徳甲一族 英霊の歌

マンガ描いたりしつつ俺屍Rをじっくりプレイする記録

エンドロールA面①【大千代~アヅキ編】

・クリア時恒例、エンドロールを見ながら一族を振り返る記事
・今までと同じようにしようと思ったら総文章量がえげつない長さになったので分割します。
・補完創作の話を絡めると更に膨大にややこしくなるので、補完メインの振り返りはエンドロールB面と称して色々終わってからそのうちやります(まだ未着手です)

いつもこういう書き方になってしまいますが、めったくそに長いのでこういう語りバッチコイやぞって人はお楽しみいただけると嬉しいです。ここからは徳甲一族のおまけゾーン!

【大千代~アヅキ編】←いまここ
【火輪~石榴編】
【血潮編】
【赤編】
【更紗編】
【緋ノ丸編】


大千代

たいちよ

いつも前を向いて 歩いて行くのです
どんな悲しみにも 負けちゃダメ
さあ、子供たちよ
私の屍を 越えてゆきなさい

源太とお輪の娘。

明るく活発そうな外見に加え心の火&土が高いという、正に『迅速果断』なイメージの熱血少女。私にとっては初めての女初代でした。

初陣から罠にかかり散らかしたり、生きているうちに大江山の仁王門を攻めようとして無茶をしたり…行動が一貫してすごく彼女らしかったな…。
まあ『初代で大江山に行きたい、呪殺の碑を見たい』というのはプレイを始める前からの目標だったので、もし彼女がもっと大人しそうな性格でも決行したんじゃないかなあ…とは思うのですが。それは俺屍の妙みたいな…そんな感じです。

『格上の敵に挑んでいきたい、その戦い方や立ち回り方を考えるようなプレイがしてみたい』という特攻方針もプレイ前から決めていたものですが、一族的には千代ちゃんの迅速果断的な血が流れているから…だったりするのかなあ。
ただ、途中それでとんでもない失敗を犯してしまった影響で一族全体がかなり慎重になっていくんですよね。何だかプレイヤーの当初の方針や千代ちゃんの生き方がずっと一族の動きを決められるわけではないんだなあ…とか考えさせられました。一族、変わっていくんだなあ…

あとに続く一族って歴史の流れや性格・在り方次第で少しずつやり方が変わったりしていくものだけど、『初代当主』はどういう存在であってもそのプレイのスタート地点や当初方針の象徴なんだなあ…というものすごく観念的なものを感じる存在ですね…千代ちゃんは
私は初代を掘り下げるのがちょっと苦手なのでけっこう概念化しがちな気がします。

 

青之進

あおのしん

生まれるは、死ぬことの始まり。
死ぬは、生まれることの始まり。
そういうわけだ。ガッカリするな

初代千代ちゃんと鹿島中竜様の息子。青緑家系の始祖

水神様の子供らしく水のステータスがやや高い以外は突出したところのない男でしたが、『風評:無頓着』と死ぬ程低い心火のおかげで『すっごいマイペースでユルい人』という立ち位置だったのが超良かったな…と思います。
心火、止まるのがめちゃくちゃ早かっただけでなくストップ後の0~8上がりで0付近引く率が高かったんだよね笑 なので心火部門ぶっちぎりの一族ワーストです。ゆるすぎる。闘争心、無

なのでもう最初に顔とステータス画面を見た時点で『イケイケな女初代とゆるゆるな第一子』という関係が見えて「良すぎる…」って思ってました。本当に良いバランスの二人だったなあ。

『3代目以降の月齢を出来る限り近づけたいので第一子の交神は引き伸ばす』というのもプレイ前に考えていたことではあったのですが、彼や竜ノ助じゃなければもしかしたら後悔していたのかもしれないなあ…どうなんだろう。
個人的には俺屍において親に会えない=100%不幸なこと、とは思っていないのですが(キャラによるよなあと)青之進と竜ノ助は二人ともマイペースで、会えて無いからこその不思議な親子の距離感があって…って印象があってけっこう好きなんですよね…本当にね、ありがとうだね……。


▲ラス月3赤火で大騒ぎになったのもなんとなく彼らしい巡り合わせに思える

遺言がすごく良いんですよね。
詳しくは当時色々書いたので置いておくとして、彼らしくもあり、『始まり』の遺言としてこれ以上ないものでもあり…。

あ、あと終わってからの観点持ってくると『生』『死』というキーワードは子孫である凪左助やイエローの雷丸の遺言にも入っているのでああ〜…となってしまいますね。徳甲一族死生観を語りがち…
そんな生と死の話の中でも青之進のそれが「始まり」「ガッカリするな」なの本当にゆるくてマイペースで優しい彼らしいと思います。
「なるようにしかならん」の雷丸、「死に場所を探すのは簡単、生きる場所を見つけろ」の凪左助…同じ『生と死』の話でも結論が違ってすごくらしい気がする。この3人の遺言入れ替えたら『違う』ってなるんだろうなあ…
好き、好きですね…

 

 

黄々

きき

あんたらと一緒に ずいぶん
いろんなところに 出向いたけど、
今度ばかりは 行き先が違うようだね

初代千代ちゃんと鹿島中竜様の娘。イエロー家系の始祖。

ギャルギャルしい外見に『好き:台所』という、フィクションギャル好きが死ぬ前に見る夢のようなプロフィールを引っさげてやってきた超新星でした。今でも夢じゃなかろうかと思う。

心水も世代トップだったので本当に『料理が好きで心優しいギャル』なんですよ…フィクションギャルフリークが死ぬ前に見る夢なんですよ…
という話は置いておいて…

黄々は上記のようなイメージだったので青之進お兄ちゃんに懐いてる妹キャラだろうなあ…って印象だったし、カラスにビビっていきなり防御進言しはじめるなどもあって本当に誰かの後ろにくっついているような人なのかなあと思ってたんだよね。

だけど青之進がいなくなった後も戦闘などで明らかにへこたれてるな…って思うような進言や動きはなく、あれ?この人は私が思ってるよりずっとしっかりしているのかもしれない…という風に変化していったのが面白かったです。

下の子に訓練をつけたり、アヅキのプロフィールが『飯は残さず』(黄々の台所に関連がありそうなもの)だったり、無茶な討伐に出かけた真赤丸を連れて帰ってきたり…真赤丸がかなりの年齢だったにも関わらず一命を取り留めたのは水神の子である黄々のおかげかもしれない…みたいなことも考えたなあ。気付けば黄々は『お姉ちゃん』になっていたんですよね。

そして遺言はおそらく次世代の子供たちに向けた言葉という。黄々も戦闘的にはあまり目立つ存在ではなかったけど、一生を通してすごく俺屍一族らしさを感じた一人でした。

 

真赤丸

まっかまる

もう戦えないのなら 仕方ない…
ほな、さいなら

初代千代ちゃんと七枝 タケル様の息子。レッド家系の始祖
レッドの祖は真赤丸なのか千代ちゃんなのか諸説あるけど(?)私の中では千代ちゃんは全一族の祖、枝分かれした真赤丸はラインの祖かなと思います。

タケル様の技火・体火を受け継いだ徳甲一族最初のアタッカー。相性の良い益荒男刀は手に入らなかったので無属性武器を扱っていましたが、それでも頼りになる切り込み隊長でした。

しかし特筆するべきは火の力ではなくかなと…本当にね、本当に低かった。低かったです。
少し気になって過去周回の一族含めて心の平均値を見ていたのですが、戦勝点をあまり稼げなかった1周目の第一子を下回り堂々の総合ワーストでした。真赤丸、戦勝点3000稼いでランクアップゴリ押し分もあるのに…


▲0歳9ヶ月、戦勝点1300ちょっとで全心ストップ

もちろん術も充実していない、奥義を覚えられるレベルでない最序盤において心の数値はさほど重要なものではないと思うのですが、だからこそ戦いの能力に全部のポイントを振り分けて心をどこかに置いてきているんじゃないかと思えるようなステータスは印象的だったなあ。

そしてそんな彼が徳甲一族の方針通り(千代ちゃんのやり方通り)大江山の石猿田衛門に特攻した…と思うと、なんだか少し分かるような気もしてしまいます。生き残りたいとか怨敵討ちたいとかそういう強い意思じゃなく、『挑むことになってるから挑んだ』感…?
奇跡的に生還したものの寿命月まで健康度が黄色いまま虚ろな4ヶ月を過ごし、最期の言葉は「戦えないなら仕方ない」というのは…本当に何か情緒が欠けている印象を受けてしまいます。

真赤丸のあたりから補完マンガの量も多くなってきたのでマンガ的な方向でも色々言いたいことありますね…だから記事を分けたんですが。(絶対長くなりすぎるので)
こちらはゲーム上での印象ですが、彼の存在は不思議というか、面白いと言うと語弊があるのかもしれないけど…まず私が最初にイメージしていた『レッド組の祖』のイメージとは笑っちまうくらい全然違ったんですよね。もっとこう、熱血!イケイケ!みたいなのを想像していたら来訪した主人公顔男の心ステータスが歴代ワースト級に地を這っていたという…いやあ、真赤丸、真赤丸がなあ…

いやまあ、最初に思ってた『レッドキャラ』と違うってだけで彼の独自色大好きですけどね。


竜ノ助

りゅうのすけ

あ、フキノトウ食いてえ…

青之進と風車お七さんの息子

『親に会えなかった子供』だけど、だから悲しくないのかとか寂しくないのかって聞くと心底面倒そうな顔をしそうな男…という印象です。「なんだか変わったお方、意外と大物かも」なんだよね。
こう書くとやっぱりちょっと燕九朗のポジションに似てる。竜ノ助はそんなに頭良くないだろうけど。

本人は青之進譲りの大雑把で面倒なことを回避したがりそうな性格なのに、戦闘においてはめちゃくちゃ頼られていた、っていうのも面白かったです。高い技風と並の体火を生かせる『かまいたち』を早々に入手して、雑魚戦の薙ぎ払いからボス戦に至るまでとにかく安定して強かったのが印象的でした。エースではないけどローテの3~4番手あたりで防御率3点台半ばを維持しつつ確実にイニング食ってくれそう。頼れるから頼られるんやぞ。笑

マンガでも描いたけどアヅキの奥義・疾風剣創作修行の同伴者が風使いの竜ノ助、って構図がすごく好きです。

 

大也

だいや

いつも言葉が足りなくて、ごめん。
今も何も言えなくて、ごめん。
だから…ありがとうございました

黄々と根来ノ双角様の息子
モヒカン+前世は傾国の美女、という一発ネタで徳甲一族の瞬間最大風速を記録した男です。しかし、完全にネタ枠としか思えなかった彼がその後の生き方によってなんなら徳甲一族随一のシリアスで難しい男になっていったのはなんかこう…すごく俺屍だなあ…と思いました。

素質点の割に能力がイマイチだったんだよね。安定感はあったし体力なんかは世代で一番高かったのだけど、とにかく火力が無かった。ならばその恵まれた体で盾になるような役割を務めるか…?と言われても、技風に恵まれた竜ノ助の方が向いている→結果後列サポート役という位置に収まる…という。

心的には風が低く土が高い、火水も割と高いというステータス。情に厚く、考え方はすごく古風な武人気質…そんな彼の人格に対する印象を考えると、勇敢に敵陣に切り込めるわけでもなく、堂々と敵の前に立って敬愛する主を守れるわけでもない…という自らの立ち位置は本当にもどかしかっただろうな…と今でも思います。

しかも自分がなりたくてもなれないポジションに入っているのが別にそれを望んでいるわけでもない竜ノ助、というのもなんかね…。大也は竜ノ助のこと嫌いってわけではなかったと思うけど(至らないのは他人ではなく自分のせいと考えるタイプだし)複雑な感情を持ってただろうなあ。
でも大也は腐らずに自分なりに努力し続けられる男で、生涯厄払いの槍を使い続けて最終的な技火水はなかなか立派な数値に成長したんですよね。そういうところも良いんだよな、大也…

 

そして大也は竜ノ助の健康度が傾いた時、アヅキ世代3人で出陣できる最後の機会で前半ボスの全打倒を目指します。雷電五郎・太刀風五郎戦
この時健康度が下がっていたのは竜ノ助だけだったけど、大也もランクアップ数値的に翌月減少開始であることが見えていました。本当にアヅキたち3人の最後の戦いだった

五郎戦の定石は前列一人にして全体のダメージ軽減、今までその役目を担ってきたのは技風が高い竜ノ助。…そこで私は『大也を前列に出す』という選択をしました。

この時のことを思い出すとなんか半分くらいトランスしててよくわからなくなるんだけど、今まで我慢して努力してきた彼の気持ちに報いたかったんだと思う。
最後まで盾にも矛にもなれず終わるのか、今までやってきた立ち位置で戦いきるか…っていうのはちょっとした究極の選択でどちらが正解だったかというのは私には決めることができないんだけど。

それに竜ノ助も健康度減少で体力減ってたからなあ…ここで大也が落ちたのは手番狂いが原因なので、誰が前でも犠牲が出ていたのかもしれないです。もしものことは分からないですが

そもそもメタ目線だと前半五郎ズなんて倒す必要のないエネミーで、出陣を決める時点から選択が発生していたとも言えると思います。『この世代で親玉打倒コンプという武勲を目指すか、家でゆっくり子供たちの面倒を見るか』、という。
もちろんこれにも絶対的な正解はないのだと思います。プレイヤーが進めたい歩みや打倒しておきたい敵・その時の一族を見て道を選ぶっていう要素がこの『大也の最後の一カ月』に詰まっていて、何度も繰り返すように『正解』や『これで良かった』『良くなかった』というのを断定したくない。

ただ、一つの『解』は出ていて、それが大也の最期の言葉だと思っています。「ありがとう」って言ったんだ…大也は
だから全て良かった!大正解!というわけではないのだけど(あくまで大也の主観による解の一つである、というだけなので例えば置いていかれた子供の目線だとどうなの!?とか色々)、それでも彼が感謝の意を告げて逝ったということは事実として残っていて

少し後になってからこの戦いや選択のことを思い出して急に精神不安定になるなどしたこともあったけど、色々考えてこんな感じの結論に行きついたな…という思考整理の話を最後に大也の項でしたかった。
私にとって徳甲一族というプレイにおいて大事にしたいというか、絶対に軽んじてはいけないのがこの選択と結末だったと思うし、それに伴って徳甲大也という男のことものすごく重く見ているところがあるんだろうな。モヒカン+傾国の美女っていう一発屋芸人みたいな来訪からこんな存在になるってもうわけがわからない。なんなんだ モヒカン傾国美女って

 

 

アヅキ

あ~ぁ、あんまり寝てると
かえって 疲れちまうんだよね…

真赤丸と速瀬ノ流々様の娘。三代目隊長

アヅキは徳甲一族の歴史を見ても『エース』という言葉が一番似合う存在だったと思います。
真赤丸から受け継いだ体火、流々様にいただいた技水に竜神刀を携え、継承できるタイミングで奥義を創作。
あの時期だと敵なしの強さだったことに加え、2歳と長生きしたことで長期間次世代を率いて鬼朱点打倒までを成すという。この『皆を率いた期間の長さ』がマジでエース感あるんだよね…やっぱりエースは何年も続けて好成績を残し続ける存在じゃないと(?)35歳を越えてエース的存在じゃなくなってもローテ守ってくれそう

性格的にも高い心火と心水を持ち、飯は残さず!な情と真摯さに溢れた騎士道精神の塊…こう書くと最強の存在みたいだけど、同世代が去ってから半年もの長い間一人で戦い続けたということは彼女にとってへっちゃらなことなんかじゃなくて
『一人でいることの寂しさ』みたいなのも勿論あっただろうし、それだけの長い時間自らの選択の是非についても考え続けたのだろうか、とか。もしかしたら鬼朱点打倒で呪いが解けずに死ねたことは一人ぼっちの彼女にとっては救いだったかもしれないし、でも彼女はそう感じる己は間違っていると思って責めるかもしれないし…みたいな。強くて誇り高かったけどすごくぐるぐるした渦の中にいた、両手両足を鎖でつないでしまっていた人 そんな印象です。

重い書き方で〆てしまったけどこんな女騎士生徒会長みたいなアヅキの交神相手にドヤンキー暴走族顔の三ツ星凶太様を選んだこと、今でもマジでマジでマジで気に入ってます。火輪の存在も含めて最高の巡り合わせだった

 

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テーマの著者 Anders Norén