ってアレかあ!!!ちょっとまってOPコマ送りにしたら……あの人がいるじゃん!!!!ちょっとまって状況と関係性把握した上で見るとここの会話情報量多すぎ!?!?!?さりげないニュースの音声も!?!?全部言ってる!!全部言ってた!!!!ウワ、ウワーーーーーーッ!!世界ーーーーーッッッッッ!!!!!

もうずっとこんな調子です。TBHX、全体を見るとあまりどんでん返し系の話はしていなくて、少しずつ世界の姿が見えてくる系というのかな。情報を拾っていってそれをパズルのように組み合わせていくと全貌が見えてくる系の味わいです。そういう2周目の楽しさがあります。

ここで監督の言葉を引用します

この作品を見る際には、観客自身が「パズルのピースを探す」ような体験をすることになるでしょう。
観客の皆さんには、ヒーローそれぞれのエピソードを見ながら、他のピースや鍵を見つけ、新たな扉を開くような感覚を楽しんでいただきたいと思います。

ウ、ウワーーーッッ!!!私が2周目視聴しはじめてウワーーーッってなってた要素、監督の意図通りすぎるーーーーーッッッッッ!!!!!

 

この作品って根本がかなり『世界を知っていく』をやっているんですよね。Blu-rayのブックレットでも『(TBHX)は世界観を作ることを重視した企画だった』とコメントされています。同じハオリン監督の作品でも、『時光代理人』なんかはかなりリアル世界に近い舞台での人間ドラマが主、『RINGING FATE』は世界観こそ特殊だけど拡張感は少なめ、特殊な表現方法・生や死といったテーマ性が肝だったりしたので、企画段階で作品ごとに色んなコンセプトがあるんだなあ。と、当たり前すぎることを思ったりしました。そりゃあハオリン監督作品の中でTBHXが特別ツボにくるの納得しかないよ。元から実力と実績とパワーとエネルギーのある監督が出しうるフルパワーを出して私が一番好きなやつ作ってんだもん。そんなことあっていいのか?あるんだなあ……

あと、この作品の優れているところは『1周目が匂わせばっかで全くわからん、2周目でわかる』ではなく、『1周目は表面的に提示される分かりやすいストーリーを追えばよく、2周目で更に深く知ることができる』作りなところかなと思います。特に最初の3編(ナイス編・魂電編・シアン編)は最初というのもあってかなりシンプルに分かりやすいストーリー進行をしています。ホスピタリティが強い。“伝える”工夫をサボってない作品が、好きだ。

 

手触りがアドベンチャーゲーム

複数主人公、それぞれが主役の回を見ながら細かい情報を拾い、繋がりを見出し、それが大きな世界の姿やストーリーのうねりに繋がっていく……こ、これ、手触りがアドベンチャーゲームすぎるかもしれない!!!複数主人公をザッピングしながら情報を埋めていったりするタイプの……あの、あのタイプ!!!

そりゃあ好きに決まってるし、楽しいに決まってるすぎる。普通に1周するだけだと普通に映像作品の手触りだと思うんですけど、よ~し、“知る”ぞ~。と思って見直すと情報の拾え方・群像主人公の横断っぷりがADVすぎてビビる。こんなの……楽しすぎるだろ!!!!

 

本編外にも情報がありすぎる(本編だけでも十分に理解し楽しめる上で)

そんなワケで本編24話分の情報量に溺れられるアニメーションなわけですが、この作品、それだけでは飽き足らず更に情報を浴びることが可能になっています。

まずこれ、キャラクターコンセプトムービー&ストーリームービー。

コンセプトムービーは30秒尺、ストーリームービーは1分半尺のアニメ映像になっています。こちら、本編編集MADではなくこれ用に制作されたオリジナルアニメーションムービーとなっております。しかも主人公10人分あります。BGMは各キャラ用に制作されたテーマソングです。ウ、ウ、ウワーーーッ!!!!!!!情報の渦!!!!!!!!!!!資本力!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!

あまりにも資本力が強すぎてred bigしてしまった。でも情熱だけでこれは生まれませんよ。資本力が過ぎる。もちろんプロモーションも兼ねているのでしょうけど、普通にそんな次元ではない。どうかしてるとしか言いようがない。アニメっていうより巨大ソシャゲコンテンツみたいなノリだよなこれ。

各キャラ用のテーマソング、というのも、キャラソン的な類のものではなく、色んなアーティストがそのキャラを余すことなく表現している激リッチボーカルつきサウンドトラックという感じのものです。これは本編内でも流れるんですが、いいんですよね、しばらくするとイントロが流れ出した時点でテンションが爆上がりするようになります。パブロフのオタク。

 

このように、本編外でもキャラの濃厚な情報を摂取することができます。

こういう、『本編外に情報ある』系って、「いや、本編で全部やれよ」となることもあると思うんですが、TBHXのそれは『ちゃんと本編で出すべき情報出した上でプラスアルファとして楽しめる』塩梅なのがいいなと思います。別にこういうキャラムービーまで見なくても作品としては十分である。でも作品を楽しんだ上でこれらムービーを見るとより濃厚な果汁が出る。そんな感じです。理想的かもしれない。

※↑すいませんこれは48話やる前提で話しています。24話時点では本編内に不明点まだまだ多いです。

 

公式サイトの充実っぷりもすごいんですよ。

私は本編を見返しながら穴埋め問題を埋めるように自分で時系列メモったりすることを楽しんでいたんですが、そこまでは…って人には公式サイトに時系列表が掲載されていたりします。

それと個人的にメチャクチャいいなと思っているのは公式サイトに載っている相関図ですね。相関図が全話分用意されているのがメチャクチャありがたいです。相関図ってやっぱりそのときどきで移り変わるものですし、1枚では表現しきれないところがあると思うので。全話分の相関図、ありがてえよ……
アニメ見てる割にアニメの公式サイトってそこまでねっとり見てなかったんだけど、他作品でもやってるところはけっこうやってるみたいですね。各話ごとの相関図。

情報、吸えすぎる。どうにかなりそうだ。

 


やっぱり原作がアニメのオリジナルアニメって最高~。原作付きのアニメも当然見てるけど、やっぱり「これは原液じゃないものを啜っている」という感覚ではあるので。なんと!オリジナルアニメは!アニメが原液なんです!ズズズズーーッ!ズゾゾーーッ!!!!

日本産のオリジナルアニメって近年はもうほとんど1クール枠なので……連続2クール以上の濃厚なオリジナルアニメを浴びられるのって気持ち良すぎた。日本の新規IPオリジナルアニメ、めっちゃ光るものはある、けど…!無理に1クールに収めてる感強い!!!!みたいな惜しい作品がいっぱいあって……制作陣はもっと壮大なことがやりたいんだろうなあ……でも2クール枠は取れないんだろうなあ……と切ない気持ちになること数多………それを実現できるのは大陸の資本力でしたというのはこれはこれで切なさがあるものの、オタクとしてはありがたさしかないですね。こういうのが売れて日本のテレビアニメも再び2クールオリジナル濃厚アニメがいっぱい作れるようになると嬉しいのですけれど。

 

そんな感じです。面白いし、楽しいです。TO BE HERO X。絶対第2シーズンやってくれ~ 第2シーズンやってくれ~ 第2シーズンやってくれ~ 第2シーズンやってくれ~ 第2シーズンやってくれ~ 第2シーズンやってくれ~ 第2シーズンやってくれ~ 第2シーズンやってくれ~ 第2シーズンやってくれ~ 第2シーズンやってくれ~ 第2シーズンやってくれ~ 第2シーズンやってくれ~ 第2シーズンやってくれ~

以上です。